幼なじみは大統領 My girlfriend is the PRESIDENT.

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大統領になっちゃった幼なじみとドタバタの日々

ごく平凡な毎日を送っていた主人公だったが、ある日その日常は一変してしまう。幼なじみが大統領になり、主人公も副大統領になってしまったのだ。その原因は宇宙人の宇宙船が墜落し、総理大臣をはじめ首脳陣が全滅したことだった。宇宙人はその場にいた少女を大統領に仕立て上げ、辻褄を合わせるために全人類を洗脳してしまったのだ。宇宙人は主人公が持っている記憶を使い、世界を元に戻すというのだが!?

©ALcot

幼なじみの女のコが突然大統領になってしまったというトンデモな設定、舞台は新本（にほん）、ルシア国からやってきた大統領の通称がプーちんという本作。これを一言で言えばバカゲーってことになるんだろう。でもね、バカゲーってパワーというかノリの良さが必要だと思うわけですよ。問答無用でプレイヤーを引きずり込んでしまう勢いのないバカゲーはただ寒いだけ。では、このゲームにそういうパワーがあるかというと、残念ながらない。宇宙人に洗脳されてしまった世界というどんな無茶でも出来る世界観なのに、妙にお行儀が良いというか、大人しいんだよね。プレイヤーが「これはやりすぎだろ」って思うくらいムチャクチャをやってくれれば、もっと面白くなったと思うんだけど。

それから、このゲームのシナリオは至る所に他のゲーム、アニメなどのパロディネタがちりばめられている。ネタそのものはライトオタ向けというか、それほどディープなものはなく、比較的分かりやすいものばかり。分かりやすさって言うのは大切なことだけど、パロディって言うのはそう言うものじゃないんじゃないだろうか。知っている人はクスッと笑える、元ネタを知らなくてもゲームは楽しめる。そう言う作りになっていないと、パロディって言うのは厳しいんじゃないかと思う。だけど、このゲームでは「どうだ、面白いだろう。さあ、笑え」とばかりにパロディネタが飛び出してきて、プレイヤーとしてはかえって白けてしまう。それに、キャラクター的にボケばかりでツッコミがいないのも厳しい。ギャグってボケとツッコミの応酬があって始めて笑えるのに、ツッコミキャラがいないので、ボケが投げっぱなしになってしまったのも辛いところ。

©ALcot

念のために言っておけば、キャラクター自体は悪くない。子犬のような幼なじみ、ツンデレな大統領、小悪魔風味なお姉さん、素直クールな宇宙船と、ベタではあるけど押さえるべきところは押さえているしね。あえて言えば、事件の元凶である宇宙人のクー・リトルリトルやメイドのクオンも攻略したかったなと思うけど、そう思うのはキャラが魅力的である証拠だし。けど、ストーリーのパワー不足のおかげで、せっかくのキャラクターを生かし切れていないんだよなぁ。なお、Ｈシーンは桜濱雪乃、プーちんは3回、三芳蘭、エルは2回となっている。内容は至ってノーマルで、特に変わったプレイはナシ。尺はそれなりにあるものの、ヌキゲーと比べるとやはり薄い内容。当たり前のことではあるんだけど、シナリオは今ひとつだけどヌキゲーとしては楽しめるとはいかない。イベントCGは差分抜きで73枚、カットインCGが52枚。フルプライスのゲームとしてはやや少なめかな。

プレイを終わってみると、「幼なじみが大統領」という設定を活かしきれなかったのが、このゲームの最大の問題点かという気がするね。このムチャな設定を活かした良い意味でおバカなシナリオに出来れば、名作とは言わないまでも佳作になったんだろうけど。というわけで、オススメ度はCG自体は綺麗だったよということでやや甘めの☆3つ。時間と軍資金に余裕があれば、というところかな。

   使い方

攻略

シナリオ分岐は3つめの選択肢から始まる。どの選択肢を選べばどのキャラのルートに入るかは、普通にテキストを読んでいれば迷うことはないんじゃないかな。複数の選択肢が併記してあるところはCG分岐だけど、どれか1つを選べば見ていないCGもCGモードに登録されるシステムだ。

（by Suno）