神採りアルケミーマイスター
エウシュリー | WindowsXP/Vista/7 | 1024x576 |
9870円(税込) | 1Play50時間 | 属性:シミュレーションRPG、ファンタジー |
難易度:9 | 2011/4/22発売 | オススメ:☆☆☆☆☆ |
仲間たちと迷宮を探索
ミケルティ王国に所属するユイドラは、様々な技術が集まる工房都市。そんな街で一年前の事故で亡くなった両親から工房を受け継いだ主人公・ウィルフレドは、自らも工匠としての第一歩を踏み出した。しかし、ウィルフレドはまだまだ半人前。このままでは迷宮探索もままならない。そこで、彼は3人の女のコを護衛として雇い、共に迷宮の謎に挑んでいくことになった。
©エウシュリー
エウシュリーのディル=リフィーナ世界を舞台とした最新作。ゲームシステム的には2009年に発売された『姫狩りダンジョンマイスター』のものを流用したものとなっている。流用とはいっても、ヒロインの衣装強化など新要素が追加されていたり、細かい部分で使い勝手が良くなっていたりと、しっかりと進化を感じさせてくれるところは良かったかな。ゲーム的にはダンジョン探索、アイテム合成、工房運営など、やることが盛りだくさんで、難易度もかなり高め。チュートリアルがしっかりしているので戸惑うことは少ないと思われるが、やることが多すぎて、シミュレーションやRPGをやり慣れていない人はちょっと辛いかも。
その反面、しっかりとゲームをやり込みたいという人にとっては、ゲームバランスも良く、かなり楽しめる内容だとも言える。ギリギリなんとか勝てる程度にバランス調整された敵の強さ、膨大な量のアイテムなど、やり込み派のプレイヤーを納得させるだけのレベルに十分達しているし、一度クリアした後も何度もプレイしたくなるだけの魅力を持っているゲームと言って良いと思う。もちろん、アイテムやレベルの引き継ぎなど、周回プレイを快適にするシステムもしっかりと装備しているしね。あと、個人的に良かったのがどのキャラをメインにしても、十分に戦えるゲームバランスになっていること。この手のゲームってプレイヤーそれぞれにお気に入りのキャラがいると思うけど、お気に入りのキャラが戦闘では役立たずだったりすると悲しくなってしまう。その点、本作は戦い方を工夫すれば、どのキャラも一軍として活躍できるようになっているんだよね。本来は魔法使いタイプであるはずの水精・スイナをエースアタッカーとして最前線で大暴れさせることだってできてしまう。「正しい戦い方」というのが決まっていないので、いろいろな遊び方ができてしまうのは嬉しいところだ。
©エウシュリー
ストーリー面ではエウシュリーの看板タイトルである『戦女神』や『幻燐の姫将軍』なんかと比べると、やや小粒かなぁという印象。『戦女神』などが世界の根幹に関わる壮大な物語だったのに対して、本作は一地方でチマチマと戦っているだけという印象は拭えない。まあ、『戦女神』の主人公は神殺しだし、『幻燐の姫将軍』の主人公は半魔人だったりするのに対して、本作の主人公・ウィルフレドはただの人間だから仕方ない部分もあると思うけどね。Hシーンについては43あるので、価格相応といったところだろう。ただし、これは『姫狩りダンジョンマイスター』のレビューでも書いたことだけど、ゲーム全体のボリュームが非常に大きいこともあって、Hシーンが出てくる頻度はかなり低くなってしまっている。特にゲーム前半はHシーンが全く無いので、エロ目的で本作をプレイすると、地獄を見ることは確実。イベント内容自体は決して薄い訳じゃないし、CGも差分抜きで170枚と大ボリュームなんだけど、やっぱりH目的でプレイするのは辛いだろうね。CGが気に入ったからと言う理由で本作に手を出そうと考えている人は注意が必要だろう。
エロを純粋に楽しめないという、エロゲーとしては難点もあるものの、ゲームとしては非常に高レベルにあると言って良いかと。かなり長期間遊べるゲームであるという点を考えれば、コストパフォーマンスはとても高いと言えるだろうね。そんな本作の最大の問題点は、際限なく時間を吸い取られてしまう時間泥棒だということかも。ある程度ゲームのために時間を取ることができて、しっかりとやり込めるゲームが好きという人には、文句ナシにオススメできる1本。というわけで、オススメ度は☆5つだ。
(by Suno)