水スペ川野口ノブ探検隊 これが秘境だ!人跡未踏!立ちふさがる商店街!八鏡大学に隠された地球最大の謎を追え!!
Liar-soft | Windows98SE/Me/2000/XP/Vista | 800x600 |
パッケージ版:9240円(税込) ダウンロード版:2800円(税込) | 1Play8時間 | 属性:不条理ギャグ |
難易度:6 | 2009/3/19発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
伝説の探検家の娘が大学の秘境に挑む!
©Liar-soft
昭和日本を代表する探検隊・川野口昭雄探検隊。しかし、隊長の川野口が探検中に行方不明になったことで、探検隊は伝説となった。時は流れ、川野口昭雄の娘・川野口ノブは父を超えるべく、幼なじみの山辺弘とともに探検隊を作る。彼らが挑むのは、八鏡公立大学に隠された世界の謎。2人は幾多の困難を乗り越え、川野口昭雄探検隊の残した謎を解き明かすことができるのか!?
この作品はプレイヤーによって、評価がハッキリと二分してしまうんじゃないかと思う。と言うより、一般的には地雷に近い気がする。まず、ゲームのボリュームが決定的に不足している。CGは差分抜きで59枚。しかも、そのうち12枚はゲームクリア後に見ることのできるおまけイベントのものだったりするので、ゲーム本編中で見ることのできるCGは47枚ということになる。シナリオも基本的に1本道であり、1プレイ7〜8時間もあればクリアできてしまう。最低でも2回プレイしないとゲームコンプリートできない仕様ではあるものの、2回目のプレイはメッセージスキップが効くので、かなり短時間で終わってしまう。ミドルプライスならともかく、フルプライスでこのボリュームは寂しい。
ではストーリーが素晴らしいのかというと、残念ながらそんなこともない。物語はひたすらネタのオンパレードで、まともな伏線など存在しないし、そのネタも不条理きわまりないものばかりで、理解できる人がかなり限定されてしまうんじゃないだろうか。キャラクターも奇人変人大集合という感じで、キャラ萌えとは無縁。そもそも、キャラ個別のシナリオがある訳じゃないし、このゲームのキャラに萌えろという方が無理というものだろう。Hシーンも各キャラ1回だけで、尺もあまり長くないのでヌキゲーとしても厳しい。おまけシナリオは一応Hシーンになっているけど、本番ナシの裸が見えているだけというものばかりなので、これをHシーンというのもちょっとツライ気もするしね。
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ゲーム性はどうかというと、これまた作業的と言わざるを得ない。SLGパートはランダムで出てくるカードに対して、選択肢を選んでいくというだけ。ランダム性が強くて、戦略性などはまったくと言って良いほど無い。また、このゲームはスポンサーと契約し、そこから支払われる報酬が探検資金となるシステムなんだけど、必要となる探検資金に対して支払われる報酬が大きいため、資金はすぐにカンストしてしまう。資金が無くなるとゲームオーバーなんだけど、実際にプレイしていて資金不足になったことは1度もないしね。むしろ、ゲーム中盤からは、資金をいかにして無駄遣いするかということの方が重要になったりする。
けど、このゲームを単なるクソゲーと切り捨ててしまうのは、もったいない気がするんだよね。というのも、ゲーム全般を通して、ギャグの切れ味が凄くいいから。不条理系のギャグが好きな人なら、最初から最後までニヤニヤしながらプレイできるんじゃないかと思う。しかも、そのギャグもやっちゃいけないラインから半歩くらい踏み出している感じで、かなり危ないものが多いのも、個人的にはツボにはまりまくり。よくこんな危ないシロモノを発売したなぁ、と。というより、この企画が通ったこと自体が凄い。問題はそのギャグを理解できる人が少数派だろうということ。ゲームの元ネタになっている水曜スペシャル・川口浩探検隊自体が1970年代後半から80年代半ばにかけて放送されたもので、このインチキ臭さを素直に楽しめる人って30代以上なんじゃないのかね? それ以外のネタも、せめてバブル時代を知らないと楽しめないんじゃないかな。18禁というよりは、30禁と思った方が良いかも。
お世辞にもコストパフォーマンスが良いとは言えないし、笑いのストライクゾーンが異常に狭いことを考えても、誰にでもオススメできるゲームとは言い難いのは事実。特にきちんとオチのつかない不条理系ギャグが好きじゃないという人は、まったく楽しめない可能性大。というわけで、一般的にはオススメ度は☆2つ。不条理系ギャグが好きで、なおかつ昭和の風俗をある程度知っている人限定という条件付きでオススメ度☆4つとしたい。個人的にはかなり楽しかっただけに、せめてエロのボリュームがもっとあればヌキゲーとして一般的にオススメしやすくなったと思うので、ちょっともったいない作品だったかな。
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(by Suno)