Let's快盗!ヌすみ系!?-あの子のハートの盗み方、教えます♪-
SQUEEZ sweet | Windows2000/XP/Vista/7 | 800x600 |
9240円(税込) | 1Play6時間 | 属性:コメディ |
難易度:4 | 2010/12/10発売 | オススメ:☆☆ |
怪盗育成学園で一流怪盗を目指せ
二流怪盗の家系に産まれた主人公は、一流の怪盗になるために、通称・怪盗学園に入学した。そこで出会ったのが、名怪盗・アルセーヌ・ルパンの子孫である露伴愛だった。さらに彼は、露伴グループと行動をともにすることになってしまう。その上、親戚でもある猫倉姉妹も入学してきて、主人公の学園生活はドタバタの連続に。彼は一流の怪盗となり、夢を叶えることができるのか?
©SQUEEZ sweet
『ルパン三世』、『キャッツ・アイ』などのパロディ作品。露伴グループはモロに『ルパン三世』を意識した服装をしているし、猫倉姉妹は三姉妹で父親の形見である絵を盗んでいるなど、とてもわかりやすい形で元ネタが使われている。もちろん、それ以外のキャラも全て探偵モノ、怪盗モノのパロディとなっている。ただし、そうしたパロディが笑えるものとなっているかは疑問。例えば露伴愛は赤いジャケットに青いシャツ、黄色いネクタイと、ルパン三世と同じ服装をしているわけだけど、愛の行動や物語は『ルパン三世』とは全くの無関係だったりする。これは他のキャラも同様で、これでは笑うに笑えないというのが正直なところ。パロディっていうのは、をやるならやるで徹底的にやらないと、面白くならないんだよね。その点でこの作品は、中途半端といわざるを得ない。
では、パロディ要素を抜きにして、ドタバタ学園モノとして楽しめるかというと、これまた微妙。SQUEEZと言うと、バカバカしいノリのバカゲーが多かったわけだけど、この作品はバカゲーといえるほどテンションの高いイベントもなくて、物語自体はむしろ淡々とした印象になっている。しかも、しかも全体の8割ほどが共通ルートなので、初回プレイはともかく、2回目のプレイからは作業的になってしまうのもマイナスポイントだ。また、本作には時間制限付きの選択肢が導入されているんだけど、これはおそらく作業的になるのを嫌ってのものなんじゃないかと思う。けれど、共通ルートが長すぎて、結局どのキャラのルートでも出てくる選択肢は同じ。こうなると、やっぱり2回目以降のプレイは作業になってしまう。パロディとして面白いものにならないのなら、せめて共通ルートは全体の5割程度に抑えて、バカゲーとして楽しめるようにしてほしかったね。
©SQUEEZ sweet
本作がエロゲーである以上、ストーリーが今ひとつでもエロが濃ければ抜きゲーとしての存在意義があることになる。では、エロはどうなのかと言えば、これもイマイチだったりする。まず、ゆいび氏原画のCGはクオリティは高いものの、枚数は差分抜きで84枚と、フルプライスのゲームとしては多いとは言えない枚数。これはデフォルメされたSD絵も含んでの枚数なので、体感的にはさらに少なくなる。イベントも1キャラ2〜4、トータルで30と抜きゲーと考えるには寂しい数だ。しかも、これは単なるポロリイベントなども含んでの数なので、実用性はさらに低くなってしまうだろう。
『ルパン三世』のパロディとしても、バカゲーとしてもヌキゲーとしても中途半端という、何とも微妙な作品というのが、率直な感想だ。「このゲームのウリはなんですか?」と聞かれても、答えられないというのが正直なところだったりする。怪盗を育成する学園モノという設定や、キャラクター自体は悪くなかっただけに、そうしたものを活かしきれなかったのはもったいなかったね。残念ながら、オススメ度は☆2つだ。
(by Suno)