戦女神ZERO
エウシュリー | Windows2000/XP/Vista | 800x600 |
パッケージ版:9400円(税別) ダウンロード版:6300円(税込) | 1Play40時間 | 属性:正統派RPG |
難易度:8 | 2008/6/13発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
「神殺し」が生まれるまでを描いた物語
©エウシュリー
嵐の神の戦士として、苦しむ人々を救うために戦い続けてきたセリカ。そんなセリカに神殿より与えられた任務は、邪悪な神器を浄化する方法を探すというものだった。姉のカヤや戦士仲間のダルノスと共に冒険の旅に出るセリカだったが、不思議な雰囲気を持つ少女・サティアと出会ったことで、運命の闘いに巻き込まれていくことになるのだった。
『戦女神』、『戦女神2〜失われし記憶への鎮魂歌〜』と続いてきた『戦女神』シリーズの最新作。最新作と言っても、物語上の時間軸でいえば最も古い時代の物語になるので、前作までをプレイしていなくても大丈夫。ただし、前作までや『幻燐の姫将軍』シリーズをプレイしていないと、意味不明なイベントがあったりするので、できれば発売順にプレイしていくのがベストかな。
物語はというと、かなり鬱な展開になっている。暗い話は苦手、物語はハッピーエンドじゃなくちゃ、という人はちょっと辛いかもしれない。『戦女神』や『戦女神2〜失われし記憶への鎮魂歌〜』という未来が既に描かれてしまっている以上、これは仕方のないことだけどね。『戦女神ZERO』が悲劇的な物語になっているおかげで、『戦女神2〜失われし記憶への鎮魂歌〜』のエンディングが引き立つという効果もあるわけだし。個人的には絶望的な中にも、僅かな希望が見えているというエンディングは結構好きだけどね。
ゲーム自体は「正統派」という言葉がふさわしいダンジョン探索型RPG。ほぼ、一本道に近い展開なんだけど、ボリュームは圧倒的と言っていいと思う。プレイ時間を約40時間としたけど、これはアイテムコンプリートなどを考えずに、ひたすらエンディングをめざしたときの時間。初回プレイでアイテムコンプリートをめざし、テキストもじっくり読んでいけば、どれだけ時間がかかるか分からない。
非常に時間のかかるゲームなんだけど、プレイしていてそれが苦痛になることはなかった。アイテムの効果などをきちんと理解しておかないとザコ相手にも苦戦する難易度なんだけど、逆にアイテムを効果的に使えば意外なほど低いレベルでのクリアもできてしまう。あるいは、どんな武器を装備して、どんなパーティで戦うかなど、プレイヤーごとの戦略も重要になってくる。そういうことを考えながらプレイしていると、プレイ時間の長さが気にならなくなってくるんだよね。とにかくゲームとしての完成度は非常に高いといっていいんじゃないだろうか。2周目からはキャラのステータス、アイテムなどを引き継げるので、楽にプレイすることもできるのも嬉しいね。
©エウシュリー
ただ、プレイしていて気になった点もいくつかあった。まず、こうした長期間にわたるシリーズの宿命とも言えることだけど、初期のころと現在で設定に矛盾が出てしまっている。例えば魔神・アムドシアスは『戦女神ZERO』でセリカに出会っているはずなのに、『戦女神2』で初対面のような会話をしていた。『戦女神』シリーズが好きな人ほど、こうした点は気になってしまうだろう。次にパーティメンバーの入れ替わりが激しいため、キャラへの愛着が持ちにくいという点。特にゲーム序盤で仲間になるキャラは、次々に物語上から消えていってしまうのが寂しい。この手のゲームはキャラを育てるのも楽しみの1つだと思うので、この点はどうにかしてほしかった。あと、欠点というわけではないけど、2Dのゲームとしては比較的マシンスペックを要求するということは、覚えておいた方がいいかも。Pentium4 1.7GHz以上必須となっているので、低クロックのCeleronなどを使っている人は厳しいかもしれない。
気になる点がなくはなかったけど、それを補ってあまりあるほどの満足度のあるゲームだろう。価格は一般的なゲームよりもちょっと高めだけど、コストパフォーマンスという点では、むしろ最上の部類に入るんじゃないかと思う。正統派のRPGが好きだという人なら、プレイして後悔することはないはずだ。時間が取れないという人はちょっと辛いかもしれないけど、できるだけ多くの人に挑戦してほしいゲームだ。
プレイし終わって、『戦女神』や『戦女神2〜失われし記憶への鎮魂歌〜』を『戦女神ZERO』のシステムでリメイクしてほしいなぁ、などと思ってしまったり。『戦女神』は1999年発売。9年も前のゲームということもあって、さすがにシステム的に見劣りする。それ以前に現在では既に入手困難でもある。『戦女神ZERO』でこのシリーズに興味を持った人もいるだろうし、リメイクされたら購入したいと思うファンもいると思うんだけどなぁ。
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(by Suno)