門を守るお仕事
ソフトハウスキャラ | WindowsXP/Vista/7 | 800x600 |
9240円(税込) | 1Play7時間 | 属性:SLG、戦うヒロイン |
難易度:7 | 2012/9/28発売 | オススメ:☆☆☆ |
女を抱きつつ、門も守る! 自由な傭兵隊長の防衛戦
ライカナ王国とグラッフォード王国の二大強国が絶え間なく戦争を続けている世界。両国の間にある小国の土地は戦場となり、そのうちのいくつかは流通拠点として街へと発展していった。本作の舞台となるリルゾの街も、こうして出来た流通拠点の一つとして栄えている。しかし、戦場と隣り合わせの街では防衛手段が欠かせない。敵軍の侵入を防ぐため、街には大きな防衛用の門が建設され、その守りを金で雇った傭兵団に任せていた。その傭兵団の隊長である主人公は、個性的な団メンバーたちと力を合わせ、今日も門を守っていく。
©2012 ソフトハウスキャラ
SLGを得意とするソフトハウスキャラが今回お届けするのは、次々と襲い来る敵から制限ターンの間、門を死守するというもの。プレイヤーは街を守る傭兵団の隊長となり、部隊の強化や増員、さらには街周辺の前線建設などを指示していく。また、直接戦うのではなく、敵軍に賄賂を贈って数ターンの間攻めさせないように交渉するなんて手を取れる。基本プレイでは60ターン門を守ればゲームクリアとなるため、この賄賂作戦が思いのほか有効だったりする点は面白かったですね。どんな手を使っても門を守りきればいいという自由な発想がユニークなところ。周回プレイを基本とするゲーム形式なので、戦力に乏しい初期プレイでは様々な工夫が求められるわけです。引き継ぎを繰り返し、自軍が強力になればもちろん正攻法だけで勝利が可能。戦闘に勝利することが一つの目的ともなるため、周回プレイを行いながら勝てる軍団を作り上げるところが最大の醍醐味といえます。
そういった観点もあってか、経営SLGというよりも育成SLGの色が強いという印象を受けました。特に一番の注目は部隊のレベルアップ。部隊ごとに歩兵や騎士、魔法使いといった兵種につけるのですが、単に1つの兵種を極めれば最強、ではないのです。部隊の強さは各兵種の総合計で能力が上がるため、様々な兵種で経験を積ませることが最強キャラ作成には必要になっています。引き継ぎを行いながら、まずは兵種Aを極め、次はB、最終的には基礎能力の高いCに転職……なんて感じで育成が楽しめます。また、発売後に公式配信されたアップデートで各部隊に指揮官としてヒロインを配置させることも可能となりました。副長のメイベルが指揮する竜騎士隊やルアが指揮する歩兵隊など、より各部隊に個性を持たせることが可能となっています。指揮官を任命することで部隊の能力は更に上がるため、これは嬉しいアップデートでしたね。汎用部隊を配置するだけの初期機能では少し寂しさを感じていましたので……。
©2012 ソフトハウスキャラ
予想外だったのは、ソフトハウスキャラ本来のSLGにあるような箱庭系のSLGとしての要素が薄かった点です。前線の配置などがもっと工夫できるかと思っていたのですが、思いのほかあっさりしていました。戦場の拡大範囲が狭いこと、作れる施設の種類も少なかった印象を受けます。特に施設については種類だけでなくて、作った施設のLVアップみたいなカスタイマズは欲しかったかなと。防衛戦を軸に周回プレイを重ねるので、その舞台となる戦場にもう少し変化があっても良かったと思います。ゲームモードの数も従来の作品よりは若干少なく、全体的にあっさりした印象を受けました。これくらいのボリュームでまとまっていた方が良いと思うユーザーさんもいると思うので、この辺は一概に悪いとはいえないですが、自分としてはもう少し深みのある作品を期待してしまいます。何周も遊べる、よりハマれる作品を期待してしまうところです。
(by RYO)