恋するコトと見つけたり！

4人の女のコたちが主人公を巡る争奪戦

元々は大きな権力を持った武家でありながら、今ではすっかり一般家庭になってしまった築城家。そんな築城家に生まれた主人公・築城恭は、学生会副会長として忙しい毎日を送っていた。そんなある日、恭の前に許嫁だという2人の女のコが現れた。しかも、2人は許嫁として強引に恭と同居生活を始めてしまう。さらに、学生会会長や後輩の女のコまで加わって、恭争奪戦を始めてしまい!?

©Fizz

まずはゲームシステムのチェックから。かなり細かく設定が可能なシステムで、機能的にはまったく問題ナシ。たいていの環境で快適にプレイできると思われる。特に次の選択肢へのジャンプは非常に高速で、2周目以降のプレイでは凄く便利。全てのゲームでこの機能は採用してほしいくらいだ。ただ、設定画面がスクロールで設定項目を切り換えるようになっているのは、ちょっと使いづらい気もする。タブで項目を切り替える方が使いやすいんじゃないかな。これはCGモードや回想モードも同様。そして、本作の最大の特徴はD.D.S（デフォルト・デレ・システム）だろう。これはオンにすることで最初からヒロインがデレた状態でゲームをスタートできるというもの。D.D.S専用のシナリオが用意されていて、これが名前を呼ばれただけでヒロインがビクンビクンとイってしまったりと、ちょっとヘンなシナリオになっている。物語の整合性を考えればおかしいんだけど、オマケモードの一種と考えればこれもアリかな。

物語的にはハーレム系ラブコメディといったところだ。風織雪菜と月永杜和は幼なじみで許嫁だし、学生会会長の鷹ノ羽美良と後輩の鈴瀬皐は以前からずっと主人公が好きだったという設定。主人公を好きになった過程も不自然なところはないし、ハーレム状態を違和感なく受け入れることができるかな。ゲーム前半はまさにラブコメの王道といった感じで、みんなでワイワイとやっている賑やかな雰囲気の物語が続く。そして、後半になると剣術家としての戦いや家同士の確執など、ややシリアスなストーリーとなる。シリアスといってもドロドロしたものではなく、明るく前向きなものなのでゲーム全体の雰囲気を損なうことはないだろう。個別ルートに入ってからも、選ばれなかったキャラたちが物語にしっかりと絡んでくるのが好印象。基本的にこの作品のヒロインたちは全員仲が良いので、物語がシリアスになってもギスギスした感じにならないんだよね。

©Fizz

本作はシステム面でもストーリー面でもしっかりとまとまった、隙のない作品といえると思う。けれど、まとまりすぎている作品でもあるように感じる。どのキャラのルートに入ったとしても、この作品は決してプレイヤーの予想を裏切らない。それはつまりプレイヤーが想像した通りに物語が進んでいくということなわけで、意外性がまったくないということになってしまうわけだ。それから全体的にお行儀が良すぎるもの問題だろう。風織雪菜と月永杜和は武士っ娘だし、鷹ノ羽美良は学園の支配者、鈴瀬皐は薬マニアと、それぞれキャラは立っているのにそれを活かしたイベントが少なすぎたんじゃないだろうか。コメディの部分ではそうしたキャラを活かして、もっと羽目を外したイベントを用意しても良かった気がする。

トータルではそつなくまとまったラブコメ作品といったところだろう。そつがなさ過ぎて、印象に残りづらいのが本作の最大の問題点といえるかな。グラフィックや基本的なストーリーは悪くないのだから、なにか1つ尖った部分があればプレイ後の印象はかなりかわったと思うんだけどね。なお、CGは差分抜きで92枚＋SDCGが18枚。イベントは20となっているので、フルプライスの作品としてコストパフォーマンスは悪くない。というわけで、オススメ度は☆3つ。美少女ゲーム初心者向きの作品というところかな。

攻略

   使い方

目的のキャラを優先する選択肢を選んでいけばいいだけなので、個別エンドは難しくないはず。念のためいっておくと、全キャラのエンディングを見るまでは、D.D.Sはオフのままにしておくこと。そして、全キャラのエンディングを見たら、D.D.Sを全キャラオンにして最初からプレイしよう。自動的にハーレムルートに入ることになり、ハーレムルートをクリアすればコンプリートだ。

（by Suno）