PRINCESS WALTZ
PULLTOP | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play15時間 | 属性:お姫様 |
難易度:2 | 2006/04/28発売 | オススメ:☆☆☆ |
王子様を巡る6人のプリンセスの円舞曲
平凡な毎日を送っていた主人公、深森新の通う学園に金髪の少年が転校してきた。少年の名はクリス・ノースフィールド。七央城の王子だというクリスの指輪をはめてしまった新は、クリスを巡る戦いに巻き込まれていく。王子の后の座を争う戦い、プリンセスワルツ。苛烈な、そして華麗な戦いの行方は!?
PULLTOPといえば、明るくコミカル、ラストはちょっといい話で終わる、そんなストーリーが持ち味のブランド。個人的にも好きなブランドの1つだったりするので、ほぼブランド買い。プレイしてみると、これまでのPULLTOP作品とは雰囲気が全く違うという印象。「萌え」ではなく「燃え」を重視したストーリー展開だ。プリンセスたちが己の存在理由を賭けて戦いに挑むというのがメインで、ストーリーは序盤からシリアスだし、コミカルな雰囲気も減っている。これまでのPULLTOPが好きだった人は戸惑ってしまうかもしれない。
©PULLTOP
これまで積み上げてきたブランドイメージを捨ててまで新しい方向性にチャレンジしたゲームということになるわけだけど、これが成功だったかといえば半分成功で半分失敗というところ。このゲームは1ST CHAPTERと2ND CHAPTERに分かれているんだけど、1ST CHAPTER部分は迫力のある演出、物語の先が気になる伏線などがあってかなりイイ感じ。熱血系少年漫画のノリと言えばいいかな。所々にコミカルなイベントもあったりして、これがシナリオ上のいいアクセントになっている。プレイ前はカワイイ系のCGとシリアス系のストーリーは合わないんじゃないかとも思っていたんだけど、マッチングは意外と良好で違和感もナシ。お姫様たちは戦闘時はドレス姿に変身するんだけど、変身シーンはアニメーションになっていて、このクオリティも高い。
ところが2ND CHAPTERに入ると、物語はシリアス一辺倒、展開は先が読めてしまうしで、プレイしていてちょっとダレてしまった。なによりいただけないのが、ゲームのボリュームのなさ。確かにプレイ時間は1プレイ15時間程度かかり、その点ではボリュームは十分だといえる。だけど、選択肢はゲーム全体で3つ、しかもどれを選んでもエンディングは一緒というのはちょっとねぇ…。ハッキリ言ってしまえば、メインヒロインはクリスで、それ以外のお姫様は単なるサブキャラ。一応、選択によってゲーム途中でルート分岐はあるし、その部分でクリス以外のお姫様とHは可能。だけど、そこで「君だけを愛し続ける」とかなんとか言っておいて、エンディングではそんなセリフはすっかりなかったことになってるし…。これなら中途半端なルート分岐なんてない方がよかったかも。ゲームのボリュームという点ではCG枚数、Hイベント数もかなり不満。CG枚数は差分抜きで67枚、Hイベント数は7つ。低価格ソフトならともかく、フルプライスソフトでこれは寂しい。
ゲームシステムはカードバトルだけど、難易度はかなり低い。バトルシステムは「斬」「突」「薙」という3種類のカードを出して、その強弱を競うというもの。カードにはジャンケンのような三すくみの優劣があり、さらに同じ種類のカードでも強弱がある。数多くのスキルがあったり、プレイヤーのステータスによって細かく補正がかかったりはするけど、プレイ中はほとんど気にする必要はない。カードの種類とその強さだけを見ていれば楽に勝ててしまう。実際、Sunoがプレイしていて負けたことは一度もナシ。試しにわざと負けてみたけど、勝敗に関係なくストーリーが進んでしまったり、リトライになるだけだった。なんというか、カードバトルはゲームのテンポを悪くしているだけという印象。これなら、バトルシーンはテキストと画面効果だけで表現した方がよかったような気もする。
好きなブランドのゲームということもあって、期待が大きすぎたのかもしれないけど、ちょっと期待していたものとは違ったなぁ…というのがゲームを終えての感想。登場するお姫様たちはみんなキャラが立っていて魅力的だし、1ST CHAPTERはかなり面白かっただけにもったいないゲームだなと思ってしまった。1ST CHAPTERのノリで最後までいってくれたら傑作とは言わないまでも、十分良作だったんだけどなぁ…。
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攻略のアドバイス
攻略チャートを作ろうかと思っていたんだけど、ゲームが単純だったのでチャート作りは取りやめ。というわけで、ワンポイントアドバイスを。まず、育成に関してはWEAPON一点集中でOK。スキルは無視してかまわない。AVGパートの選択肢をすべて選び終わったあとの戦闘で、余った経験値を「斬」、「突」、「薙」に均等に振り分けてやれば十分勝つことが出来るはずだ。
ルート分岐に関しては、ゲーム終盤でキャラ選択が3回出てくるので、ここで2回以上選択したキャラのルートに入ることになる。2回以上選択したキャラが1人もいない場合は静ルートだ。ただし、レビューでも書いたように、どのルートを通ってもエンディングは同じ。従って、2回目以降のプレイでは戦闘が始まるまでプレイすればCGモード、回想モード共に100%になる。
(by Suno)