王賊
ソフトハウスキャラ | Windows2000/XP/Vista | 800x600 |
8800円(税別) | 1Play30時間 | 属性:戦術SLG、ファンタジー |
難易度:8 | 2007/6/29発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
弱小国を率いて軍事大国を撃破
天才的傭兵として名を馳せた主人公は、ノンビリ休んでいるところを急襲され捕らえられてしまう。主人公を捕らえたのはエルト王国総大将のアルイエットと内務大臣のムストだった。エルト王国は軍事大国であるヴィスト王国に圧迫され今や滅亡寸前。そこで、主人公に力を貸してほしいというのだ。主人公は滅亡寸前の弱小国を率いて、大国ヴィスト王国に勝利することができるのか?
©2007 ソフトハウスキャラ
ゲームはヘックス式の戦術SLG。プレイヤーが自由にミッションを選び、ゲームを進めていくことになる。ミッションはゲームを進めるために必須のものと、クリアしなくてもかまわないサブミッションの2種類。必須のミッションの数はそれほど多くないので、ただゲームをクリアするだけならそれほど時間はかからないかな。スペック欄のクリア時間30時間というのは全てのミッションをクリアしたときの時間だ。クリアには関係ないサブミッションといっても、クリアすることでHイベントを見ることができたり、新しいキャラが仲間になったりするので、クリアする価値は大。各ミッションは難易度の差が結構大きくて、簡単なものは簡単だけど、難しいものはかなり難しい。特にゲーム序盤に高難易度のミッションが多いように感じられる。ゲーム序盤は味方ユニットが成長していないということもあるんだろうけど、この序盤戦を乗り切れるかがゲームを楽しめるかどうかの境界線になりそうな気がするね。トータルで見れば、難易度高めではあるけどバランスがとれている感じ。戦術SLGが好きならかなりハマれるんじゃないだろうか。また、プレイヤーが使えるユニットや、ユニットが覚えるスキルもかなりの数が用意されているので、プレイの自由度も高い。
とても良くできたSLGではあるんだけど、残念だった点もいくつか。まず、戦闘開始時点のユニットの配置が選べないこと。運が悪いと戦闘スタート時点で敵に取り囲まれていて、為す術もなく敵にタコ殴りに……なんていうことが起こってしまう。できればユニットの初期配置はプレイヤーに選ばせてほしかった。次にソフトハウスキャラのゲームは繰り返し遊ぶ周回プレイが最大の魅力だと思うんだけど、今作はこの部分がちょっと弱かった。汎用ユニットのステータスは次回のプレイに引き継げるんだけど、主人公を始めとした主要キャラのステータスはリセットされてしまう。これだとキャラを育てる楽しみがスポイルされてしまう気がするんだけどなぁ。更にストーリーが1本道であることも、周回プレイの楽しみを損なっている。2周目、3周目のプレイではもっと特典をつけるか、ストーリーに幅を持たせてほしかったかな。
©2007 ソフトハウスキャラ
物語の方は剣と魔法の世界という、ファンタジーの王道を行くもの。主人公は女好きというよりレイプ好きで、捕まえた女は相手が気を失うまでヤり倒すという人間。やっていることはかなり鬼畜なんだけど、ヤられたヒロインはあっさりと主人公になびいてしまうので、あまり鬼畜な感じはしない。むしろ、ほのぼのレイプゲーという感じだ。エンディングも同様で、主人公の生い立ちなどはかなりヘビーなんだけど、ラストはみんな仲良し大団円。悪人が1人も出てこないという予定調和の世界というのは好みは別れそうだけど、個人的にはソフトハウスキャラっぽくて結構好きだね。あと、名もないザコキャラたちが繰り広げるショートコントっぽい会話も楽しくて、もしかしたらメインキャラより好きだったりするかも。Hシーンに関しては、登場キャラが多いこと、1キャラに複数回イベントが用意されていることもあって、数自体はかなり多い。ただ、1つ1つのイベントの尺が短くて、実用性という部分では少々疑問が残る。まあ、戦術SLGという性格上、サクサクとエロが見られるというタイプのゲームではないし、それを期待するプレイヤーも少ないだろうから問題はないかな。
自由度が高くゲームのボリュームも十分なので、戦術SLG好きには文句なくオススメ。ゲームシステムは比較的癖が少ないので、初めて戦術SLGに挑戦するという人でも取っつきやすいはず。1つのゲームをじっくり楽しみたいという人なら、プレイして後悔することはないだろう。というわけでオススメ度は☆4つ。ソフトハウスキャラのファンはもちろんのこと、やり込み派のプレイヤーは是非。
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攻略のヒント
攻略ではないけれど、どうしても敵に勝てないという人のために序盤戦のアドバイスを。まず軍団編成は1軍団につき1つは輸送隊を入れる。このゲームでは少ないターン数でクリアする方がたくさんの経験値を稼ぐことができるので、ダメージを受けないように慎重に攻めるということが難しい。無理をしてでも突撃しなければならないことが多いので、回復手段は必ず用意しておかなければならないからだ。輸送隊は成長すればHPの多さを活かして壁役にも使えるし、大治療を覚えれば使い勝手が非常に良くなる。輸送隊は使い捨てにせずに、大切に育てたい。
また、このゲームでは敵と味方の強さに差があまりないので、数的優位を作ることが重要。地形の関係で多くの軍団が入れない砦などは、連行コマンドを使って味方を配置した平野などで戦うといい。最初のミッションではキューベルを連行して、集中攻撃をすれば1ターンでクリアが可能だ。軍団のリーダーがレベルDになったら、リーダー用スキルを習得すればより有利に戦える。
ある程度ゲームを進め、大魔法使いが使用可能になったら、大魔法使い+輸送隊を中心に軍団を編成。敵味方入り乱れての乱戦になりやすいこのゲームでは、魔法による範囲攻撃は非常に有効。特に大魔法使いの高速詠唱と火炎系魔法は必ず覚えておきたいスキル。魔法使いは移動力と耐久力のなさが弱点なので、それを補うために軍団のリーダーには魔法将軍、疾風の陣などを覚えさせておくといいだろう。大魔法使いと似た特性のユニットに鬼人があるけど、鬼人は高速詠唱がないことに加えて、雷撃系の使い勝手が良くないのでイマイチかな。
(by Suno)