なりきりバカップル！「本当は、アンタとなんてイチャイチャしたくないんだからねっ！」

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神様の呪いで幼なじみとキスをすることに

進展しそうで進展しない主人公と幼なじみの咲野香奈美。ある日、2人は急な雨に降られ、雨宿りのために古ぼけたお堂に入り、そこで2人はご神体とおぼしき象を壊してしまう。すると、ひわと名乗る神様が現れ、2人に呪いがかかったと言いだした。呪いを解くための方法は2人がキスをすること。時間も場所も選ばず、強制的にキスをさせられてしまう2人の関係はどうなってしまうのか？

©ネル

最初にハッキリいってしまうと、このゲームには目新しいものはなにもないといってよい。ストーリーは主人公が神様に出会ったことをきっかけに事件に巻き込まれていくというもので、過去にこの手の作品はいくつもあった。神様を人外の存在と言い換えれば、それこそ類似の作品がいくつあったか数える気にもならないくらいだ。そして、ゲームの展開も特に大きな事件が起こるわけではなく、キスを繰り返しているうちにいつの間にか呪いが消えてしまい、ハッピーエンドというもの。まったくもって盛り上がりに欠けること著しい。システム面でもカウンターヒロインや神様のサポートなどというものが公式サイトで紹介されているけど、これは要はキャラクター選択のことで、これまた特に珍しくもないシステムだ。

それじゃあ、このゲームはいったいなにがよいんだというと、メインヒロインである咲野香奈美のキャラクターに尽きるんじゃないかと思う。ドキドキしながらキスをしたり、いろいろと屁理屈をこねながらキスの練習を迫ってきたりと、ツンデレキャラのテンプレではあるんだけど、ツンデレ好きなプレイヤーが何を求めているかをしっかりと理解しているなぁという印象なんだよね。主人公の方も優柔不断で女心に疎いという、ラブコメ主人公のテンプレキャラなんだけど、そんなキャラだからこそよい意味でのじれったさがしっかりと演出されていて、いい感じだし。ただ、タイトルにもなっているイチャイチャというのはちょっと弱いかもしれない。主人公と香奈美が結ばれてツン期が終わると、デレる間もなくＨシーンの連続になってしまうんだよね。Ｈシーンは純愛系としては量は多めだし、初々しい感じが描かれていて悪くないんだけど、イチャイチャというのとはちょっと違う気がする。さらにいうなら、物語的には完全にオチが付いたあとにＨシーンが連続で来るので、Ｈシーンが蛇足に思えてしまうのも問題かも。単純にＨシーンをすべてカットしても物語的にまったく問題が出ないというのは、エロゲーとしてはどうなんだろうという気がしてしまうんだよね。

©ネル

メインヒロインである香奈美はストライクゾーンど真ん中だったわけだけど、それ以外のキャラは扱いが中途半端だったかもしれない。このゲームのストーリーはあくまで香奈美中心に進んでいき、キャラ選択で香奈美以外を選んだときに限り、ごく短いイベントが挿入されるというシステム。そのせいもあって香奈美以外のキャラのルートに入ると、やや唐突な感じがしてしまう。それまで主人公の生活に深く関わっていた香奈美がまったくといってよいほど登場しなくなってしまうし、なぜ主人公とルートヒロインが惹かれあっていったのかという過程があまり描かれていないのはかなり不満。キャラクターの設定自体は魅力的なだけに、それを活かしていないのはもったいなかったね。

というわけで、このゲームは咲野香奈美というツンデレヒロインを好きになれるかどうかで、はっきり好みが分かれてしまうと思う。ツンデレヒロインが好きならばオススメ度☆4つ、あまり興味が持てないなら☆2つといったところかな。あと、ゲームの面白さとは直接関係ないことなんだけど、ヒロインたちの私服はもうちょっとどうにかならなかったんだろうか？　このゲームのヒロインたちの私服って、なんというか、仮装パーティ一歩手前なんだよねぇ。まあ、個性的といえば個性的といえるんだろうけど。

   使い方

攻略

キャラクター選択で選んだヒロインのルートに進むというシステムなので、お目当てのキャラを選んでおけばエンディングに到達できる。香奈美ルートに進みたいなら、キスの練習はしっかりやっておくこと。

（by Suno）