黄昏（たそがれ）に煌（きらめ）く銀（しろがね）の繰眼（くがん）

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逆らえない力を用いて欲望を満たす！

孤児だった主人公は神宮寺家に引き取られた。だが養母に迫害される日々を送っていたのである。ところがある日、ニアという名の少女が目の前に現れ、取引を持ちかけてきた。人を思いのままに操る繰眼と呼ばれる力を与えようというのだ。その代わり、代償を差し出させという。心に深い闇を持つ主人公はニアに目をつけられたのだった。繰眼の効果があるのは、日が沈み始めてから完全に日が没するまでの逢魔が時のみ。しかも力を使えるのは13日間だけで、力を使った相手を好きになってはいけないという。制約があるとはいえ、圧倒的な力を手にすることができたのである。さあ、繰眼の力を使って女のコたちをいただいてしまおう！

©2009 HOBIBOX/CLOCKUP All rights reserved.

本作のヒロインとなるのは、学園のアイドル的存在の比良坂愛唯、愛唯の友人でなぜか主人公に嫌悪感を持つ牧原双海、お兄ちゃんと慕ってくれる孤児院育ちの内気な須賀くるみとその親友で物怖じしない強引な行動力を持つ柚木向日葵、飛び級特待生のクラスメイトのアシュリー、お隣の人妻美奈子、色恋沙汰に疎い陸上選手の紺乃暁良、学生に人気の教授である津田玲、家の使用人で無口無表情な一之瀬さらの9人だ。キャラクター選択画面で繰眼を使う相手を選んでゲームを進めていくことになるので、シンプルでわかりやすいシステムといえるだろう。また、さまざまな性格のヒロインが用意されているので、お気に入りのヒロインに出会える可能性が高いんじゃないかな。とはいえ、ハーレム展開はないのでそれを残念と感じる人もいそうだけどね。

物語のキーとなっている繰眼はというと、名前を呼んで命じたことが強制されるというもの。催眠みたいなものだけど、これはもうあれですね。某アニメのギアスそのものだ。エロ方面へ力を使うとどうなるのかというのが本作ということになる。例えば、繰眼を使って恋愛に興味がない愛唯に自分への恋愛感情を植えつけて処女を捧げさせ、徐々に行為もエスカレートしていくさまを楽しめるってわけだ。本当に好きになった人じゃないと……といっていた愛唯が中出しをせがむように堕ちていくのがすばらしい。また、天敵ともいうべき存在の双海に普段のオナニーの仕方を聞き出すだけでなく、鼻フック＋屈辱奉仕をさせて、心の奥に潜む願望がＨを求めているのだと思い込ませたりする。欲望に忠実な行動をする主人公の鬼畜っぷりがいいねぇ〜。あまりネタバレをすると楽しみが減ってしまいかねないのでそれぐらいにしておくが、ほかのヒロインたちも繰眼で心を操られてすべてを差し出し、奪われることになる。このあたりの心と身体を弄ぶシチュエーションを堪能できる作品ってわけだ。まあ、唐突な展開に戸惑わされるような部分も多少あるかもしれないが、エロ重視のおかずゲームだから、そこはプレイヤー側も大目にみて楽しんでほしいかな。

それと、ヒロインすべてのシナリオが個別展開なので、さまざまなストーリーを堪能できると思う。支払う代償も意外なことになるのもあってどのルートも最後まで飽きさせない。好感を持てるストーリー作りとなっていた。プレイヤーの好みによってシナリオの印象は変わってくるとは思うけど、自分的には代償に何が求められるのかを楽しみにしながらプレイを進める感じだったッス。

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エロシーンのほうだが、本作はメディ倫審査作品なので陰毛とアナルにはモザイクがかかっていない。基本CG枚数は、愛唯11、双海10、アシュリー9、暁良11、さら10、くるみ10、向日葵9、玲9、美奈子9、ニア5、季江1、その他2の計96枚となっている。差分込みだと2163枚となるボリュームだ。回想シーンは全79種類で、内訳は愛唯9、双海8、アーシュリー8、暁良8、さら8、くるみ8，向日葵8、玲8、美奈子8、ニア4、季江1、その他1だった。本作はゲームの設定で、Ｈシーンのフィニッシュ選択肢を中か外に固定して選択を省略できるのだが、片方を見ただけではCG差分が回収できないので意味がない。このあたりはどちらか片方を見たら両方登録されるように改善したほうがよいんじゃないだろうか？　ほかにはユニークな機能として、主人公が射精するまであと何クリックなのかカウントダウンさせる機能や、アクメ顔・胎内断面図・排泄物のON/OFF機能が用意されている。

さて、結局のところ本作はどうなのってことになるわけだけど、ひとことで言うならば「非常に惜しい」だろうか。エロゲーの主人公が繰眼のような力を手にしたのならば、ハーレム展開があることを期待しちゃうわけですよ。エロくてオカズとしていい感じだっただけに、ハーレムがないというのは画竜点睛を欠くって印象を受けたんだよね。パーフェクトは逃したという感じだがおかずゲームとしてはよくできていた。個人的には「まさかの展開」となる双海やくるみの結末が楽しめたかな。後味が悪いエンディングもあったけど、純情な玲先生のように一度Ｈしたら捨てられる的思い込みを持っているヒロインもいて（それゆえに病んでいる感じがまたイイ!?）、全方位に展開されるシナリオがよかった。まあ、そういった作り的にある程度はプレイヤーの好みに合わないシチュエーションにヒットしそうだけどね。催眠的なコアなものを求めている人にはやや物足りないと感じられるとは思うが、オカズ目的でエロい作品をプレイしたいという人には本作は結構イケるんじゃないかな。ツボにハマるものがあったので個人的なお薦めは☆☆☆☆+ぐらい。レイプ願望の強いメイドのさらと、旦那から寝取る美奈子のシナリオは、おそらく楽しめる人が多いだろう。今年自分がプレイしたエロゲーの中では、エロさという視点でみた場合にTOP5までに入る感じで大満足だった。

   使い方

攻略

ヒロイン選択は4回で、4回とも同じヒロインを選ばなければ個別ENDを見られない。4回に満たない場合はBADENDというべき季江ENDとなるようだ。また、愛唯は愛唯とほかの8人をクリアすると2つ目のエンディングへ進むことができる。これは選んだはずの選択肢がまだ選んだことのない選択肢の色で表示されるので難なくルートの存在に気付くはずだ。さらにそれを終わらせると最初からプレイを開始した際に選択肢が追加され、ニアのシナリオをプレイすることが可能となる。気付かないとハマるかもしれないというか、自分がそれで2日弱ハマってしまったのはナイショだ……。最初の選択でセーブしていたから、そこよりも前に分岐が追加されるなんて思いもしなかったんだよね。うぅ……。あと、BADENDを見ないとニアのCGと回想が利用できないので一度は見ておこう。なお、最初のセーブポイント前のカッコ書き選択肢は、プレイ状況によって追加で発生する選択肢だ。

（by 伊織舞也）