アリス2010
アリスソフト | WindowsXP/Vista/7 | 800x600 |
8925円(税込) | 1Play10時間 | 属性:バラエティソフト |
難易度:8 | 2009/12/18発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
アリスソフトのバラエティソフト
以前のアリスソフトには『アリスの館』というバラエティソフトシリーズがあって、そこで実験的なゲームや、通常のゲームには入れられないコンテンツを収録していたんだけど、それも2004年の『アリスの館7』でシリーズが終了してしまった。その代わりに発売されたのが、この『アリス2010』ということなんだろうね。アリスソフト創立20周年記念でもあるそうだけど。バラエティソフトということで、複数のゲームが収録されているわけだけど、プレイ時間は最も時間のかかった『ランス02』のものを、難易度は最も難しく感じた『はるうられ』のものを記載した。全体としてはそれほど難易度は高くなく、時間もそれほどかからないものが多めになっているね。
©アリスソフト
まず最初にプレイしたのは、個人的に1番楽しみにしていた『ランス02』。オリジナルである『RanceII-反逆の少女たち-』は19年前のタイトルで、既に入手は不可能に近いだろうし、仮に手に入ったとしても、実行環境がないだろう。一応、1997年に発売された『アリスの館4・5・6』にWindowsに移植したものが収録されていたけど、これまた現在では入手困難。『RanceII-反逆の少女たち-』はシリーズの準レギュラーとも言えるカスタムの街のキャラが初登場する作品なので、こうして普通にプレイできるようになったのは嬉しいところだ。内容はと言えばオリジナル版のCGを差し替え、若干のバランス修正と言ったところ。ゲームの雰囲気はオリジナル版とほとんど同じと言って良いんじゃないかと思う。さすがに古臭さを感じてしまう部分もあるけど、これはこれでアリかなと。昔のゲームをプレイしたことがない人は、ちょっと辛いかなと思わなくもないけどね。ただ、ゲームのボリュームが『ランス6』などと比べるとかなり少ないので、気軽にプレイできるRPGとしては良く出来ているんじゃないかな。できればこの調子で『Rance-光を求めて-』や『RanceIII-リーザス陥落-』も移植して欲しいなぁ。ちなみにスタッフコーナーの「む〜みん」のところに攻略が載っているので、先に進めないよって言う人は見てみると良いかも。
お次は新作である『はるうられ-校内赤線区域-』。大切に思っているヒロインを捕獲し、体を売らせてお金を稼ぐというとんでもなくダークなシチュエーションの作品だ。例えメインヒロインと言えども容赦なく酷い目に遭わせてしまうというのはアリスソフトらしい。ランダム要素が強くて難易度の高い本作だけど、もう少しシステムを煮詰めれば、十分にフルプライスでいけるんじゃないかと思わせてくれる作品でもあったかな。その点で最も可能性を感じさせてくれたのが、この作品だね。なお、この作品は画面解像度が1024×768となっているので、環境によってはプレイできないこともある。デスクトップPCなら問題はないと思うけど、ノートPCの場合は気をつけた方が良いだろう。こちらはアリスソフトの公式サイトにヒントが載っているので、難しすぎると思う人はそちらを参照。
©アリスソフト
3番目が『超昂閃忍ハルカ-ハルカvsエスカレイヤー-』。これは人気シリーズである『超昂』シリーズのヒロイン、ハルカとエスカレイヤーのコラボ作品。本編と違い完全なAVGとなっていて、難易度は低めだ。難易度が低いと言っても、イベント数は13、CG枚数は26枚あるので、ファンディスク的なものとしては十分なボリュームかな。Hシーンのシチュエーションはゲーム前半は主人公とハルカ、ナリカ、スバルのイチャイチャ。後半は敵に捕らえられた閃忍たちが陵辱されるというもの。戦うヒロインが敵に陵辱されるというのは『超昂』シリーズではお約束だけど、この作品では捕らえられるとすぐに洗脳され、犯されてしまうので、もうちょっと抵抗して欲しかったなと思わなくもない。最も、ミニAVGではこれくらいが限界なのかもしれないけど。ともあれ、『超昂』シリーズのファンなら、楽しめる内容と言って良いだろう。
4番目が『ばにしゅ!-この手のひらにおっぱいを-』。これは2009年に発売された『ばにしゅ!〜おっぱいの消えた王国〜』のアフターストーリーですな。相変わらずおバカなノリ全開で、良い感じだ。ロコがデレていたり、レネがエロモード大解放だったりと、キャラの性格が変わっている部分もあるけど、これはアフターストーリーであることを考えれば納得できる範囲内。性格が変わっていると言えば、ゲーム本編では恐ろしい敵だったネウスがすっかりいぢめてキャラになっていたのは面白かったね。ドタバタコメディが好きなら、本編同様楽しめる出来だろう。
メインコンテンツとしては最後にプレイしたのが『わいどにょ』。基本的なシステムとしては『かえるにょ・ぱにょ〜ん』から続く強制横スクロール型タクティカルRPG。これまでの『にょ』シリーズと違い、画面がワイド化され、解像度が1280×720に大型化されている。確かに以前より画面を見やすくはなっているんだけど、これが正解だったかと言われるとちょっと疑問だ。マップが大きくなったおかげでユニットの移動回数が増え、サクサク感が減ってしまっているんだよね。『はるうられ』と同じく、解像度の関係でプレイできない人も出てきそうだし。そう考えると解像度は以前と同じで良かったんじゃないかなと言う気もする。この点を納得できるのなら、なかなか楽しめるゲームではある。ただし、このゲームにはストーリーらしいストーリーはないし、Hイベントもない。ひたすらマップを進んでいくこと自体を楽しむタイプのゲームなので、根を詰めてクリアを目指すというよりは、暇な時間にちょっとずつ進めていく、というのが正しい遊びかたなんじゃないかと思う。なにせ使用可能キャラが120人もいるので、それを集めるだけでもかなり長く遊べるはずだ。
メインとなるコンテンツは以上だけど、それ以外にも壁紙、アリスソフトのスタッフの個人企画である『アリスのおもちゃ箱』などが収録され、サウンドコレクションアルバム、『闘神都市III』のカレンダー、原画や漫画、スタッフのコラムなどを集めたハニホンが同梱される。『アリスのおもちゃ箱』は気軽な読み物として楽しめるし、ハニホンはかなり豪華な出来。トータルでのコストパフォーマンスは上出来と言えるんじゃないかな。ただし、これはアリスソフトファン補正が入っている評価だと思って欲しい。『超昂閃忍ハルカ-ハルカvsエスカレイヤー-』や『ばにしゅ!-この手のひらにおっぱいを-』はゲーム本編をプレイしていないと意味が分からないだろうし、『はるうられ-校内赤線区域-』もアリスソフト独特のダークなノリを好きになれるかどうかで評価が変わってしまうだろうしね。なので、オススメ度はアリスソフトファンなら☆4つ。アリスソフトのゲームをプレイしたことのない人ならば、☆3つといったところかな。
(by Suno)