.fuckVol.2〜咲夜編〜
BLACKRAINBOW | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
2200円+税 | 1Play1時間 | 属性:コスプレ、凌辱 |
難易度:2 | ネット認証IDが初回時に必要 | オススメ:☆☆☆ |
ハッキングで思いのままにHできる!
人工知能とネットワーク技術の発達で、企業はネット上に人工知能を用いて受付嬢を配するようになっていた。企業の顔ともいうべきその受付嬢をハッキングして、娼婦に貶めてしまおうというのがハッカーの主人公。持てる技術を駆使して欲望のままに蹂躙していくことになる。
©BLACKRAINBOW
コスプレはプリンセス、チャイナドレス風、ヴァンパイアが用意されていて、シナリオ展開がそれぞれAとBの2種類ある。定められた期間内にすべてのルートを通過していないとバッドエンドとなってしまうが、はっきりいってコスプレ選択後の2択の設定を決める選択肢で分岐しているから全然難しくはない。バッドエンドを見るとしたら、セーブ&ロードを使わずにCG分岐の選択肢を選んでいってしまったときや、シチュエーションにグッとキて、1プレイ中に同じルートを通過した場合などだろうと思う。
気の強い感じの咲夜をその時の気分でハッキングして望みの行為を行なわせていくというのが鬼畜でいいですね。エロ方面の知識がない咲夜がネットからデータベースを拾って答えてくるのが辞書的で味気ないと思えば、すぐさまエロエロなデータを注入して淫語しゃべらせまくりにするとか、やりたい放題で堪能させてもらいました。気の強い娘が急に堕ちていくさまはなかなかよいかと。チャイナの皇帝プレイはノリ的に新鮮な感じがして気に入りました。これでハーレムゲームを出してほしいかも(笑)。
ゲームの作りとしては「とにかくすぐにえっちぃなシーンを見せろ」という人にぴったりな、余計な選択肢を一切省いたシンプルなシステムといえますね。そしてCGはコスチュームの披露シーン以外は全部エロという感じ。とはいえ、CG枚数は18枚とやや少ないのが気になるところ。たぶん低価格ソフトを購入した多くのユーザーは価格をCG枚数で割ってみると思うんだけど、本作は1枚100円超。ほかのキャラも買えばおまけがつくとはいえ、単品買いだと微妙。ゲームのジャンルを考慮すれば、タイトル画面で使われている主題歌にかかったコストをCGのほうに振り向けておいたほうが満足度が高くなったんじゃないかという気がします。予算が限られているロープライスのソフトでは、ユーザーが求めているものの優先順位は何かということをよりシビアに考えて予算を振り分けていかないといけないと思うんですが、おそらく毎週発売というスケジュールに多少無理があって制作側も持てる力を発揮しきれなかったんだろうという印象を受けました。今後の作品では教訓を活かしてくれることに期待。まあ、シチュエーションとかキャラが気に入った人ならば買ってよしです。
なにぶんイ・ヤン提督がかなり多く語ってしまっているので、あまり書くことがないんですよね。イ・ヤン提督のも参考にしてもらうとして、ここで作品自体とはちょっと離れるかもしれない部分の感想をば……。おそらく『.fuck』は低価格ソフトとして見ている人が多いと思いますが、個人的にはこのシリーズはまったく別の視点からの見方をしていて、将来の展開でちょっと期待していたりするものだったりして。ずいぶん昔は一時期、ショートストーリーのオムニバスを数本収録したゲームが流行っていたのをご存知の方もいるかと思います。クリエイター側も大作ではないからか肩の力が抜けていて意外に面白いものやそのシナリオライターらしくない部分がみえるようなものがあったりして楽しめた記憶があるんですよね。でも、そういうオムニバスタイプのゲームではすべてのシナリオが購入前に気になるかといわれると、そうではなくて、その中のひとつ、あるいはいくつかが気になるということのほうが多かったのではないでしょうか。シナリオのボリュームとコストのバランスなどの問題があったりしてオムニバスタイプのゲームは衰退していってしまったんですが、この『.fuck』のキャラクタあるいはコスチュームやシナリオごとの売り方って、そういったオムニバスタイプのものから好みのものだけをチョイスして買うことができる新しい流通システムへのテストモデルというふうに見ることもできます(低価格ソフト1本1本をオムニバスタイプの1つとする見方もありますが、ここでは共通設定の中のシナリオをバラ売りするという販売方法に注目)。そういう意味では、どれぐらい売れたのか気になるところなのですよね。今後のエロゲー業界に新しい選択肢を見せてくれるのでしょうか。ゲームに割ける時間があまりない人に向いているオムニバスタイプが復権できる可能性があるのか、個人的にはそういう面でも本作に注目なのです。
(by 天城螢)