闘神都市III
アリスソフト | WindowsXP/Vista | 800x600 |
パッケージ版:8925円(税込) ダウンロード版:6800円(税込) | 1Play40時間 | 属性:ファンタジー、RPG |
難易度:7 | 2008/11/28発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
父を捜し、闘神大会に挑む!
©アリスソフト
闘神大会とは、闘神都市で毎年開かれる闘技会。参加者は美しい女性をパートナーとし、優勝して闘神となれば、富と名誉を手に入れることができ、負ければ勝者にパートナーを差し出さなければならないというルール。主人公・ナクトは闘神となったあと消息不明となった父を捜すために闘神都市にやってきた。そして、腕試しのために、幼なじみの羽純・フラメルをパートナーとして、闘神大会に出場することになった……。
14年前に発売された『闘神都市II』の続編となる作品。続編とは言っても、「闘神都市」の設定を共有しているだけで、ストーリー的な繋がりはまったくナシ。受付嬢のシュリや闘神ダイジェストに出演しているクリちゃんや切り裂きくんなど、共通しているキャラクターもいるので、パラレルワールドという感じになるのかな? いずれにしても、前作をプレイしていなくても問題はない。まぁ、前作をプレイしていればニヤリとできるようなネタもあるので、気になるようなら『闘神都市II』をプレイしてみても良いかな。『闘神都市II』は配布フリー宣言されているタイトルなので、手に入れやすいしね。
さて、物語の方は主人公のナクトが、闘神大会に挑戦しながら行方不明になった父を捜すというもの。物語の雰囲気を一言で言うなら、古き良き時代の少年漫画といったところ。ナクトは純朴な熱血漢、メインヒロインである羽純は純情可憐な幼なじみという設定もそうだし、そうした性格が最後まで変わることがないというのも、少年漫画的な印象を強くしている。自分としてはアリスソフトは、純愛ストーリーであっても容赦なく鬼畜な要素をぶち込んでくるメーカーという印象があったんだけど、そういう「毒」が薄れているような気がする。少年漫画的なストーリーというのはRPGの王道でもあるし、一概に悪いこととは言えないけど、「毒」がなくなったのはちょっと物足りなくもあるかな。18禁である以上、子供がプレイすることは想定しなくても良いんだから、もっとダークな展開があっても良かったんじゃないかなぁ。
©アリスソフト
ゲームシステムはダンジョン探索型のRPGで、古典的とも言えるもの。闘神都市シリーズである以上、システムはこれで正解でしょう。シリーズのファンはこれを望んでいただろうし、余計なことをしてファンを敵に回すのは賢明とは言えないだろうからね。ただ、戦闘部分ははっきり言って面白くない。このゲームでは魔法は特定の敵に使うだけで、基本は剣による直接攻撃。通常攻撃はオートで行われるので、アイテムやスキルで敵の行動を遅らせたら、あとはただ見ているだけになってしまう。敵の属性などを考える必要もないので、戦闘が単調になってしまっているんだよね。さらに主人公のレベル上限が50と低く設定されていて、簡単にカンストしてしまうため、キャラクターを育てる楽しさも感じにくい。クエストも知恵を絞って謎を解くというものはなくて、「○○という迷宮に行って、××というアイテムを取ってこい」というようなお使い系がほとんど。そのせいでゲームプレイ時間の大部分を占めるダンジョン探索が、ストーリーを進めるための作業となってしまっている。プレイ時間の長いゲームだけに、これはキツイ。戦闘に戦術性を持たせるとか、ダンジョン探索そのものが楽しくなるような工夫がほしかったね。
いろいろと不満を書いてしまったけど、これは『闘神都市』というタイトルにあまりに過大な期待をしすぎたせいかもしれない。『闘神都市II』はエロゲー史上に残る名作の1つだろう。その名作の14年ぶりの新作となれば、どうしても期待が高まってしまう。プレイヤーとしては、「2008年の最高傑作、エロゲーの歴史に残る傑作になっているに違いない!」と思ってしまうわけで。残念ながら、その期待に応えられるだけの作品ではなかったなぁ、と。そうした先入観念を排除してみれば、決して駄作ではないと思う。ストーリーはきちんと起承転結がまとまっているし、ゲームバランスも破綻していない。CGはCGモードの枠の数が176枚と、破格の枚数。これは立ちキャラやカットインなども含めての数だけど、1枚絵のCGだけでも差分抜きで148枚ある。一般的なフルプライスのゲームのCG枚数は80〜100枚程度であることを考えれば、これは凄い枚数だ。もちろん、CGのクオリティは文句なし。かなりプレイ時間の長いゲームなので、誰にでも無条件でオススメできるわけではないけど、RPGが好きな人なら価格分は楽しめる内容だろう。というわけで、オススメ度は☆4つ。『闘神都市』に強い思い入れのある人にはオススメしないけど、1つのゲームにじっくり付き合ってみるのも良いかな、と思っている人はプレイして貰いたい作品だね。
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プレイのコツ
完全攻略するほどデータがまとまってないので、ここではプレイのヒントだけ。
まず、このゲームの戦闘は、主人公のレベルより剣の付与の方が重要。付与は技のペンチを最優先に、残りは特にこれを優先すべきというのはないけど、限界まで付与しておこう。また、このゲームではダメージを受けないように闘うことが大切。そのために、スキルの行動封じ、遅くするや、アイテムのぽわわ銃を利用しよう。敵の中には特定のアイテム、スキルがないと倒せないものもいるが、これはメッセージを読んでいれば分かるようになっている。スキルは装備していないと使えないので、入手したらすぐに装備しておこう。あとはメッセージはスキップせずにきちんと読む、移動できる場所は残らずチェックしておくという、RPGの基本を守っていればOK。
イベントに関しては、街の移動が重要になる。ダンジョンでイベントが起きたら街に戻って、イベントがないかどうかをチェックすべし。街でのイベントは昼と夕方、夜で変化するので、マメに街にもどることが大切だ。街のイベント発生地点はマップ上で光っているが、光っているところ以外でもイベントが起ることが多いので、すべての場所を回っておけばイベントのみ逃しはなくなるはず。丁寧にプレイすれば、1プレイでCGモードコンプリートが可能だぞ。ただし、CGモードの176はゲーム中では回収できない。これはアリスの館で回収するもので、召喚ドアでグナガンを倒せば見ることができる。
(by Suno)