愛してるけど恋したい、あと援助交際も

結婚してからも毎晩のように妻の涼香を求める主人公は性欲が強く、いつも涼香が参ってしまう。主人公は仕方なしに、持て余す性欲は別の女性に捌け口を求めるようになっていた。お互いに連絡先と名前しか知らない晴と割り切った関係で性欲を発散していたのだが……。ある日、突然の交通事故に巻き込まれた主人公は、入院することになってしまう。病院で気がついた主人公はナース姿の晴を目にして戸惑うが、晴が救急車を呼んで自分の勤める病院へと主人公を運び込んだのだった。絶倫な主人公の性欲処理のために毎日お見舞いに来るという涼香と、病院で働いている愛人の晴。スリリングな入院生活が始まる……。

低価格ソフトである本作は、基本CGが31枚で回想シーンは37種類というボリュームだ。CGのサイズは1024x768となっていて、未だに数が多い800x600より大きいのはよい点といえる。テーマ的には妻を愛しているけど、妻の涼香だけだと彼女の体力が持たないから……と愛人を作っている状態を楽しもうという作品だ。愛人の晴は精液ジャンキーで主人公の精液を飲むのが一番の栄養剤などというお方。浮気相手の晴がいるだけでもヤバイのに、入院患者の女子校生がお小遣いをねだって援交を求めてきて、さらに危険な入院生活を味わうことになるって話を描いている。

©劇團近未来2013

涼香は病院だからと最初は手コキで処理してくれるだけ。それが大胆になってパイズリ、69と応じてくれるようになるが、あえて焦らして涼香から求めてくるのを待つ主人公がもどかしいかも。涼香が新たな世界に目覚めていくのも意外な展開だ。晴は主人公の入院をエナジードリンクの補給所が病院内にできたという感覚のよう。涼香とのＨで不機嫌になっても、それは精液が薄くなるのを嫌っているだけらしい。前立腺責めで強制射精させて精液を搾り取っていくとか強烈な精力剤を飲ませてくるとか目的のためには手段を選ばずだ。ナツミはトイレで彼女がオナニーしているのを見てしまったことをきっかけに、口止め料として突然騎乗位で跨ってくる。年上の男から与えられる快楽にハマって、危険な関係に飛び込んで……じゃなく、欲張りな主人公がJKもほしいと巻き込んでいってリスクが高まっていくわけだ。とはいえ、晴とナツミは師弟のような関係に落ち着く展開もあるけど。

毎晩Ｈしまくっていたのに入院で満足できるまでＨできなくなった涼香が大胆に変わっていくさまと、晴の与えてくるスリルと精液搾り取り、不思議娘ナツミの反応が見どころの本作なのだが、イマイチしっくりとこない印象だった。妻以外は完全割り切りの関係で、涼香にバレないように……って主人公は言うものの、実際にはプレイヤーはスリルを味わう感じがあまりしないのが惜しく思える。そこが本作で一番期待するところだろうに、タイトルから期待するものと異なる寝取られがあったり、ナツミの超展開があるのは何かが違うんだよね。浮気のスリルを味わうのに特化した内容にしておいたほうが楽しめたんじゃないのかな。

作中で過去作品3作の一部シーンをおまけで見られるというのもあって、コストパフォーマンスはボリュームを考えるとよいのでお薦めは☆☆☆にしておくけど、修羅場になりそうなスリルを味わいたいという人ならば☆☆ぐらいだと思っておいたほうがよいかも。

（by 伊織舞也）

妻の門山涼香を愛していながら、旺盛な性欲をもてあまして二ノ瀬晴という女性と浮気をしている主人公。そんな主人公は、ある日、交通事故に遭って入院することに。しかも、入院先の病院は晴がナースとして働いている病院だった。さらに彼は川辺ナツミと名乗る女子校生に出会い、援助交際をすることになる。3人の女性と関係を持ってしまった主人公の運命は!?

©劇團近未来

低価格ソフトや同人ソフトは、値段の関係であまりコストをかけられないもの。赤字を出さないためには、ゲームの規模をある程度押さえる必要があるのは当然だろう。そんな制約の中で色々な要素を詰め込もうとすれば、すべての要素が中途半端になりかねない。だから、個人的には低価格ソフトや同人ソフトではヒロイン数は1～2人、コンセプトもシンプルなものがベターだと思っている。過去にレビューした劇團近未来の作品『マネジ』シリーズなんかは、このパターンにキレイに収まっているしね。

それに対して本作はヒロイン数は3人、しかも人妻、ナース、女子校生と、これでもかとばかりに色々な要素を詰め込んだ作品。これはちょっと欲張りすぎなんじゃ……と思ったのだけど、嬉しい誤算というべきか、これは杞憂だったかな。3人のヒロインは、最初は清楚で徐々にマゾに変化していく門山涼香、ひたすら享楽的で精飲が大好きな二ノ瀬晴、素直で耳年増な川辺ナツミと、しっかりキャラが立っているのが好印象。さらに、Ｈシーンではそうしたキャラを活かしたものになっているので、プレイしていて飽きないし、最後まで楽しむことができた。CG枚数が差分抜きで31枚、イベント数37というボリュームも、価格を考えれば上々だろう。

ただ、ちょっと気になった点もあった。まず、CG枚数よりもイベント数が多いことからも分かるように、イベントCGを使い回しているイベントがあったこと。イベント数を増やすためにはやむを得なかったんだろうけど、少々気になってしまったかな。それから、ルートによってはホラーというか、オカルト風のエンディングになってしまうことがあること。基本的にはリアルな現代日本が舞台になっているだけに、こうしたエンディングはちょっと浮いているように感じられた。

不満点も書いてしまったけれど、全体としては良くまとまった秀作かと。深いストーリーなどがあるわけじゃないけど、お気楽にエロを楽しみたいのならオススメできる作品だろう。というわけで、オススメ度は☆3つだ。

（by Suno）