峰深き瀬にたゆたう唄
エウシュリー | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8600円+税 | 1Play60時間 | 属性:やり込み型RPG |
難易度:9 | 2006/8/25発売 | オススメ:☆☆☆☆☆ |
最深部にあるという宝を求めて迷宮に挑む
エテの街で生まれ育った主人公、フィーノは街の地下に広がる迷宮「歪みの主根」の最深部にあるという宝を探すことを夢見る少年。そんなフィーノがついに、迷宮の番人である異界守となった。訪れるたびに形の変わる不思議な迷宮で、フィーノは仲間たちと共に冒険を繰り広げていく。
大艦巨砲主義を掲げ、RPGの大作をリリースしてきたエウシュリー。そのエウシュリー作品の中で、おそらく過去最大のボリュームを誇るのがこのゲーム。上記のスペックでプレイ時間60時間と書いたけど、これは初回プレイでエンディングに影響しないサブクエストなどを無視して、ひたすらエンディングをめざした場合の時間。サブクエストまで丁寧にプレイしていけば70時間程度はかかるんじゃないかな。後述するアイテム合成などにハマった場合はどれだけ時間がかかるかわからない。ただ、プレイするのが苦痛にならない工夫がされているので、RPG初心者でも十分に楽しむことができるハズ。ゲームの難易度はVeryEasyからExpertまでの6段階で設定可能になっていて、VeryEasyでプレイすればよほどのことがない限り戦闘で負けることはない。逆にエキスパートでマゾプレイを楽しむのもアリだ。また、2周目のプレイではアイテムやスキル、レベルなどを全て引き継げるのでサクサクとプレイ可能。単純に難易度を上げるのではなく、こうしたユーザーフレンドリーなシステムは嬉しいところだね。
©エウシュリー
ゲームはダンジョンを探索し、地上にある街でイベントを進めていくというタイプのRPG。ダンジョンはランダム生成のマップと固定マップの2種類があり、ダンジョン内で発生するイベントの多くは固定マップで起こるようになっている。なので、運が悪くてイベントが発生しない…という自体はほとんどないので、丁寧にマップを探索していけば、シナリオを進めることができる。意地悪な謎解きなんかもないしね。地上の街ではマップ移動式のAVGに近いシステム。イベントの発生する場所にはアイコンが表示されるので、イベントの見逃しも発生しにくい。地上では時間制限もないので、ゆっくりじっくりとプレイすることができる。
そして、このゲームの1番のポイントはアイテム合成だろう。これはダンジョンで見つけたりショップで購入したアイテムを合成して、新しいアイテムを作り出すことができるというモノ。エウシュリーのゲームではおなじみのシステムだけど、このシステムを駆使すればゲーム序盤の段階で最強の剣や鎧を作り出すことも可能になるわけだ。これだけならゲームバランスを破壊するシステムになってしまうところだけど、このゲームのアイテムには耐久度が設定されていて、使うたびにこの耐久度が減ってしまい、耐久度がゼロになると壊れてしまう。工房に持っていけば修理は可能だけど、強力な武器や鎧ほど修理代が高い。ゲーム序盤では修理代が高すぎて強力な武器や鎧は維持できないというわけ。また、アイテムには熟練度というパラメータもあり、使うほどに熟練度が上がりアイテムのパラメータが上がっていくようになっている。このシステムのおかげで敢えて弱い武器を使い続けるという選択肢も出てくるわけで、プレイヤーの工夫が必要になってくる。
RPGやSLGではゲーム終盤になると戦闘などが作業的になってくることが少なくないし、それはこの『峰深き瀬にたゆたう唄』も例外ではない。特にステータス引き継ぎ機能のおかげで2周目以降にVeryEasyでプレイしたりするとほとんどの敵を一撃で倒すことができてしまうので、この傾向が強くなってくる。だけど、このゲームではアイテム合成やアイテムコンプリートなどの中毒性が高くて、作業そのものが楽しい。プレイ時間がかなり長いこともあって、お手軽にプレイしてHシーンを見たというプレイヤーにとっては核地雷にもなりかねないゲームではあるけれど、やり込み系ゲームが好きな人、ゲーム性の高いRPGが好きな人にとっては名作の1つにもなり得るゲームだろう。差分抜きのCG枚数194枚、Hイベント数58と、エロゲーとしてのボリュームにも抜かりはナシ。エウシュリーファンはもちろんだけど、1つのゲームをじっくりとプレイしたいという人にはオススメ。
ところで、このゲームの舞台になっているエテの街の倫理観はどうなっているんだろう? 温泉では当たり前のように混浴だし、嫁入りする娘に裸エプロンを教えるし、主人公は街の女たちに喰われまくりだし…。もちろん、エロが増えるのは大歓迎なんだけど、なんとなく気になってしまったもので…。
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(by Suno)