お嬢様をいいなりにするゲーム
ALICESOFT | Windows98/Me/2000/XP/Vista | 800x600 |
2800円(税別) | 1Play4時間 | 属性:カードゲーム、ヌキゲー |
難易度:5 | 2007/10/5発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
ワガママお嬢様をいいなりに!
3年前に両親を事故で亡くした主人公は、妹の千果の生活を守るためにお嬢様、エミリの「道具」になった。携帯を持たされ、授業中だろうと容赦なく呼び出される。そんな生活の中で、主人公の心は限界まで来ていた。そんなある日、突然、千果が帰ってきて、主人公に不思議なゲームをやらせる。そして、主人公はひょんなことからエミリの弱みを握ることになり……。
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ゲームはカードゲームで欲望ポイントを貯め、そのポイントを消費してエミリや教師の鷲塚理恵子、後輩の来島梢にHな命令をしていくというもの。カードゲームはごくシンプルで、1〜4までのカードを使って、次にめくるカードの数が場に出ているカードよりも大きいか小さいかを当てるだけというものだ。運に頼る要素が大きくて、戦略性などはほぼナシ。セーブ&ロードをすれば100%勝てるわけだけど、このゲームでは連続で勝つとコンボボーナスが入るようになっていて、データをロードした場合はこのコンボボーナスがなくなってしまうという仕様。つまり事実上、セーブ&ロードは不可ということ。ただ、カードゲームで得られるポイントと、命令をするために必要なポイントのバランスがよく考えられていて、普通にプレイしている限り、セーブ&ロードを繰り返す必要はないようになっている。この辺りのゲームバランスは、低価格ソフトといえどもさすがアリスソフトという感じだ。カードゲーム部分はあまりにシンプルなので、これ自体が面白いかというと微妙なんだけど、カードゲームがなくなってしまうと、ゲームのメリハリもなくなってしまうから、ちょうど良いアクセントという感じかな。
命令パートではカードゲームで稼いだ欲望ポイントの他に、支配、肉欲、被虐というパラメータがあり、誰に命令するか、どのコマンドを実行するかでこれらのパラメータが変化するシステム。ちょっとした育成SLGになっているわけだけど、それほど複雑なものではないので、サクサクとゲームを進めることができる。1回目のプレイで選択できるコマンドはエロいものがほとんどで、気軽にHシーンを見ることができるのは◎。Hシーン自体はノーマルなHからライトSMっぽいものまでバリエーションは豊富。ツンデレお嬢様のエミリ、お人好しで頼まれると嫌といえない理恵子、マゾな後輩の梢と個性もきちんと出ていてなかなか良い感じ。ゲーム全編がほぼエロで構成されているといっても良いくらいなので、ヌキゲーとしては実用性が高いといっていいんじゃないかな。なお、CGは差分抜きで40枚、イベント数は56となっているので、低価格ソフトとしてはボリュームがあるといえると思う。CGの使い回しが目立ったのが残念だったけど、イベント数と価格を考えればこれは仕方のないところかな。
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このゲームで一番残念なのはストーリーが弱いこと。アリスソフトの低価格ソフトというと、『よくばりサボテン』とか『だぶる先生らいふっ』とかがあるわけだけど、それらの作品は短いながらもきちんとしたストーリーがあって、キャラに萌えることができた。だけどこの『お嬢様をいいなりにするゲーム』ではストーリーらしいストーリーはない。『だぶる先生らいふっ』などととはゲームシステムが違うわけだから、単純に比較はできないというのは分かるけど、もうちょっとシナリオに力を入れて欲しかったなぁ、というのが正直なところ。例えば主人公はエミリに道具のように扱われて精神的に限界になっていたという設定があるわけだけど、エミリが主人公を理不尽に扱う部分の描写がないから、単に主人公が鬼畜なだけに見えてしまう。さらにいえば、妹の千果が実在の人間なのかすら不明のまま。プレイしながら、千果は既に死んでいて、主人公の妄想の中に存在するだけなのでは……なんて怖い想像をしちゃったし。それから、エンディングがエミリエンドとハーレムエンドしかないのも不満。できればキャラ別にエンディングを用意してほしかったね。
この『お嬢様をいいなりにするゲーム』を本当に楽しむためには、最低でも2回以上プレイする必要があると思う。先に「1回目のプレイで選択できるコマンドはエロいものがほとんどで〜」と書いたけど、これは2回目以降のプレイで新しいコマンドが追加されるから。この追加コマンドは悪くいえば馬鹿馬鹿しいものばかり。ジャムパンを買ってきてジャムだけをチューチュー吸わせるとか、口を左右に引っ張って「学級文庫」といわせるかとね。くださらないといえばくだらないものばかりだし、CGもほとんどないんだけど、思わず笑ってしまうことが多くて、思った以上に楽しめた。エミリが「ムキーっ!」となりながらも命令を実行したりするところなんかは結構萌えたし。個人的には「鷲塚先生をわしづかみっ!」と叫びながら理恵子のお尻を鷲づかみするイベントがツボ。この追加コマンドの存在のおかげでオススメ度☆1つプラスしてもいいくらいに感じてしまった。
不満点も書いたけど、トータルで見た場合コストパフォーマンスは上々だと思う。ゲームバランスも気軽にプレイするのにお手頃な感じだしね。『ランス』シリーズなどのようなボリュームを期待しなければ、十分に満足できる内容じゃないだろうか。というわけでオススメ度は☆4つ。気軽にプレイできるヌキゲーを遊びたいという人にオススメしたい。
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(by Suno)