ファミ魔！

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前世での家族と同居生活

両親の仕事の都合で一人暮らしをすることになった主人公。一人暮らしに寂しさを感じ始めた頃、事件は起こった。3人の女のコが押しかけてきたのだ。彼女たちによれば、前世での主人公は魔王の息子であり、彼女たちはそのときの家族なのだとか。家族で仲良く暮らすという彼女たちの夢を叶えるため、前世の記憶を取り戻せないまま同居生活を始める主人公だったが!?

©PUZZLEBOX/松茸本舗

複数の女のコが押しかけてきて、疑似家族になるというパターンのホームコメディ。本作ではそこに主人公たちは魔王一家だったという設定が加わるわけだけど、ゲーム前半部分のドタバタはまずまずといったところ。SD絵を使った演出も良い感じだし、ヒロインである三姉妹はそれぞれ超常能力を持っていて、それを使ったギャグも個人的には楽しめたしね。ただ、画面効果などの演出も含めて、ギャグがちょっと古くさい感じがしないでもない。このあたりは「お約束」ともいえるギャグを受け入れられるかどうかで評価が分かれてしまいそうかな。また、キャラクターの性格設定もツボを押さえた感じだ。央真ひびきはやや影が薄いけど、最初はツンツンしていたくせにデレてからは暴走といっても良いくらいにラブラブになる央真ほむらや、おっとりした清純派に見えて実はエロエロな央真レイカは純粋に良いキャラだなと思えたし、サブヒロインではあるものの登場するたびに自爆してしまうクミコ・Ｆ・花小金井はギャグ要員として欠かせない。主人公の性格がギャグストーリーとしてはおとなしすぎる気はするけど。コメディが好きな人なら十分に楽しめる内容だろう。

ゲーム後半、個別ルートに入ると前世の記憶や魔王を巡るシリアス展開になるんだけど、残念ながらこの部分の出来は今ひとつ。基本的にストーリーが短すぎるし、物語のオチが思わず脱力してしまいそうなものだったりして、盛り上がりがイマイチなんだよね。シリアスで行くのならしっかりと物語の尺をとって魔王との戦いを描いて欲しかったし、ギャグで行くのならシリアス展開など入れずに最後までギャグで通して欲しかった。どちらともつかない中途半端っていうのは、一番良くないと思うんだけどねぇ。

©PUZZLEBOX/松茸本舗

Ｈシーンについてはメインヒロインの央真ひびき、央真ほむらは5つ、央真レイカは7つイベントが用意され、サブヒロインのクミコ・Ｆ・花小金井は2つ、森川美晴は1つイベントが用意されている。ハーレムイベントが5つあるので、トータルでは25ということになる。イベント数自体は決して少なくないし、尺が短いわけでもないんだけど、濃厚さはあまり感じなかったかな。Ｈシーンに入るとあえぎ声がメインで、地の文による状況説明があまりなくなってしまうので、少々物足りなく感じられてしまうんだよね。CGは塗りも含めて綺麗だし、描写がもう少し濃ければ抜きゲーとしても使える内容だっただけに、もったいなかったかな。なお、CG枚数は差分抜きで86枚＋SD絵26枚の112枚となっている。

何を見せたいのかが絞りきれず、中途半端になってしまった作品という印象の1本で、致命的といえるようなところはなかったし、ゲーム全体のボリュームもあるんだけど、このゲームならではという部分がなかったのが惜しかった。スラップスティックなものではなく、まったりとしたギャグが好きな人にオススメかな。オススメ度は☆3つ。

   使い方

攻略

目的のキャラに関係する選択肢を選んでいけば、簡単にエンディングに到達できる。クミコと美晴については該当する選択肢の数は少ないけど、それを選ぶと他の選択肢に関係なくクミコ、美晴エンドになるので要注意。レイカルートの最後の選択肢を「美晴ちゃんらしき人を追う」に変えるとハーレムエンドだ。

（by Suno）