ガチ乙女クインテット

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お伽話の島で繰り広げるラブストーリー

1年中クリスマスや七夕をやっている、お伽の島にやってきた主人公がサンタクロースや織り姫たちとドタバタな毎日を送りながら、恋を育んでいく。これがこのゲームのメインストーリー。ここまではいいんだけど、実際のプレイしてみると、頭の中は「？」マークが乱舞状態になってしまうという人が多いんじゃないだろうか。まず、この島はなにかから逃げてきた人だけが辿り着くという。じゃあ、なぜそんな特殊な島が生まれたの？　主人公はどうやってその島にやってきたの？　なんで一年中クリスマスやら七夕やらのイベントをやっているの？　といった、ゲームの基本設定に関わる部分の説明がまったくない。伏線らしきものは張ってあるんだけど、それらを一切回収しないまま物語が終わってしまう。このゲームの主人公はそんな島にやってきて、あっさりそんな異常な状況を受け入れてしまうわけだけど、設定的な説明がないものだから、プレイしていて違和感バリバリになってしまうわけだ。

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また、ゲームのヒロインたちは三多野綾莉がサンタクロース、愛乃縁結がキューピット、天枷伊織が織り姫、エリセルがハロウィンという職業（？）を持っているわけだけど、これもゲーム中に活かされているとは言い難い。なにか職業に絡んだ大きなイベントでもあれば別だけど、そういったものはほとんどなかったりする。それだったら、単なるコスプレであるという設定でも良かったんじゃないかという気もしてしまうんだよね。あるいは、主人公たちは島の学園に通っているんだけど、これもお弁当を食べるシーンがあるくらいで、なぜ学園に通う必要があったのか、まったく意味不明だ。とにかく、このゲームにはそうした意味不明の設定や、説明不足な部分が多すぎる。企画段階では壮大な設定が考えられていたのかもしれないけど、風呂敷を拡げすぎて収拾がつかなくなったんじゃないかと勘ぐりたくなってしまう。

いきなり文句のオンパレードになってしまったけど、キャラゲーとして見れば、このゲームは決して悪いゲームじゃない。むしろ良作と言っても良いくらいだ。まず、主人公に好感が持てる。このゲームの主人公は、ハッキリ言ってかなりのヘタレだったりする。でもヘタレなりにヒロインたちのために必死にあがく主人公の姿は好感が持てる。やさしさと優柔不断さをはき違えているラブコメ主人公に食傷気味の人なら、この主人公はかなりいけるんじゃないかな。ついでに、ウザイと感じるサブキャラがいなかったのもプラスポイントだね。

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そして、なんといってもヒロインたちが良い感じで描かれているのが素晴らしい。織り姫の伊織シナリオはちょっと癖があって好き嫌いが分かれそうだけど、それ以外のキャラは明るく元気な三多野綾莉、裏表がありまくりの愛乃縁結、バカップル万歳のエリセルと、キャラがしっかりと立っていて、それぞれがしっかりとかわいく描かれているので、キャラゲーとして十分に楽しむことができるはず。個人的には素直デレという感じのエリセルがもろにツボにはまったかな。最初から最後までデレまくりでありながら、なにげに毒舌だったりするところもGood。ヒロインとバカップルになりたい！　という人なら、ニヤニヤしながら楽しむことができるんじゃないかと思う。

全体としては、せっかくの設定が活かされていなかったり、部分的に右クリックが効かなくなるという不具合があったりと、惜しいところの多いゲームという印象。もっと煮詰めていけば、名作にもなり得たんじゃないかと思うだけにもったいなかったなぁ。というわけで、シナリオの整合性などをあまり気にせず、キャラクター性を楽しみたいという人にオススメしたいゲームだ。オススメ度は☆3つとしたけど、純粋にキャラゲーとして見るなら、☆4つでも良いかも。

   使い方

攻略

基本的にエンディングを見たいキャラを選び続ければOK。ただし、妹の星央遙だけは担当する地域というものがないので、選択することができない。遙は伊織ルートから分岐する形になるので、共通ルートが終わったらセーブしておこう。

（by Suno）