萌・エ・ロ鬼ィちゃん

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鬼と4人のヒロインのコミカルストーリー

©Le.Chocolat

人里離れた山奥の祠でひっそりと暮らしている鬼。そんな鬼の所に押しかけてきた4人の女のコたち。4人は鬼が嫌がるのも構わず、祠に住み着いてしまう……。

正直に白状すれば、それほど期待せずにプレイを始めたんだけど、期待以上の内容で大満足。まず、主人公である鬼の、ヒッキーでオタクという設定がいいね。そして、登場するヒロインもまともなキャラが1人もいないのもいい。エロエロな電波メイド、隙あらば自殺しようとするフタナリ、ファットで虚弱体質なエクソシスト、ミリタリーオタクな一寸法師というメンバー。こんなメンバーが繰り広げる内容はと言えば、ゲームや漫画のパロディ、時事ネタなどのネタのオンパレード。というか、全編ネタばかりと言ってもいいくらい。とにかくおバカでノリがいい。ネタのジャンルはかなり幅広くて、メジャーな漫画やアニメから始まって、かなりマイナーな歴史ネタまでカバーしている。すべての元ネタがわかった人っているのかね？　メーカーHPに対象者として『勢いでなんでも許せる方向け』とあるんだけど、まさにそんな感じ。ノリのいいバカゲーが好きな人なら、かなり楽しめるんじゃないかな。

©Le.Chocolat

ただし、かなり毒のあるネタも少なくないので、好みは分かれてしまうそうだ。元々パロディっていうのは好みが分かれやすいジャンルだと思うけど、このゲームはギリギリやっちゃいけないところまで踏みこんでいるという感もある。まさか、ナチス・ドイツのホロコーストにまでツッコミを入れるとは……。怖いモノ知らずというか、何というか……。個人的にはこういう毒のある笑いっていうのは好きだけどね。物事を文面通りに受け取ってしまう生真面目な人は不快に感じるかもしれない。好みが分かれるといえば、主線が太い独特のCGも好みが分かれてしまうかも。

笑いだけでなく、エロに関してもボリュームは満点。イベントCGは差分抜きで139枚となっていて、そのすべてがＨシーンというわけではないけど、充分すぎるほどの数でしょう。Ｈシーンの内容は普通のＨシーンもあるけど、それ以上にコスプレやイメージプレイが多め。痴漢とかSMとかもあるけど、すべては「ごっこ」の範囲内。登場ヒロインの中にフタナリや一寸法師もいるわけで、完全にノーマルなプレイばかりとは言えないけど、基本的に明るくコミカルな雰囲気のものばかりだね。3Pとか4Pとかの多人数プレイが多いのも特徴かな。Ｈシーンで残念だったのは、イベントの尺が短いものが結構あること。シチュエーションは面白いのに、尺が短くて中途半端で終わってしまうものがあったはマイナス。1つ1つのイベントをもっとしっかりと描いてくれたら完璧だったんだけどなぁ。

期待以上に楽しめた本作だったんだけど、マイナスポイントもあった。まず、システムが古臭い感じがする。クイックセーブはないし、バックログでは音声の再生もできないというシステム。また、初期状態では結構不具合があったのもいただけない（Ver1.03で修正済み）。どんなに面白いゲームであっても、不具合があると萎えてしまう。それから、Ｈシーンの数が多いのは嬉しいんだけど、そのＨシーンの回収がかなり面倒。別にゲームが難しい訳じゃないんだけど、Ｈシーンを回収するために何度もゲームをプレイし直し、同じイベントを何度も見なくてはならない。たとえ面白いネタであっても、何度も同じものを見せられるのはちょっとね……。イベントCGも荒いというか、線がガタガタになっているものが少なくない。原画は悪くないだけに、もったいなかったね。そして、最大の不満点は依乃里以外のエンディングがほとんど同じ展開で、投げやりとしか思えない点。せっかくいいキャラを4人も用意したのだから、各キャラごとのエンディングもしっかりと作って欲しかった。

メーカーHPに「本作には美少女ゲームとしてどうかと思う表現が頻出します。何があっても笑って許すか、もしくは見なかった事にしてスルーして下さい」というコメントがあるけど、スルーできる人には文句なしにオススメ。逆にスルーできない人は手を出さない方が無難。かなりプレイヤーを選ぶゲームではあるけど、こんなゲームがあってもいいよねということで、オススメ度は☆4つ。毒のある笑いが好きな人は是非。ところで、鬼ィちゃんが作っていたフィギュアって、『VIPER』のカレラ？

   使い方

攻略

エンディング分岐に関わる選択肢は、ゲーム終盤の依乃里の質問にどう答えるかというものと、「うーんどうだろう」と答えた場合のキャラ選択のみ。それ以外の選択肢は全てダミーで、エンディングには影響しない。ただ、キャラ同士の掛け合いが楽しいので、できれば全ての選択肢を試してみて欲しい。また、強制スキップをするとCGが登録されなくなってしまうので、演出は最後まで見ること。

（by Suno）