かみぱに！

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神様が家に居座って波乱の日々が！

©Clochette

子供のころ、夏休みのたびに来ていた天水町で1人暮らしをすることになった主人公。隣に住んでいる片瀬恵や生徒会長の九条天音、憧れの先輩の霧島乃々香、それに妹の香原瑞樹も加わって、楽しい毎日を送っていた。そんなある日、天泉森雨古依命と名乗る自称・神様が家に押しかけてきた。傍若無人でワガママな神様に振り回されて、主人公の毎日は騒々しいものになっていく。

Clochetteのデビュー作となる作品。自分はどのゲームをプレイするかを、同じブランドの過去の作品から判断する。過去に強烈なバグを出し続けたブランドは回避するとか、過去のゲームが面白ければ新作にも期待するとかね。だけど新ブランドの場合は、参考にすべき過去の作品がないので、冒険になってしまうことが多い。この『かみぱに！』も冒険になってしまったわけだけど、結果からいえば、期待を裏切らない作品だったといえるんじゃないかな。

この作品の最大のよさは、キャラが立っていることだったと思う。攻略可能キャラは古依、恵、瑞樹、天音、乃々香の5人なわけだけど、そのいずれもがしっかりとキャラが立っていて、キャラ萌えゲーとしてはいい感じの作品になっている。悪人が1人も出てこないことや、中途半端な鬱展開がなかったのもよかったかな。基本的に明るい展開がメインなのも、ゲーム全体の雰囲気に合っている。そして、CGもそんなゲームの雰囲気にピッタリとあったものだね。しんたろー氏原画のCGは、手抜きに感じられるものもなくて、塗りも含めて非常にハイレベル。かわいさとエロさを両立させたCGは、これを目的にプレイしても損はないといっていいレベルだろう。ただ、アイキャッチに使われているCGもCGモードに登録して欲しかった。アイキャッチのCGもきれいでいい雰囲気のものが多いので、一瞬しか見られないというのはもったいなかった。

©Clochette

シナリオは、そつなくまとまっているという印象。ゲームは瑞樹、天音、乃々香の3人がサブヒロイン、恵がメインヒロイン、古依が真のメインヒロインという構造になっているんだけど、サブヒロインのシナリオで伏線を張り、メイン2人のシナリオで張った伏線をきちんと回収している。逆にいえば、すべてのヒロインをクリアしないと、ストーリー的に謎が残ってしまい、スッキリとしないオチになってしまう。プレイするときは、全キャラを最後までプレイするのがオススメだ。個別ルートに入っても、他のヒロインがシナリオにきちんと絡んでくるのもよかったかな。ただ、これは個人的な好みになってしまうけど、個別ルートに入るとシリアスな展開になってしまうのは、あまり好みではなかったかなぁ。このCG、共通ルートのノリならば、もっとドタバタな展開でもよかった気もする。

ゲームをプレイしていて、1番残念だったのが設定を生かし切れていないこと。物語は神様同居モノなわけだけど、神様である古依の神様らしいところといえば、ときたま天罰と称して主人公に雷撃を落とすくらい。神様ならば、もっとぶっ飛んだ行動をした方が、より物語が楽しくなったと思うんだけどね。あるいは、田舎町が舞台というわりに、田舎町の雰囲気や舞台設定を活かしたイベントが少なかったのも残念。シナリオの中でこうした部分が活かされていれば、名作といえるレベルまで化ける可能性もあったと思うだけに、もったいなかったなぁと。

ブランドのデビュー作ということを考えれば、十分に合格点といっていい作品だろう。特にCGが好みに合えば、プレイして損はない。デビュー作でこのレベルなら、次回作も期待できそうだ。というわけで、次回作への期待も込めて、オススメ度は☆4つ。キャラ萌えゲーを求めている人にオススメしたい。

   使い方

攻略

初回プレイで攻略できるのは、瑞樹、天音、乃々香の3人。この3人をクリアすると、恵が攻略可能になり、恵をクリアすることで古依が攻略可能になる。恵と古依は途中のセーブデータからでもクリア可能なので、移動場所選択の時点でセーブをしておこう。

（by Suno）