BUNNYBLACK
ソフトハウスキャラ | WindowsXP/Vista/7 | 800x600 |
9240円(税込) | 1Play30時間 | 属性:ダンジョン探索型RPG |
難易度:8 | 2010/7/30発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
魔王様の部下となり出世とH
冒険者として魔王に挑んだダークスは戦いに敗れ、瀕死の状態になってしまう。そんなダークスを助けたのは、他ならぬ魔王だった。魔王から生命力と魔力を与えられたダークスは、そのまま魔王の部下として仕えることに。そんなダークスの目的は、魔王軍の中で出世し地位を確立することと、魔王の森にやってくる女冒険者を捕らえてHをすること。ダークスは魔族の一員としてやっていくことができるのか?
©ソフトハウスキャラ
自分としてはソフトハウスキャラといえばSLGのイメージが強いのだけど、本作はそんなソフトハウスキャラの(たぶん初めての)3Dダンジョン探索型RPG。ダンジョン内の移動はやや重めなので、使用するPCのスペックによってはストレスを感じる人もいるかもしれない。できればPCへの負荷を下げるために、グラフィックの品質を落とすなどのオプションも欲しかったところだ。また、グラフィックドライバによって快適性がかなり変化するので、ストレスを感じている人は、ドライバを最新のものへ入れ替える作業が必要になるかもしれないね。
ゲームの方はといえば、微妙な出来というところだろうか。決して面白くないワケじゃない。まず、登場するキャラはみんな魅力的。ダークスの身の回りの世話をすることになったシアは、最初はダークスを敵視していたのがしだいに相手を受け入れ、最後には仲の良い夫婦のようになっていくのが良い感じだ。ダークスの周りにいる女のコたちに焼き餅を焼いたりするのも良い感じだしね。苦労性で文句をいいつつもダークスの面倒を見てくれる上司のメリルや、素直に好きといえない優しい魔王様のフォーゼロッテも非常に魅力的なキャラといって良いだろう。
ダンジョン探索の部分も難易度の設定の仕方がかなり絶妙。本作はいくつもある依頼を引き受けて、これを達成することで経験値とお金を貯めていくことになる。さらに、依頼を達成すると経験値とは別に功績値というのが与えられ、これを貯めることで「格」というパラメータが上昇していくシステム。そして、ゲーム序盤はザコ相手でも簡単に全滅してしまうほど、難易度は高い。本作ではお金でパーティメンバーを雇うことができるのだけど、どんなメンバーを雇うことができるかは、現在の主人公の「格」によって制限されてしまう。この制限の中でどんなメンバーを雇い、どんな隊列を組むか考えるのがかなり楽しいんだよね。ダンジョン内の掃除なんていう最も簡単な依頼であっても、一生懸命にパーティの構成を考えなければクリアできないわけで、人によっては「そんなマゾゲー、やってられるか」と思うかもしれない。だけど、正しいやり方をしていれば必ずクリアできるようになっているわけで、ダンジョン探索好きならかなり楽しめるんじゃないかと思う。
©ソフトハウスキャラ
けど、手放しで褒めることができないのも事実。まず、ヒロインと呼べるキャラが存在せず、ストーリーが弱いこと。ゲーム前半はシア、後半はフォーゼロッテがヒロインっぽいけど、そのどちらもストーリー的な扱いはかなりぞんざいで、ヒロインと呼べる存在じゃない。ストーリー面でいうなら、後半がかなり駆け足で、尻切れとんぼ的な印象になっているのもいただけない。そして、なんといっても不満なのがシステム面。第1に周回プレイをするための引き継ぎ要素があまりないこと。引き継げるのは仲間モンスター数体だけで、アイテムや主人公のパラメータは初期化されてしまう。エンディングも1つだけなので、周回プレイをするためのモチベーションが保てない。第2にかゆいところに手が届かない仕様であること。例えば本作には非常に多くのアイテムが存在しているけど、アイテム一覧が強さや価格によってソートできないため、アイテム整理がとてもやりにくい。これは主人公の使うスキルも同様だ。さらに、そのスキルを覚えるのも1つずつしかできない。こういうことって、1つ1つはどうってことのない問題なんけど、プレイ時間の長いゲームだとボディブローのように効いてくるんだよね。名作っていわれるゲームは、プレイヤーに与えるストレスに気を遣っているもの。本作もそういう点をもう少し考えて欲しかった。
やりたかったことは分かるし、確かに面白いんだけど、いろいろな部分で少しずつ足りないところがあり、名作になり損ねたゲームというのがプレイを終わっての印象。もう少し煮詰めれば傑作にもなり得た作品だと思うだけに、かなりもったいない作品っていうのが正直な感想かな。けど、ダンジョン探索自体は楽しいし、ゲームの難易度も序盤を乗り越えればサクサク進むようになるので、RPGが好きな人ならオススメできる内容かと。というわけで、オススメ度は☆4つとしたい。
(by Suno)