IZUMO2学園狂想曲
Studio e・go! | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800+税 | 1Play7時間 | 属性:学園ラブコメ |
難易度:3 | 2006/4/28発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
IZUMO2の面々が今度は現世で大暴れ!?
アニメ化までされた人気シリーズの新作。舞台はIZUMO2のエンディング後、『ネノクニ』と呼ばれる異世界に主人公・猛と彼の仲間たちが平和をもたらしてから数日後という時間軸で幕を開ける。無事に現代に戻り、ようやく平穏な生活に戻れると思われた彼らの前に、突如ネノクニから共に戦った仲間であるサクヤが襲来! さらに彼女を追って自称・サクヤの婚約者というニニギが現れ混乱する事態に拍車をかける。事情を聞くとサクヤがしつこいニニギから逃げるためにこちらの世界へとやって来てしまったらしい。その挙句、彼を諦めさせるために猛のことを「この人が私の愛する人よ!」なんて言い出してしまったものだから現場は最悪の事態を迎えてしまう。猛に決闘を申し込み問答無用で襲い掛かるニニギ、応戦を余儀なくされた猛……、しかし事はそれで終わりで済むようなものではなかった。修羅場を迎えている最中、猛の親友であり前回の戦いでは敵側に付きそのままネノクニに残ったはずの剛までもがその場に帰還。2人の戦いの間に入った彼の口から驚くべき事実が告げられる。なんでもニニギが現代に来るために使った剣の力により、ネノクニの悪霊たちまで現代へと流れ込んできてしまったらしい。つまりは現代に危機が訪れているということ。それを知った一同は悪霊による被害を抑えるため、また戦いの日々に身を委ねる決意をするのだった。はたして彼らに平穏無事な学園生活は訪れるのだろうか!?
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IZUMOシリーズの新作なのですがシステムをRPGからAVGのみに変更したことでかなり受ける印象が違いましたね。今までの作品がシリアス系の話だったのに対し、今回は学園を舞台にした恋愛ラブコメが中心です。RPGのようなゲーム性の高い作品が好きな自分でとしてはプレイ前には少し不安がありましたが、実際遊んでみるとこれはこれで十分良く出来ていると思いました。前作から引き継がれたキャラクターたちが、それぞれの性格を存分に活かした活躍を見せてくれているからです。特に前回『もう一人の主人公』とされながらも、結局はただの敵役に納まってしまっていた剛が今作ではかなりスポットライトを浴びていた点はかなり評価できると思います。ただのクールキャラにしか見えなかったのが、実は幼い頃は天敵の女の子に手も足も出ないほどコテンパンにやられていたとか、お茶目な部分を垣間見ることができて楽しかったです。新キャラのニニギも堂々とした漢で、作品にとって良い味を与えていると思います。むっ、男キャラのことばかり書いてますが、ヒロインも皆健在(守護精霊含む)で勿論安心して遊べると思いますよ。結論からすると『明るくなったIZUMOも悪くない』ということですね。
今まで本格的RPG、つまりは時間や手間のかかる大作として人によっては手が出しにくかったこのシリーズでしたが、今回は簡単なAVGとして仕上がっていますのでより多くの人に楽しんでもらえるのではないかと思います。学園ラブコメを中心としたことでヒロイン個別の小エピソードも増えていますし、キャラクターが増えたことでHイベント数も増量しています。ゲーム難易度も攻略ヒロイン、イベント数は多いものの仕組みとしてはそれほど難しくないため、まさに万人向けの作品と言えるのではないでしょうか(明るい作品なので鬼畜なことを期待する人はもちろんダメですが)。ラブコメ好きな人にはもってこいではないかと。このメーカーとしては面白い新作(新境地?)だと思うので、食わず嫌いをせずに遊んでほしいと思います。
学園ラブコメとして思った以上によく出来ていたのですが、IZUMO2の続きモノという点が少し気になったのはありますね。自分のように前作を遊んでいる人ならそのまま世界に入り込めるのでしょうが、新規のプレーヤーならそれは難しいかもしれないと感じました。冒頭からしていきなり大量のキャラクター達が登場するわけで、これがIZUMOシリーズに初めて触れるという人には正直きついかもしれませんね。ある意味ファンディスク的な色も強い作品だと思います。これは続きモノを作る際には仕方のない部分ですけどね。まあ、戦略SLGや育成、RPGなど大きな作品が多いイメージがあるStudio e・go!としては本作のような完全AVGというのは珍しい部類だと思うのですが、素直によく楽しめる作品になっていると思ったのでぜひ同様の新作を期待したいと思います。
(by RYO)