ヴァリスX 〜優子・もうひとつの運命〜
イーアンツ | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
2800円+税 | 1Play1時間 | 属性:ファンタジー、陵辱、触手 |
難易度:2 | 2006/3/17発売 | オススメ:☆☆ |
夢幻界へ召喚された少女の長き戦いが始まる
物静かでどこか能天気、そんなどこにでもいる普通の女の子であった麻生優子。しかし、彼女は突如現実世界からその平行世界である夢幻界へと召喚され、戦士として戦うことを宿命づけられる。明と暗の心をバランス良く持つものが、ヴァリスの戦士として選ばれる。ごく普通の女の子であった優子だからこそ、この条件に合致していたのかもしれない。彼女の目的は世界征服を企む暗黒界の魔王ログレスを倒すこと。見知らぬ世界で大変な使命に戸惑う優子だが、不思議な力を持つヴァリスの剣を使ううち、徐々にその力を覚醒させていく。そして、彼女の親友であった桐島麗子も、同じような理由で夢幻界に召喚されていた。麗子と異世界での再会を喜ぶ優子であったが……。
©TELENET JAPAN 2006 / eants inc 2006
今から20年前に発売されたPCアクションゲーム『夢幻戦士ヴァリス』。そのリメイクとも言える作品が本作になる。元になった旧作は一般ゲームで、今で言うと単純な横スクロールのアクションゲームだった。当時はゲームの主人公が女の子というのはまだ少数で非常に珍しく、華やかそうでいて実はかなり重厚なストーリーということでいまだにファンも多い模様。ただ、PCゲームが今ほど一般的でもなかったので、実質人気が出たのは他機種へ移植されてからではなかろうか。実際多くの家庭用ゲーム機に移植されており、特にPCエンジン版などは有名声優を起用したビジュアルシーンが導入され、ただのアクションゲームではなくなった。この後数多く出てくる、いわゆるギャルゲーの元祖的な存在ともいえる。また、今現在本編は家庭用ゲーム機用に移って4作品発売されているが、まだストーリー的には完結していないシリーズである。本編が完結してないのに番外編的に本作が登場したこと、なにより公式にこういった作品が発売されるということで、興味を持った人も結構いたはずだ。ちなみに、旧作品はレトロゲームのダウンロード販売サイトなどで購入可能。今やると確実に古くささを感じるだろうが、興味があったら見てみるのもひとつ。
さて、ゲーム内容を見てみよう。このゲームは低価格のダウンロード販売専用ゲームってことで、特に難しいことはないコマンド選択式のAVG。選択肢は2択で計5回しかないが、分岐は一応あるのでエンディングも複数ある。旧作がアクションってことで、少々アクション要素でもあればまた見る目も違ってきそうだけど、そこは置いておこう。ストーリーは旧作と基本はほぼ一緒。当然内容がエッチ路線ではあるので、少々キャラの性格や背景も違ってはいるが。また、本編側では2作目以降に出てきたキャラも登場するので、結構雰囲気は違ってきている。
シリーズの歴史や魅力などはとりあえず置いておいて、まずは見どころといえるところから。訳の分からない世界に女の子一人飛ばされたら、色々やられちゃってもいいはず……とか思う。そんな感じで序盤から、優子は触手やモンスターにやたらに犯されたりする。このあたりは、優子が陵辱されるというのを期待していた人にはいいかもしれない。麗子との絡みもあったりして、エッチシーンだけ見るならば結構良い具合ではある。CGも質は高いしデザインも好みなので、この点は気に入ってはいる。しかし、ハッキリ言ってしまうと、褒められる点はこれくらいしかないかもしれない。何しろストーリーやキャラ設定云々は旧作あってこそで、この作品単体の魅力ではないと思う。お気に入りのヒロインを汚してみたいって趣味の人には、そこそこ満足できる感じではある。
見るべき点が少ないってことで、問題というか気になった点を挙げていこう。ついさっき褒めたばかりのエッチシーンだが、そういうゲームなだけにこれがまず気になる。一言でいうと、そういうシーンが少なすぎる。CG枚数自体が全体でもさほど多くはないので、ビジュアル的に期待してるとここでちょっとガックリするかも。また、世界が世界だけにまともな男性とのエッチはなし。もっとも、そこはファンタジー世界ってことで納得はできる点でもあるけど。あとは、流れ的には一応魔王を倒すまでの物語なのだが、これもえらい早い展開で終わってしまう。ここはやっぱり元がアクションだっただけに、物語だけ抜き出すとこれだけで終わってしまうのかなという感じ。先にも言ったように、旧作あってこその部分が大きいように感じる。キャラの魅力とかはこの作品単体ではほぼ感じることはできない。そういった点から、旧作を知らないとか全く調べてもいない場合は、今作の魅力も半減するのではないかな。せめて、あっさり終わる戦闘シーンとかだけでもアクション要素があったら、感情の移入度も違ってきたように思う。
一部で色々物議を醸しだしてること、また個人的な興味もあってやってみたが正直に言ってしまうと、「これはどうなんだろう?」っていう感想。とりあえずここではこの作品の賛否を語る気はないが、今作単体で見た場合ゲームの完成度が高いとは言えない。正直なところ内容と価格から考えたら、値段分の満足度はないと感じた。そんなことで、本来ならオススメ度は最低ランクにしたいところ。だが、個人的にはこういう感じで公式に18禁ゲームとして、過去の名作を生まれ変わらせた決断はすごいことだと思う。今後もまだ発売されていくシリーズだけに、期待を込めて☆は2個にしてみた。まぁ、優子への歪んだ欲望みたいなのがあれば、もうちょっとは満足できるのかな?
(by Norn)