Re:(アールイーコロン)
S.M.L | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
パッケージ版:8800円(税別) ダウンロード版:3900円(税込) | 1Play8時間 | 属性:タイムスリップ |
難易度:4 | 2006/2/3発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
気がつくと1週間前にタイムスリップしていた!
あと10日でクリスマスという時期に、アメリカに引っ越すことが決まった森川勇午。突然のことに戸惑う勇午に対し、友人のテツとジョーはお別れパーティーを計画。お別れパーティーは1泊のスキー旅行と決まり、幼なじみの石井美優や後輩の野々宮エミリ、勇午が密かに想いを寄せる同級生、小森夏生も参加することに。このスキー旅行で勇午は美優と夏生とキスをしてしまう。ところがその直後、勇午は遭難。もうダメだと思った瞬間、勇午は1週間前にタイムスリップしている自分に気づく…。
S.M.Lのホームページを見ると、6人のキャラが攻略可能なように見えるけど、実際にヒロインといえるのは石井美優と小森夏生の2人だけ。風間神楽と南野ひかるの2人は一応、エンディングはあるもののオマケ程度。赤羽沙樹と野々宮エミリに至ってはエンディングもなく、単なるエロ担当キャラ。このゲームでは石井美優と小森夏生のHシーンはゲーム終盤に1回あるだけ(これはシナリオ上仕方がない)。そこでゲーム中盤でHシーンを入れるために沙樹やエミリというキャラを入れたんだと思うけど、ホームページを見るとこの2人も攻略可能みたいに見えてしまう。S.M.Lに限ったことではないんだけど、こういうやり方ってどうなんだろう? 沙樹やエミリを目的にゲームを買った人はがっかりしてしまうんじゃないかな? 攻略キャラが少ないなら少ないで、シナリオの完成度を高めていけばいいだけだと思うんだけどねぇ。
©S.M.L
さて、肝心のストーリーは美優ルートと夏生ルートの2つ。どちらに進んでも何度もタイムスリップを繰り返し、未来を変えていく、という展開になる。最初のタイムスリップでは美優と夏生に二股をかけてウハウハだ〜と考えていた主人公がタイムスリップを繰り返すうちに、1人のヒロインへの想いを強めていく様子がしっかり描かれていて好印象。1週間という短い期間の物語だけど、美優は幼なじみ、夏生は以前から憧れていた女のコという設定なので、ストーリー展開が唐突という感じもないしね。まあ、ストーリー的には特別などんでん返しがあるわけではなく、プレイしながら次はこうなるんだろうなぁ…と思っていたとおりに進んでいく、ある意味予定調和的なものなんだけど、お約束をしっかりとふまえた安心してプレイできるものだね。個人的には美優が目的でプレイを始めたんだけど、ノーマークだった夏生が思った以上にかわいく描かれていたので、かなり満足度の高いシナリオでしたな。もちろん、美優のシナリオも期待どおりのものだったしね。それに主人公の性格が好感の持てるものだったというのも大きい。最近のゲームではヘンにヒネた主人公が多かったりするけど、この作品の主人公はHには興味津々、だけど女のコ対しては幻想を持っていたりもする等身大の主人公。これなら無理なく感情移入できるというもの。もちろん、そのためにはヒロインが魅力的であるということが大前提になるわけだけど、その点もこの作品は合格点でしょう。
残念だったのがサブキャラの扱いが軽かったこと。主人公の友人のテツやジョーをはじめとして、勇午の母親や美優の父親などのやたらと存在感のあるキャラが多いのに、それを活かしきっていないという印象。こうしたキャラを物語に絡ませることができれば、ストーリーがもっと広がったと思うんだよね。それと、CGが差分抜きで76枚とちょっと少な目。CGのクオリティ自体は高いので、数がもっとあれば大満足だったんだけどなぁ…。システム的にはごくオーソドックスなコマンド選択型AVGで、特に不満はナシ。マウスカーソルをウインドウの上か下にもっていくとメニューがニョキッと出てくるもので、使い勝手もまずまず。
ヒロインの数が少ないだけに、美優と夏生という2人のヒロインが好きになれるかどうかで大きく評価の変わってしまうゲームだろう。「幼なじみ」や「ツンデレ」というキーワードに反応する人なら十分以上に楽しめる作品だと思う。体験版が配布されているので、これをプレイしてみて、2人のヒロインが好きになれたのなら是非プレイしてもらいたい作品だね。
(by Suno)