その花びらにくちづけを ミカエルの乙女たち
ゆりんゆりん | WindowsXP/Vista/7 | 800x600 |
パッケージ版:9240円(税込) ダウンロード版:6800円(税込) | 1Play2時間 | 属性:百合、お嬢様 |
難易度:1 | 2012/11/30発売 | オススメ:☆☆☆☆(百合) |
百合の園での物語
由緒ある家系のお嬢様たちが通う聖ミカエル女子学園。そこでクラス委員を務めている璃紗は、問題児である美夜の面倒を見るべく孤軍奮闘中なのだった。ところがいつものように美夜が授業をサボらないように探していたある日のこと、泥濘んだ地面で滑って倒れそうになったときに美夜に抱きとめられ、璃紗は激しく動揺してしまう。そして璃紗は、美紗が好きなのかもしれないと意識し始める。そんな中、学園ではベストカップルが話題になっていたのだが、新任の麗奈先生がミカ女ベストカップルを決める選挙を開催すると言い出した。ベストカップルに選ばれたメンバーがクリスマスなどのイベントを盛り上げていくことになるのだという。投票で5組のベストカップルを選出したのだが、そこに璃紗と美夜が選ばれてしまい璃紗は驚く。ミカ女で有名な鉄板カップル4組と一緒に活動することになってしまった璃紗はどうなってしまうのだろうか!?
©2012 ゆりんゆりん
発売日に手元に届きながら、仕事で死んでいて遊ぶのが遅れてしまいました。なんか前も同じ状況で期待した作品に出遅れたことがあったなぁ……。本作の場合は過去の作品のキャラが登場しまくりで、どういうキャラだったっけってプレイし直して時間を吸われたかも(笑)。うん、どんだけ自分は百合ものが好きなんだ……って話だな。ってわけで、自分の判断からは多少差し引いて考えたほうがよいかもしれません。
本作は百合をテーマにした同人作品『その花びらにくちづけを』シリーズの流れを汲んだ商業作品。聖ミカエル女子学園という舞台は共通で、過去の同人作品のカップルが本作に登場している。したがって、本作をより楽しむためには過去作品をプレイしておいたほうがよいだろう。ちょっと数が多いけどね。頭身が下がっている一般向け作品『はなひらっ!』のヒロインは登場していないので、それはプレイしていなくても大丈夫かな。プレイしておいたほうが聖ミカエル女子学園のことがよくわかってよいとは思うけれど。
本作は明るく百合を描いたものであり、男が一切登場しない。そしてオモチャなども使われないピュア(?)な百合ものだ。ハードなガチ百合ものを求めていると物足りなく感じるんじゃないかと思う。百合がテーマのラブコメ作品であることも認識しておいてほしい。最初のHまでが長いが日常生活の描写も楽しめるんじゃないかな。
©2012 ゆりんゆりん
物語のほうはというと、カップルじゃないからと辞退しようとする璃紗が「これを機に、アナタ達もつきあったらどうかしら♥」なんていわれ、丸め込まれて強引に参加させられて始まる。美夜は参加しないだろうとの思惑で、美夜が断ったら不参加でいいとの条件も、美夜は璃紗の困った顔が大好き。当然参加となり、お祭りに参加するってわけだ。作品の雰囲気は過去のシリーズ作品と変わらず、従来の作品をプレイして楽しんでいた人ならば安心して遊べることだろう。
まだ付き合っていない璃紗と美夜が、ほかのカップルに混じって和気藹々と交流するわけだけど。見どころはウブな璃紗が影響を受けてしだいにHな妄想をするようになって、何も手につかなくなるまでに変わっていくところ。初めて美夜を受け入れてからは、すぐみんなにバレてお祝いされることになり恥ずかしがるのもいい感じだ。そんな初々しいカップルの話を楽しめるだけでなく、クリスマスフェスティバル以降は視点を変えて別のカップルの行く末を見るルートも用意されているので、これまでの作品が好きだった人と百合好きな人はたっぷり堪能できる作りだと思う。どのルートでもラブコメを堪能できるので、後半はルートごとに変化があって楽しいという感じだろうか。
ゲームシステムは一通り必要な機能は揃っているが、バックログが狭いメッセージフレーム内にしか表示されないので、読み返す際には不便かな。それ以外は不満を感じることはないと思うけど。ちなみに、基本CGは璃紗&美夜が19、七海&優菜が10、楓&紗良が11、麻衣&玲緒が11、雫&エリスが11、貴子&瑠奈が9、その他9、カットインが20の計100枚と価格相応といったところ。回想シーンは璃紗&美夜が4、七海&優菜が3、楓&紗良3、麻衣&玲緒3、雫&エリス3、貴子&瑠奈3の計19種類となっている。
本作は『その花びらにくちづけを』シリーズ作品を遊んでいて、楽しんでいた人には特にお薦めなんじゃないかな。過去作品のヒロインたちがそれぞれ交流するさまが描かれているのは、これまでの作品での関係なども補完されてファンならば喜ばしいことでしょう。価格ぶんのボリュームアップは期待して大丈夫。過去作品を未プレイの人は、ゆる百合以上がち百合未満を期待しているならばピッタリの内容かもしれない。百合ラブコメを楽しみたいならば個人的にお薦めだと思う。まあ、過去作品を未プレイならば、各カップルが登場する最初の作品だけは遊んでおきたいところという感じでしょうか。
攻略
これまでのシリーズ作品同様で積極的に行けばよい。初回プレイは璃紗&美夜のエンディングとなるが、次回以降はクリスマスフェスティバルの時に選択肢が追加されて、その後の視点を変えることが可能だ。すなわち、別のカップルのエンディングを見ることができるようになるってわけですね。過去に遊んでシリーズ作品と選択肢の傾向が同じだったから、ノーミスでコンプリートまでできちゃった(笑)。分岐ポイントもあからさまだったしねぇ。きっと、ノーミスでクリアできた同志が多いんじゃないかと予想。
もう少しだけ、このまま…… |
……………… |
諦めて、受け入れる |
キスくらい……平気よ |
☆セーブ1 |
美夜を見つめる |
(人の事よりも自分の事よ!!) |
こっちから連絡する |
私も美夜に、自分の気持ちをぶつけたい |
そ、そうよ……誘っているの |
【璃紗&美夜 HAPPY END】 |
☆セーブ1から |
保健室を飛び出す |
☆セーブ2 |
七海と優菜の会話を聞く |
素直になりたい |
お姉さまに見とれていた |
あんまり無理しないでください |
【七海&優菜 HAPPY END】 |
☆セーブ2から |
紗良と楓の会話を聞く |
でも本物の紗良の方が…… |
そうよ、そうなのよ |
もう……しょうがないわねぇ |
【紗良&楓 HAPPY END】 |
☆セーブ2から |
玲緒と麻衣の会話を聞く |
あと一枚だけあげる |
もしかして……嫉妬!? |
本当に、ありがとう……麻衣 |
【玲緒&麻衣 HAPPY END】 |
☆セーブ2から |
雫とエリスの会話を聞く |
今夜はエリスと一緒にいたい |
人の少ない場所へ、エリスを誘う |
恥ずかしくて、声を上げる |
【雫&エリス HAPPY END】 |
☆セーブ2から |
瑠奈と貴子の会話を聞く |
ちょっとだけ、なら…… |
さりげなく、麗奈と距離を置く |
瑠奈が愛おしいから |
【瑠奈&貴子 HAPPY END】 |
(by 伊織舞也)