アッチむいて恋

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女装して女子寮で生活することに

田舎でのスローライフに憧れる主人公は、念願かなって田舎の学園に編入することになった。ところが、学園側のミスにより、住むはずだった男子寮に入れなくなってしまう。そこで学園側から提案されたのが、女装して女子寮に住むということ。背に腹は代えられず、学園では男として過ごし、寮に帰ると女として生活するという二重生活を強いられることになってしまうが!?

©ASa project

主人公が女装をするというのは、最近のちょっとしたトレンドになっているわけだけど、この作品もそんなシチュエーションを取り入れた作品の1つ。本作の最大の見所は、コミカルでテンポの良いストーリー展開じゃないかと思う。特に共通ルートはキャラ同士の掛け合いも楽しくて、一気にプレイすることができた。決して爆笑するようなギャグの連続というワケじゃないんだけど、プレイしながらニヤニヤできる感じとでもいえばいいのかな。コミカルなノリの好きな人なら、かなり楽しめるんじゃないかと思う。ただ、寮を中心に物語が進み、学園での生活があまり描かれないのはちょっと不満。学園での生活、つまり男としての主人公があまり描かれないため、二重生活という雰囲気があまりないんだよね。学園での生活もっとしっかりと描いて、二重生活の中で翻弄される主人公という部分を見せてくれたら、もっと面白くなったと思うんだけどね。

共通ルートが終わると、キャラ別の個別ルートに入ることになるわけだけど、ここはキャラによって差が激しいという印象。織葉朱や八乙女優由なんかは共通ルートと同じコミカルなノリのまま進んでいくのに対し、成沢美奈子、柊かぐや、鳴海ルナはシリアスな展開となる。コミカルなノリの朱や優由のシナリオはかなり良い感じだ。特別に語るべき物語があるワケじゃないんだけど、ノリの良さで押し切ってしまったという感じかな。特に朱は良い感じのツンデレが炸裂していて、ラストまでニマニマしながらプレイできたね。それと対照的にシリアス路線のキャラは今ひとつ。美奈子ルートは主人公の女装ということを活かしたシナリオになっているので、まあアリかなと思うんだけど、残りの2名はなぜそういう行動をとるのか理解できない部分があったり、ヒロインがウザく感じてしまったりで、あまり魅力的には思えなかった。美奈子にしても、問題があまりにあっさり解決してしまうので、盛り上がりに欠けるし……。これだったら朱や優由と同じように、コメディで最後まで通した方が良かったと思うんだけどなぁ。このあたりはシナリオライターが複数いることの弊害なのかね？

©ASa project

Ｈシーンについては各キャラ3回ずつ。攻略可能キャラが5人いるので、トータルでは15ということになる。当然といえば当然のことながら、内容は純愛のラブラブなものばかりだ。主人公が女装したままのＨシーンもあるので、そういったイベントではちょっと百合っぽい感じになっているのが特徴といえば特徴かな。ただし、Ｈシーンはかなり短いものが多く、実用性という点では物足りない。本作は純愛路線の作品であって、ヌキゲーじゃないということは重々承知だけど、もう一頑張りして欲しかったというのが正直なところ。なお、CGは差分抜きで89枚あり、これはやや多めというところだろう。

トータルとしては悪くはないんだけど、個別ルートのばらつきが大きいため、無条件ではオススメしにくいという、何とも微妙な作品。朱や優由ルートに限定すればオススメ度☆4つでも良かったんだけど、それ以外のルートはやや残念な出来だったということで全体としてはオススメ度☆3つとしたい。大きなテーマとか、感動的な物語なんかはなくても良いから、ヒロインとの日常をニヤニヤしながら楽しめればそれで良しという人にならオススメできるかと。

   使い方

攻略

基本的には目的のキャラを追いかけていけば良いんだけど、声優名選択の部分など、目的のキャラに関する選択肢がない場合、適当に選んでしまうと別のキャラのルートに入ってしまうことがある。選択は結構シビアみたいなので、選択ミスには要注意。

（by Suno）