ヒメと魔神と恋するたましぃ
オレンジペコ | Windows2000/XP/Vista/7 | 1024x768 |
9240円(税込) | 1Play12時間 | 属性:純愛、魔神、巫女、カードバトル |
難易度:6 | 2010/5/28発売 | オススメ:☆☆☆ |
千年前から続いている魔神と主人公の恋の行方は?
物の怪が出現する鏡都の中心部にある封鬼学園には、霊力を持つ学生を集めた特別クラス神楽が存在する。主人公・箕琴も神楽に在籍する学生で、学業に加え治安を守るためのパトロールにも精を出していた。そんなある日のこと、主人公のクラスに絶世の美女・六條院咲夜が転校してきた。じつは彼女の正体は魔神で、千年前に他界した恋人の生まれ変わりを探すため人間界にやって来たのだ。彼女は箕琴を一目見て恋人が転生した姿と見抜くが、主人公には前世の記憶がないため咲夜の正体に気づかない……。咲夜は自らすべての事情を語ろうとせず、彼が前世の記憶を取り戻すのをそっと見守り続けるのだった。はたして、千年前から続いている魔神と人間の恋の行方はどうなるのだろうか?
©オレンジペコ
まず、本作のウリの一つでもあるカードバトルを評価しやす。プレイ期間が約40日あり、ほぼ毎日のように物の怪退治のカードバトルが発生する。戦闘の難易度バランスは上々で、チュートリアルを読んでから戦えば、さほど苦戦することなく勝利を積み重ねられるだろう。しかし、レベルアップの条件が「必殺技を繰り出しトドメを刺したときのみ」という変則的なもので、必殺技ゲージをためる作業が若干煩わしいね。通常攻撃で倒してもレベルアップする仕様でも良かったのでは? というか、2巡目から戦闘スキップできる仕様ならば、多少面倒なシステムでもOKなんだけど……。主人公の戦闘データをゲームクリア後に継承出来ないし、アップデータ未使用の初期状態では、戦闘もスキップ不可なんで結構ツライ。
あと、システム面で気になったのが、セーブデータを生成するときの待ち時間。セーブもQセーブも7秒近くコマンドを受け付けない状態になってしまうのだが、これがかなりストレスを感じる。戦闘が頻繁に発生し選択肢もかなり多いゲームゆえ、セーブコマンドの使用頻度はかなり多い。セーブ時の待ち時間は、ヘタすりゃ致命的な欠点になりかねない。まぁ、アップデータを手に入れれば、Qセーブの待ち時間問題は解消されるし、2巡目以降の戦闘スキップ機能も可能になるんで減点対象にはしないけどね。不便な仕様を改善してくれた対応は評価に値するけど、デバッグ時に気づかなかったのだろうか? とくに戦闘スキップなんて、真面目にテストプレイしてたら即気づく問題だと思うのだが……。
©オレンジペコ
まぁ、システム面はアップデータを適応しないと激ヤバな感じだったが、シナリオはかなりイイ! 千年間主人公を想い続けた咲夜の健気さに、すっかりヤラれてしまいました。前世の記憶を断片的に夢として見ている主人公に対し、「早くすべてを思い出してあげてぇ〜」と、思わず声援を送りたくなるような展開に胸が熱くなりやした。また、主人公が咲夜の愛情に対し、前世の自分が愛されてるだけで現世の自分は愛されてないのかもしれない、という複雑な嫉妬心を抱く描写もなかなか良かった。様々な困難を乗り越え千年越しの愛が成就した瞬間、ほっこりした気分になれまちた。純愛好きな人には超オススメっす。ただし、咲夜と主人公の結びつきが強すぎるため、サブヒロインを追いかけると罪悪感みたいな感情が芽生えちゃうのが欠点かも? 個人的には咲夜の攻略を最後にした方が、作品をフルに楽しめる気がしたでがんす。
シナリオ面は概ね良好な出来だったけど、Hイベントの数が少ないのは残念だったなぁ。Hシーンの総数は10個。その中にはセリフ違いの同一シーンも含まれるので、実質的には9シーンしかHがないのねん。しかも、メインヒロインの咲夜は1シーンで、サブヒロインが3シーンというH構成にも疑問が残る。サブヒロインに複数のHシーンを描くのであれば、メインヒロインも複数のHを描くべきだと思う。まぁ、純愛ゲームはシナリオ命、Hは少なくてもOKって思ってる人もいるだろうけど……。拙者的には純愛ゲームでも3回ぐらいは濡れ場を披露して欲しいな。というワケで、魅力的なキャラが織りなす物語は◎だが、Hシーンが少ない点は×。プラスマイナス0で★3個評価って感じかな?
(by イ・ヤン提督)