操心術3

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秘薬の力で学園を支配せよ！

霧生貴樹は、ひょんなことから「エフ」という薬を手に入れ、人を思いのままに操る力を手に入れる。それと時を同じくして、剣崎沙織里はフレンズという正体不明のサークルの噂を聞きつけ、その謎に迫るべく動き始めるのだった……。

©スタジオ邪恋

2006年に発売された『操心術』、『操心術2』の続編で、ストーリー的な繋がりはかなり強い。とはいえ、キャラクターについての必要な情報は作品中で説明されるので、前作をプレイしていなくても物語はちゃんと理解できるはず。シリーズものだと一見さんお断りみたいな作りになっている作品もあるけど、一見さんでもしっかり楽しめるようになっているのは、高評価かな。前作までをプレイしておいた方が、より本作を楽しめるのは確かだけどね。

物語の方はというと、「エフ」を使ってＨしまくるという展開になるのかと思ったら、薬の力を使って2人の主人公が争うという展開がメイン。薬を単なるエロの言い訳に使うのではなく、「エフ」という薬がなければ成立しないストーリーを構築しているのは面白いね。また、この作品は霧生貴樹と剣崎沙織里の2人を主人公としたマルチサイトになっているわけだけど、これも視点を変えることで「なるほど、これはこういうことだったのか」という部分がいくつもあり、物語を読む楽しみをしっかりと感じることができたのも、良い意味での驚き。マルチサイトというシステムを上手く利用しているといえそうだ。全体を通して、適度な緊迫感と意外性を感じることができる良作といって良いんじゃないかな。

ただし、人を選ぶ物語であることも確かだと思う。まず、ヒロイン格であるキャラクターがかなり癖が強いこと。剣崎沙織里は腹黒というか、愛だの恋だのに嫌悪感を持ち、自分の望みのためなら人を破滅させることにためらいを憶えないという性格。他のキャラクターも多かれ少なかれ裏を持っているので、感情移入するのは難しい気がする。そして、最後のオチがかなりの超展開で、最後の謎がハッキリしないまま終わってしまうので、消化不良に感じる人もいそうだ。ネタバレになってしまうから詳しくは書かないけど、正直にいって超展開のラストは目が点になってしまったし、謎が謎のままで終わるのは拡げた風呂敷をたたみきれなかったのかなぁという気もする。こうした部分をどう受け取るかによって、このゲームの評価は大きく変わってしまうんじゃないだろうか。

©スタジオ邪恋

Ｈシーンに関しては、催眠という設定を活かしたシチュエーションがしっかり用意されていて、ヌキゲーとしても十分に使える内容。催眠という設定を使えば、どんな突飛なＨでも可能になってしまうわけで、それをきちんと活かしたものになっている。前作から原画が変更されたわけだけど、個人的には今作の方が好きなので、それもプラス評価だ。まあ、これは完全に好みの問題だけどね。ただ、レズシーンが意外と多いのは好みが分れそうかな。主人公の1人が女のコなので、仕方ないといえばそうなのかもしれないけど、レズ嫌いな人は気をつけた方がいいかも。

この作品で一番残念だったのは、インストーラーに不具合があったことだ。環境にもよるんだけど、エラーが出てインストールできないことがある。また、インストールは可能でも異常に時間がかかることもあるようだ。環境によるということで、メーカー側ではチェックしきれなかったんだろうけど、こうした不具合があると印象が非常に悪くなってしまうので、早急に対策差分を出してほしい。一応、応急処置として s3_setup.exe を圧縮解凍ツールで任意のフォルダに展開するという方法が公式サイトのサポートページで公開されているので、不具合のある人は見ておこう。サポートページではツールとして+lhacaとlhaplusの2つが紹介されているけど、Explzhでも解凍は可能だったので、付け加えておく。この不具合をマイナスして、オススメ度は☆3つ。インストーラーの問題がなければ☆4つでも良かったんだけどなぁ……。

   使い方

攻略

このゲームではクリア順がある程度決められているので、チャートの通りの順番でプレイしてほしい。トゥルーエンドはセーブ2からロードするようにしてあるけど、トゥルー以外の全エンドを見ていれば、最初からプレイしても構わない。

（by Suno）