Alea−アレア−紅き月を遙かに望み
CALIGULA | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play3時間 | 属性:学園、サスペンス、調教 |
難易度:9 | 2007/1/26発売 | オススメ:☆☆☆ |
名門女学園に男子生徒一人だけが編入することに!
百年近い伝統を誇る私立アレア学園は、名家・資産家のお嬢様たちが通う超名門校。しかし、時代錯誤的な教育方針が仇となり、生徒数が激減し経営難に陥ってしまう。理事会は学園経営を立て直すため、共学化の検討を始めるのだが…。生徒たちは保守派と革新派に割れいがみ合い、殺伐な雰囲気が学園に漂い始める。思い悩んだ学園理事は、数週間後に開催される共学化の是非を問う学園投票にすべてを委ねようと決意するのだった。はたして、生徒が選んだ学園の未来とは?
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このゲームは、学園の共学化を巡る学園闘争をテーマにしたAVG。プレイヤーが担当する主人公は、近所の学園に通う男子生徒。共学化のテストケースとして選ばれ、女の園アレア学園に編入させられることになる。まさに女の中に男が一人状態で、孤立無援な学園生活を余儀なくされることに…。という感じに物語を説明すると、ラブコメ学園AVGって印象を受けるが、じつはこのゲームにはもう一つの顔がある。主人公がテストケースに選ばれた背景には、彼の出生の秘密が大きく関与しており、自身の生い立ちが判明すると、いわゆる「狂気」の色味が濃くなるサスペンス仕立ての学園AVGになるのだ。自身の秘密を知らないままだと、生徒と恋に落ちてラブラブエンド。秘密を知り力を手に入れると、冷酷な権力者としてヒロインを調教・支配していくことになるのだ。
この表裏まったく異なる展開は、正直ビックリさせられたッス。「ええっ! あの温厚なナイスガイな主人公が、こんなドSなご主人様キャラに変貌するのかよっ!」みたいな衝撃があり、個人的にはこのメリハリ感は大好き。表ルートの主人公は、お色気ムンムンの女性理事に翻弄される感じなのに、裏の主人公は真逆。調教中に「おばさんなのに良く締まるなぁ…超気持ちイイ」みたいに、相手を傷つけながら責める鬼畜キャラに変貌。物語序盤とのギャップがゲームの見どころのひとつだ。メインヒロインの鬼畜エンドも、表のラブラブな結末とはひと味違う。身も心も主人公に捧げ、奉仕することに喜びを感じる牝奴隷のように描かれてるのだ。ラブコメだけの展開を求めてる人にはイメージを壊しちゃう構成かもしれないけど、スパイスの効いた物語が好きな拙者は、むしろ鬼畜Hは大歓迎だ。ただ、鬼畜シナリオはバッドエンド的に描かれてる感じで、Hしてすぐ物語が終わってしまうのは少し残念。もう少しダーク主人公の視点のイベントを増やして欲しかったッス。
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ストーリー展開やHシーンの出来栄えは個人的には満足できるのだが、ちょっと残念に思うのがゲームの難易度。結構繰り返しプレイを試みたが、9割程度埋めるので精一杯。ゲーム期間は約2週間、1キャラに用意された選択肢は3つ前後。誰がどこに出現するかも一目瞭然。条件的にはサクサク埋まりそうな構成なんだけど、なかなかどうして強敵でござった。明確な分岐条件が見えにくいので、突破口が見いだせずにハマってしまったプレイヤーも多いのではないだろうか? もう少しヒント機能を充実させるか、物語の随所に次ぎに誰に会うべきか暗示させるメッセージを増やすなど、クリアの手がかりを増やしてもいいと思う。重要イベントが発生する場合は、移動画面のキャラに「!」マークを入れるなどの、ナビ機能が欲しいところだ。せっかくストーリー・CGを丁寧に描いてるのに、難しくて見られないというのはもったいない…。というワケで、作品内容自体はオススメ度★4個級だが、難しくて挫折率が高いのを考慮に入れ★3個評価にさせてもらいやす。
(by イ・ヤン提督)