愛姉妹〜どっちにするの!!〜
シルキーズ | Windows98SE/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play5時間 | 属性:コメディ |
難易度:8 | 2006/10/27発売 | オススメ:☆☆ |
フルモデルチェンジしたシリーズ最新作
主人公が昔住んでいた街に帰ってきて半年。毎日のように幼なじみの本多姉妹に迫られて、逃げ回る日々を送っていた。そんな主人公はある日、神の使いと名乗るヘンな生き物に激突。それをきっかけに、主人公は次代の土地神候補に選ばれてしまう。土地神になるためには、期間内に1人の女のコと結ばれなければならないというのだが…。
©シルキーズ
『愛姉妹』シリーズと言えば、姉妹を陵辱するエロ満載というのがウリのシリーズ。それが今作ではフルモデルチェンジ。陵辱的な要素は一切なしの、明るいコメディ作品となった。シリーズのファンとしては、新生『愛姉妹』に期待半分、不安半分という感じでプレイしてみた。まず、CGに関しては『AVキング』で原画を担当したさめだ小判氏。『AVキング』はちょっと重い話だったけど、さめだ小判氏の絵にはこの作品みたいなコミカルな雰囲気の方が合う気がする。塗りもキレイだし、CGのクオリティについては文句なし。物語は一貫したストーリーがあるわけではなくて、一発ネタのパロディを連発しながら進んでいく。元ネタが分かる人はいいけど、元ネタが古いものが多かったりするので、全てのネタを理解できる人は少ないかも。攻略可能キャラは静流、優奈の本多姉妹、同級生の白神香織、化学教師の桜井さやか、隠しキャラなどは特になし。
個人的にはパロディネタというのは嫌いじゃないけど、パロディだけで押し切るためにはゲーム全体のテンションの高さ、勢いが必要になってくると思う。ところが、このゲームは残念ながらそこまでテンションが高くない。そのため、笑っていいのやら悪いのやら…という状況になってしまっている場面が多かった。かといって、プレイヤーを引き込むこだけのストーリーがあるのかというとそれもない。そもそもヒロインがなぜ主人公を好きになったのかという説明がない時点で、ヒロインへの感情移入は難しくなってしまうだろう(一応、静流だけは理由の説明があるけどね)。なんというか、笑いを取りたかったのか、キャラに萌えさせたかったのかコンセプトが中途半端になっているという感じだ。
そして、このゲームの最大の問題点は、ゲーム全体のボリュームの少なさ。1プレイはせいぜい4〜5時間程度。2回目のプレイからは既読メッセージスキップが効くので、さらにプレイ時間は短くなってしまう。もちろんプレイ時間が長ければいいゲームというわけではないけど、さすがにこのプレイ時間できちんとしたストーリーを組み立てるのは難しいだろう。そして、CGやHシーンのボリュームもかなり寂しい内容。CG枚数は差分抜きで68枚、Hイベントは1キャラにつき2回。しかもそのうち1つは夢オチ。『愛姉妹』シリーズであるにもかかわらず、姉妹の3Pイベントも無し。ミドルプライスのゲームならともかく、フルプライスのゲームでこの内容ではちょっと納得がいかないという人が多いんじゃないだろうか? 過去の『愛姉妹』シリーズはHシーンの濃厚さというのがウリの1つだったわけだし、このゲームにしてもヒロインは全員主人公が好きという設定があるわけだからHシーンを増やすのは難しくなかったはずなんだけどなぁ…。
プレイを終えての感想は、このゲームに『愛姉妹』のタイトルを付ける必要はなかったんじゃないの? というところ。むしろシリーズの看板を汚してしまったんじゃないのかという気さえする。かつての野心的な作品をリリースし続けていたシルキーズはどこへ行ってしまったのか…。かつての栄光を取り戻して欲しいという願いも込めて、オススメ度は厳しめの☆2つ。さめだ小判氏のファンならどうぞというところか。
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(by Suno)