三極姫3～天下新生～

大きくパワーアップした新生・三極姫

©2013 unicorn-a Ge-sen18

『戦極姫』シリーズと並ぶ人気シリーズとなっている『三極姫』。日本人にもお馴染みの三国志を題材に、美少女化した有名武将たちと大陸の覇権を争う本格派の戦略SLGだ。三作目となる本作ではシナリオ、ヒロイン武将、ゲームシステムなどを一新。やり込み要素を増した新しい国取りSLGとして仕上がっている。じっくり時間を掛けて遊ぶゲームを求める人に最適の一品。

前作から大きく変わったのがシナリオ面。1と2がさほど変わらなかったのに対し、今回はどのルートも完全新規シナリオが適用された。特に蜀ルートでは追われながら各地を流浪していく劉備たちの姿が描かれ、史実の再現へのこだわりが感じられた。逆に呉ルートなどは孫策が生存する展開を見ることができ、こちらはIFルートの設定が楽しめる。これらは先行して発売されていたコンシューマー版の『三極姫2』のシナリオがベースとなっているが、Ｈシーンまで楽しめるのはPC版のみの特権。全体的なシナリオが同じでも、武将デザインは本作から新しく変わったキャラも多く、ヒロインイベントに関しては初出のものが多いのも嬉しい。初ルートとなる呂布ルートではSLGの難易度が高く、歯応えのあるゲームが楽しめる。

©2013 unicorn-a Ge-sen18

シナリオだけでなく、ゲームシステムにも大きくテコが入った本作品。全体マップは全県が表示されるようシームレス化が適用され、城同士の繋がりがわかりやすくなった。各キャラの兵種も16種に増えたほか、新しい要素として6種類の武将属性も追加されている。そして最も驚いたのがアーキテクト機能。好きな武将を思う存分強化できるという凄い強化システムだ。お気に入りの武将をとことん使い込み、手に入れたポイントでアーキテクトを強化していく。同じレベルの武将でもアーキテクトを振ったものと、そうでないものとでは天と地ほどの差がでるほどその効果は凄まじい。自分だけの最強軍団を思う存分作り上げよう。

まったく新しい三極姫として前作をプレイしている人にも安心してオススメできる本作品。ただ、もう少しこんなものもあれば…と感じた点もある。個人的に最も欲しかったと思ったのは周回プレイ特典。戦極姫シリーズではこれがすでに導入されており、クリアポイントを使って武将を増やす、装備を増やすといった事が可能になっている。勢力ごとのルートが何本もあり、何周もプレイするのは三極姫も同じ。2周目以降では何かしら特典は欲しいと思ったのは自分だけだろうか。性質上武将そのものを仲間にするのは難しいとしても、アーキテクトのポイント、成長具合を引き継げるといった事はあったも良かったと思う。このシステムは面白いのだが、こだわりすぎたために項目が多すぎるのは気になった。そこに限らず、何かしら周回特典があれば、何周も遊んでいくのがもっと快適になったと思う。次回作やアペンド版が出た際には、そのあたりを期待したい。

（by RYO）