Dies irae Also sprach Zarathustra

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世界に対する脅威と遭遇した主人公の過酷な運命

世界を相手に戦い壊滅した第三帝国。その末期に尋常ならざる力を持った超人たち―――聖槍十三騎士団―――が暗躍していた。数多の生贄を捧げられた超人たちの首領はその後どこかへと姿をくらました。そして現代の日本・諏訪原市に彼らの尖兵がやってくる。首を切り落とす凄惨な連続殺人事件が発生し、平和だった諏訪原市に大いなる惨劇が起ころうとしていた。そのような状況の中で主人公の藤井蓮は超人であるヴィルヘルムとルサルカと対峙することになる。そして圧倒的な力の差を見せつけられた蓮は、自分が人間とは別の何かに変わっていくことに気付かされたのだった。彼らになぜか見逃してもらえ、かろうじて生き延びることができた蓮。だがそれは先延ばしになっただけで、蓮は狂気に満ちた戦いに身を投じる運命にあるのだった……。

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まず最初にはっきりといっておきたいのは、これはエロゲーではなく燃えゲーだということだ。そう、「萌え」ではなく「燃え」である。某少年漫画誌でお約束の主人公が倒したらさらに強い敵が出てくるという展開ともやや異なり、最初から絶望的に力が隔絶している敵を相手にするというのがますます燃えてステキすぎるストーリーだ。

本作は第三帝国の残した恐るべき遺産である聖槍十三騎士団を相手に抵抗を続けていく主人公たちの闘いの日々が描かれているわけだが、主人公の蓮は中盤ぐらいまでは完全に見下されていて、敵に塩を送られてしまっている。とうてい敵わないと自覚させられるような絶望の淵であがき、ギリギリ踏ん張るような闘いの数々がプレイヤーをより燃えさせてくれることだろう。

作品の設定上、猟奇的・バイオレンス的なシーンが多く、なかなかＨシーンが登場しない。最初のＨシーンまでに6時間以上が経過していた気がするもんね。お手軽とは絶対にいえないことは間違いなしだ。よって、おかず的なエロを求める人には向かない作品だろう（そのような人は最初から購入候補に入れていないはずだが）。ちなみにストーリーは全13章となっている。ヒロインのルートによって途中からシナリオが完全に分岐しているため、重厚なストーリーをたっぷり楽しむことが出来るはずだ。ただ、プレイ時間がかなり必要となるので、プレイするならばまとまった時間が取れる時にプレイすることをお薦めしたい。

ストーリー展開のほうは数々の伏線が張られていて「やはりそういうことだったのか」とかいう展開が多いのも特徴かも。ちょっとばかりプレイヤーが先の展開を読みやすくなっている気がした。ただ、逆にシーンによってはわかりにくいままに急展開となったりしている部分もある。まあ、核心に触れそうな部分を意図的に隠しているからなんだけど。テキストのほうはシナリオライターが7人いるためか多少バラツキがあるように感じるかも。

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個人的には一刻一秒を争うような危機に対して、主人公のあまりな小者ぶり・優柔不断ぶりが多少気になった。己のくだらない見栄や意地を優先したり、相手のほうが強く殺る気アリアリなのに迷いまくって無駄に不利になりすぎるとかね。漫画なら悪くないんだろうけど、主人公に感情移入するゲームでこういう展開は醒めてしまう人も出て来るだろう。燃え燃えでオラオラオラーと全力でのぶつかり合いでの闘いを求めている人には特に逆効果だと思う。そこまでハンデを背負っても逆転できるほど実力差があったのかよ……と少々シラケてしまうというか。まあ、このへんはトータルからすれば些細なことかもしれない。

ゲームシステムのほうは大きな不満を感じるようなことはないはずだ。普通に快適なプレイができると思う。細かい部分では多少不満を感じるかもしれないが、致命的というものでもなく、快適なプレイという面ではほとんど問題にならないことだろう。ただ、CGモード枠は117でシーン回想は9種類となる。CGはともかくとして、この回想シーン数は厳しいと感じる人が結構いそうかな。燃えゲーと割り切って買っていれば気にならないんだろうけど。

作品のトータルとしては、燃えゲーが好きならば買いだと思う。そうでないならばお薦めは☆2ぐらいだと考えてほしいかな。人智を越えた危ないヤツらと闘いまくりというのに惹かれる人にはぜひプレイしてもらいたい作品だ。アツい戦いを期待するならばぜひ。ただ、興味を持ってかなり前から予約をしていた人には厳しい出来だといえる。攻略対象キャラが当初予定されていた4人から2人に減っているし、販売店によってはサンプル画像として掲載していたCGが製品に使われていないなどという事態を招いてしまった。サンプルのCGに惹かれて購入した人から苦情が来るであろうことを考えると、販売店に迷惑をかけてしまったわけで。メーカーとしては非常に大変な状態になっているかもしれない。

   使い方

攻略

本作でエンディングがあるのはマリィと香純だけのようだ。どの選択肢でどんなフラグが立つのかわかりにくい作りになっている。プレイ時間が長いゲームでこの作りは意地悪だなぁ〜。

（by 天城螢）