英雄×魔王
エスクード | Windows98/2000/Me/XP | 800x600 |
パッケージ版:9240円(税込) パッケージ版:3990円(税込) | 1Play約11時間 | 属性:ファンタジー、やり込み系 |
難易度:10 | 2005/5/27発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
魔王となり世界を暗黒に染めるのじゃ!
©エスクード
▲我ら魔族の前では人間など無力! 破壊を繰り返し恐怖を与えよ!
世界征服を目指すフェルザーが率いる魔族の侵攻で、世界にはかつてないほどの恐怖が訪れようとしていた。人間を恨み、憎んでいるフェルザーとその片腕のリーザは町や村を破壊し、略奪を繰り返して人間たちを絶望の淵に追い込んでいく。そのような状況の中、魔族に対抗しているネーノイス教の神職者たちや勇者の国ジークラフ王国に人間たちに希望が託されようとしていた。そんなささやかな希望を打ち砕き、世界中の人間たちに破滅をもたらすべく戦う……。そう、このゲームでプレイヤーが演じるのはフェルザーだ。
世界はいくつかのエリアに分けられており、侵攻ルートによってシナリオ展開がやや変化するタイプの国盗りゲームの亜種というべきもの。制限ターン内に制圧できないと毎ターン敵から襲撃されるため、のんびりすぎる侵略はなかなかできない。周回を重ねてキャラが強ければ耐えられるのかもしれないが、時折出現する勇者イベントと異なり、毎ターンの戦闘は魔力の残量的な面で非常にハードなプレイを強いられることになるだろう。逆に最速で制圧すればより多くのボーナス経験値獲得が望めるのだが、あまり早すぎてもヒロインのイベントを起こしきれずにノーマルエンドへ向かってしまう可能性があるので、プレイプランを練るのも楽しみの1つとなる。ただ、早い周回でアレットルートなどの終盤の戦いがハードなシナリオに入ってしまうと、かなり苦しい戦いの連続となる可能性が高い。ヒロインを攻略する順番によっては死ぬほどきつい難易度と感じるのではないだろうか?
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兵はソルジャー、マジシャン、アーチャーの3種類で、いわゆる3すくみの相性が存在する。指揮官の必殺技などによっても戦闘結果は変わってくるが、戦場へ投入する戦力を適切に配したほうが有利となることは間違いない。だが、そこはやり込み系のゲームだけあって、クリア時のレベルや装備などのアイテム類を次のプレイに引き継げるため、7周目ぐらいともなればレベルの差でそこらのザコ敵ならば苦手な相手にしてもわずか1人で敵を殲滅することも可能だ。繰り返しプレイを重ねればお気に入りのキャラだけですべての敵を撃破していくことだって夢ではないだろう。ただ、1回のプレイ時間が長いため、会社勤めの人が1日には1回エンディングを見れるかといわれると、レベルが上がってきてプレイが楽になる3周目ぐらいでもまだ困難かもしれない。
ゲームの特徴に、フェルザーが女魔族に産ませた子を兵士として戦わせていくという設定がある。進撃途中で捕らえた女魔族たちに次々と子を産ませて戦力の強化を図っていくというのがインモラルな感じですな……と思う人は多そう。だが、その部分はフェルザーの我が子を戦力と割り切るのと同様(?)、(各段階の初回イベントはともかくとして)2回目以降はシステム的に「○○を孕ませた」的な淡泊な数行のメッセージで終わったりしているあたりが残念に感じるかもしれない。これはシーンが長くても繰り返しプレイで苦痛に思う人もいるだろうから、好みの問題となる部分かも。ただ、そもそもイベントCGのないキャラもあるのは惜しい。
クリアするためのイベント条件も気付きにくいものや意外にシビアなものがあり、やり込み系らしい難易度に仕上がっている。アイテムにも回収率があり、すべて自力で完全に攻略しようとすると膨大な時間が掛かるのではないだろうか? 仮に、各種条件をすべて知っていて毎日このゲームだけをやり込んだとしても、おそらく10日以上はかかりそうな気がしてならない。各ヒロインのルートのあとに、やり込み系でお約束な「プレイヤーに対する挑戦」ともいうべき極め的ラスボスとの対決モードも用意されている。レベルの最大は50のようだから、気合いを入れて最大レベルを目指してみよう。最大レベルの指揮官が略奪を行なわないと見つからないアイテムもあるというから、レアアイテムの収集はかなり大変だ。
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シナリオのほうは終盤まではどのルートを通っても似たような展開になるが、最終決戦近くから急展開を迎える。侵攻中の国によってはギャグを含んだシナリオだったりして、単調な展開にならないよう工夫をしているようだが、イベントが少な目なのでそれをカバーしきるところまではいっていないと感じられる。やり込み系だと繰り返しプレイする部分が単調だと飽きてしまい作業的プレイになることもあるわけで、その対策がどうなっているのかが気になる人もいることでしょう。これはランダム発生の勇者がプレイに刺激を与えてくれるわけだけど、劇的な効果というものではない感じだ。少々発生頻度が高すぎて、プレイの妨げになることもある。勇者の中で印象深いのは自称・世界最強の勇者アンディオス。妙に味のあるやつで、やっていることはひどいと思うのだがあまり憎めない。勇者討伐に向かってみたらアンディオスだったというのはホッとすることだろう。なにしろ一撃で倒れる貧弱な体力に、全然ない攻撃力、常に1人で登場と退治しやすい。当然ながら経験値にもならないが……。
システムで気になる点は、いつでもロードできるわけではないということ。ちょっと相手にしたくないような勇者セレスが来ていたらロードして無視しようと思っても、メニューにロードがないのでやり直しがつらい。出撃選択でセーブが出来ないため、連戦のときにうっかりとセーブを忘れると人間ごときにいたぶられて屈辱的な敗北を味わうかもしれない。ちなみに、連戦時でもメニューのステータスから回復薬を使うなどすれば、結構ピンチを切り抜けられることがあるので覚えておくと便利かも。あと、ゲームの途中でちょっとメールチェックしようとか思ってタスクを切り替えると、BGMや音声の音量がしばらく大きくなることがあるので、そういうのは困るというプレイ環境の人もいるかもしれない。
ひと言でいえば、かなりやりがいのあるゲームだと思う。時間がある人にお薦めしたい。未だに全キャラクリアはできず、8周目のプレイをしている状態だ。すでに3回もノーマルエンドを見てしまったし、実質1週間つぶれたほどプレイしている。それでもまだ終わりが見えないあたりが、さすがやり込み系というべきか。おそらく侵攻時にランクSのクリアを狙っていたのが目的のエンディングを見れなかった原因だろう。あと4周以内に全キャラクリアを狙いたいと思う。極めモード的ラスボスを倒すことができたら追記したい。
(2005/07/26 03:34)
10周目にてラスボスの待つアルティメットモードへようやく突入したのだが……。うっかりとモモルートから入ったのが大失敗。そのルートからだとエンディングでリーズが抜けているため、戦力がダウンした状態での最終決戦というとんでもない事態になってしまった。ラスボスの属性はソルジャー。マジシャンで叩きたいところだが、そのマジシャン系でレベルが高かったリーズが抜けているというハンデ付きでの決戦というわけですな。それでも勝てれば、ある意味極めたということで大いによろしい。途中で遭遇するアンディオスに驚くものの、無事目的地へ到達。ラスボスとの決戦!
フェルザーがLv34、モモとメイシアの子とセレスがLv28、リーズとアレットとファオラ、メイシア、セレスの子がLv27で、そのあたりがフェルザー軍の主力。対するラスボス・○○○○○は……「その護衛ってあり!?」という非常に強力な部下が……。まともに戦っては勝ち目は薄いため、ディーネ率いるアレットの子たちの第一陣が突入。護衛を削ろうと試みるが、ボスが相手をしてきてばかりでボス体力を削るのみで全滅。ノイシス率いるリーズの子たちの第二陣が突入して護衛を2人倒して全滅。ユキネ率いるモモの子たちの第三陣で1人削り、メイシア率いる○○の子混成部隊の第四陣が突撃。物量作戦でラスボスに殺到したため、主力が出撃する前にラスボスが倒れてしまった……。おそらく6〜7周目ならばラスボスを倒せそうな感じだ。
なお、ラスボスを倒したデータを引き継いでプレイを進めると、参謀役のガレフが仲間になる。なんとLv1でHP10、攻撃力20、指揮4と激弱。これを使えるようになるまで育てるというのもトコトン極めるつもりならば試してみる価値があるのではなかろうか? まだまだ奥が深いかもしれず……。
(by 天城螢)
(2005/07/28 16:15)