ルナそら
light | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play5時間 | 属性:純愛、新妻、ラブコメ |
難易度:6 | 2006/8/4発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
2体の新妻ロボットと一週間の新婚生活
父は天才的ロボット工学者ながらも、本人は比較的普通でぐうたらな学生である主人公の慎太郎。夏休みも残りわずかなある日、ほったらかしてた宿題を幼馴染みの結羽に手伝ってもらっていると突然2人の来訪者が。父の使いで現れたその2人は、2体のロボットを慎太郎に届けに来たのだ。父への反発もあってロボット嫌いな慎太郎は当然断るが、受け取らなければ即廃棄処分にされるという。さらにその2体のロボットは恐ろしく精巧に作られていて、知らなければロボットだとは気付かないほど。それだけに自分の決断でこの2体が処分されるということに罪悪感を感じ、渋々了承することにした。控えめで完璧に家事をこなすルナ、無邪気で好奇心旺盛な幼い外見のそら。この2体はいずれ商品化される新妻ロボットとしてテストされて、実際にその機能を果たせるかどうかを慎太郎の元で実験したいのだという。その期間は一週間で、さらに彼女たちの口からはとんでもない事実を聞かされる。慎太郎がエッチをして射精をする度に愛情メーターなるものが上がっていき、期間内でこのメーターが高い方を正式運用する予定だとのこと。つまり、メーターが低いとそのまま廃棄処分となるようなのだ。どっちにしても、いずれは廃棄される運命にある彼女たち。そこに理不尽さを感じつつも、ちょっと変わった新妻たちとの奇妙な新婚生活が始まることになる。
© light
ゲームの流れ的にはどっちを選ぶのかというよりも、日々の生活を何となく送っていく感じかもしれない。ただ、序盤はコメディ調で進む展開ではあるが、当然ながら別れというものが決定されているために後半どんどん切ない展開にはなっていく。メインとなるヒロインもルナとそらだけではなく、幼馴染みの結羽とロボット工学者のサラがいる。結末に関してもおおよそ予想できるように、それぞれの新妻とハッピーに終わるかよろしくなく終わるか、あるいはみんなまとめて……といった感じで結構パターンは豊富。新妻ロボットってことで、ルナとそらはそれぞれマニア心を刺激するような人格設定。主人に気に入ってもらえなかったら意味無いしね。ルナはプロトタイプであるため、この手のロボットとしてはほぼ完璧に求められる機能を持っている。容姿は大人の女性で性格は控え目で従順だし、主人公を「ご主人様」と呼ぶあたり、どちらかというとメイドっぽい感じかも。一方のそらは幼い外見の通り無邪気で活発(しかもノーパン)、さらに家事全般は何もできない。これはルナの応用型ってことで、こういったタイプの需要もあるだろうから、あえて正反対な設定にしてある模様。共通してるのはルナとそらの両方とも、基本プログラムで慎太郎を慕うようにできていること。ただ、当然接し方によっては基本を越えた感情を持つようになる。実は慎太郎の父がテストしたいのはそのあたりのようなのだが……。
物語展開は彼女たちを人間のように扱うのか、あくまでもロボットして接するのかで変わってくる。ルナとそらは両方とも自分がロボットであることを強く自覚してるので、人間扱いするとかなり戸惑うこともあり。選択肢も比較的多めなので最終的には普段の積み重ねが効いてくるが、ポイントを押さえればハッピーな展開を狙うのはさほど難しくはないはず。ただ、別れの時は避けられない事実も判明するだけにかなり切ない。エッチに関してはメインに彼女たちとのラブラブ生活ってのがあるため、毎晩違うパターンが楽しめる。この点で使い回しがないというのは素直に良いところだとは思う。あとシステム的に特筆すべきはゲームプレイ自体でなく、インターネット環境があるとアナザーストーリーをダウンロードして楽しめるというところかも。製品にシナリオ作成ツールが付いているが、これを利用して本編のデータを使ったシナリオを作成できる。作ったらそれを配布したり、他の人や公式で作られたシナリオをダウンロードして楽しめるという要素がある。今作からこういったシステムを導入したとのことで、これから盛り上がっていくかもしれない。ただまぁいかに普及したとはいえ、ゲームユーザーの100%がネット環境を完備してるって訳でもないし、全てのユーザーが均等に楽しめるかどうか微妙ではあるが。パッケージ売りしてる以上はあんまりネットなどに依存して欲しくはないというのは本音。
良質な物語展開でプレイも快適ではあるが、気になったところはまずシナリオの深みの点。基本のお話の筋はとてもいいが、描き方が少々物足りない感じ。別れの時や再会とかの感動的であるはずのシーンが、個人的にかなり淡泊に語られてるように感じた。正直言って心理描写が物足りない。ネタバレ的に具体例を言ってしまうとルナ編の最後とか、あまりにあっさりと思い出してしまったり、また新型の記憶にないはずの約束を覚えていたりとかの点。あの辺はもうちょっと引っ張って、グっと来る描写が欲しかったなぁと思った。まぁ、感動しやすい体質なのでそれでも結構グっとはきたけど。ただ、淡泊っぽく感じたのは他の部分でもあったので、描写の物足りなさはどうしても感じた。全体的に良質なだけにここは気になる点だったかな。あと、もう一つちょっとだけ気になったのは、たまにイベントCGのキャラの顔がメッセージウィンドウに隠れてしまったこと。そう多くないとはいえ数カ所あるだけに、気になった点ではある。いくらウィンドウ消せるといっても読みながら絵を見る訳なので、レイアウト的に難しいとは思うけど気を付けて欲しいところ。純粋に読んで見て楽しむってスタイルだと、メッセージ消すって動作が若干雰囲気壊しになりかねない。まぁ、ちょいとそれは粗探し的ではあるが、表情変わったの分からないのは少々問題だとは思うしね。
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(by Norn)