媚肉の香り〜ネトリネトラレヤリヤラレ〜

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三澤家に張り巡らされた淫謀とは？

恋人・由紀と一緒に行く卒業旅行の資金を貯めるため、主人公の南拓也は家庭教師のアルバイトを始めた。そんなある日、教え子の乙葉が志望校のレベルを1ランク上げたため、夏休みを利用し彼女の実家・三澤家で住み込みの勉強合宿を行うことになった。ところが、三澤家の家族関係は微妙な不協和音を奏でており、拓也もそのドロドロした人間関係に巻き込まれていく……。当主・松太郎が迎えた若く美しい後妻・香織に対し、敵意をむき出しに接する前妻の妹・律子。律子の長女・沙耶と長男・隆司は、拓也の存在を煙たがっている様子。そんなある日の夜、拓也は与えられた部屋で小さな穴を発見し、興味本位に覗き込んでしまう。すると、そこから見えたものは、なんと香織さんの美しいネグリジェ姿。なぜ客室に覗き穴が？　穴を覗いてから、少しずつだが確実に拓也の運命の歯車が狂っていく……。

©エルフ

このソフトは、雑誌での事前情報が出なかったので、ゲーム内容はメーカーHPの情報と、ソフトのタイトルから連想し購入せざるを得なかった。サブタイの「ネトリネトラレヤリヤラレ」から勝手に連想し、背徳感たっぷりのドロドロなストーリーを期待したのだが……。結論としては、寝取り・寝取られゲーとしてはパンチが弱く、期待はずれと言わざるをえない。だって、三澤家の女性に手を出すと、即バッドエンドを迎える展開が多いんだもん。個人的には、強引に奥さんを押し倒しても物語が続行し、その代わり自分の恋人が裏で当主松太郎に犯されている……、みたいな凌辱攻撃の応酬がラストまで続くような展開であってほしかった。確かにラスト直前にはサブタイに相応しい寝取られシーンがあるけど、物語が「寝取られ」を軸に展開したとは言い難い。

©エルフ

寝取られゲーとしては高い評価はできないけど、普通のAVGとして評価すれば拙者としては☆4個のオススメ度！　ネタバレになるから詳しくは書かないけど、物語のラストで黒幕が明らかになり、「あぁ〜、やたらとバッドエンドになるのは、こういうワケだったのね」と納得できるし、2巡目プレイを黒幕視点でプレイすると、「くそ〜、あのこときこんなドス黒いこと考えてたのかよ！」って、色んな意味での衝撃を味わえたッス。久々に伏線とオチがうまく噛み合った、おもしろいストーリーを堪能できやした。このゲームは寝取り要素をタイトルで変にアピールせず、『三澤家の人々』のような館モノっぽいタイトルを名付けた方がよかった気がする。そうすれば、寝取られメインと勘違いした、拙者みたいな慌てん坊も助かると思うし。

ちょっと評価が分かれるのは、三澤家の邸宅を3Dで描き、プレイヤー自身が歩き回るシステムを採用したことかな。隠し部屋なり、何らかの秘密がたくさん仕掛けられてるならこのシステムは生きてくると思うが、想像してたより謎解き要素が少なかったので、いたずらに面倒さが増しただけって気がする。普通に2Dマップをクリックし、瞬間移動するシステムでよかったのではないだろうか？　移動するたびにトイレや開かずの扉をチェックしに行くので、物語のテンポが悪くなり少しイライラさせられたでござる。というワケで、タイトルで謳ってるほど寝取られＨがないこと、3D画面の移動が面倒であることが自分にとってはマイナスだったが、全体としては秀作といえる出来映えだと思う。伏線を活かした緻密なストーリー構成と、クオリティの高いCG、アニメーションの演出も秀逸だ。バックから貫かれた律子さんのお尻が、グッグッと圧され艶めかしく動く描写は激エロ！　また、香織さんのフェロモン漂うムチムチの肉体は、まさにタイトルの「媚肉」に相応しいお色気度。寝取り・寝取られ要素が弱くても、十分エロさを満喫できるAVGだ。悪女に翻弄されたい人に是非！

（by イ・ヤン提督）