天極姫~新世大乱・双界の覇者達~
unicorn-a/げーせん18 | WindowsXP/Vista/7/8 | 1280x720 |
9800円(税別) | 1Play15時間 | 属性:SLG、戦国、美少女武将 |
難易度:7 | 2014/9/26発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
戦極姫と三極姫、両作品のヒロインが一堂に集結!!
©2014 unicorn-a Ge-sen18
三国志や戦国時代の有名武将を美少女ヒロイン化し、史実をベースにした人気の戦略SLG『戦極姫』と『三極姫』シリーズ。コンシューマー移植も数多くなされ、いまではブランドを代表するやり込みゲームとなっている両作品を使い、オリジナルのお祭り的な舞台を用意したのが本作『天極姫』だ。それぞれの極姫から人気の美少女武将たちを集め、異世界での大陸覇権を目指して戦っていくというのが概要。戦極ヒロインの織田信長や上杉謙信が、三極ヒロインの関羽や曹操と刃を交えるという、歴史好きのゲーマーなら聞いただけでもワクワクしてしまう内容である。この夢のようなお祭りファンディスク、極姫ファンや歴史SLG好きには見逃せないはず!!
©2014 unicorn-a Ge-sen18
元となる極姫シリーズは戦略SLGとしての高いゲーム性、遊べるゲームとしての価値がなんといっても一番の魅力。戦極、三極では戦闘ルールや兵種などに微妙に違いがあるため、両作品を併せる天極姫では更にオリジナルのルールが用いられている。特に今回初となる画期的な新システムを採用している点も大きな見所といえるだろう。毎回スタート時にランダム構成される勢力図、リアルタイムで戦術移動が行われる作戦フェイズ、9種にも及ぶ兵種分け、拠点の差別化など原作を踏襲しつつ、新たなゲームシステムを構築している点が高く評価できる。個人的に一番気になっていたのは作戦フェイズのリアルタイム化だが、これは想像していたよりずっと使いやすいものだった。戦闘中に時間が流れるというと、じっくり考える時間がないのでは…と心配していたのだが、時間経過を3段階で操作できるのと自由に一時停止をかけられることから、そういった不安は杞憂であった。ただ、移動に時間がかかる、内政フェイズで好きなように大陸中を移動させることができなくなったことは考慮しておかなければならない。前線でコマがたりなくなった際など、すぐに応援を回しにくくなっている。あらかじめ戦域全体を把握し、自軍を効率良く動かしておく必要はでてくる。このあたりは難易度が上がっていることは確かだが、より現実に近い戦略ゲームに近付いたといえ、評価できると思う。
美少女ゲームとしてのHイベントについても豪華そのもの。2作品の人気ヒロインたちの完全新規のHイベントが1人につき3シーン前後ずつ用意されている。原作それぞれ単体でも、1人につきこれだけシーンが用意されているというのは珍しいのではないかと思うほど。集められているのが主役クラスの有名武将だけでなく、サブヒロイン的な武将も多いので、そういった武将たちにとっては特に豪華だと感じた。戦略SLGとして遊びつつ、ヒロイン武将たちの艶姿も堪能できるバランスの良さは、シリーズを重ね続けている人気作ならではといったところか。
集大成ともいえる作品だけに全体的な完成度は高いのだが、少し気になった点があるとすればシナリオ面だろうか。原作が史実をベースにしたストーリーを楽しみながらSLGを進めていくのに対し、本作ではそういったことはできない。ある程度地域制覇を進めることで、ちょっとしたミニストーリーは数回発生するのだが、ほとんどそれはオマケ程度なもの。オリジナル世界が舞台なことでここらへんは仕方ない所もあったかもしれないが、少しあっけなさは感じられた。原作にある戦略SLGだけを楽しむ群雄モードに近い印象だった。シナリオモードはプレイ勢力が18も用意されているのだが、このためにどれをやってもあまり差異が感じられない。プレイ勢力独自のイベントを、CG付きで(Hイベントもあれば)用意できればもっと質が上がったと思う。
(by RYO)