こすちゅーむ☆ぷれいやー
Art | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play7時間 | 属性:魔女っ娘、コスプレ |
難易度:5 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆ |
2つの視点で物語を見る恋愛AVG
ネットアイドルをやっている友花は、家を出て一人暮らしを始めた。そこにやって来たのが、大罪人を捕らえるために神界からやって来た神人のユウトだった。大罪人は真性のアキバ系で、ネットアイドルの友花に接触してくる可能性があるということで、友花はユウトに協力することに、一方、涼はフィギアサイズに変身できるという女のコ、みつきと出会った。神人であるみつきは、生き別れになった兄を捜しているという。有名になれば兄に見つけてもらえるかもと考えた2人は、ネットアイドルをめざすことになった。
ゲームは章仕立てで、章ごとに友花と涼が交互に主人公となる、一種のザッピングシステム。自由に視点を切り替えることができるわけではないので、プレイ方法は一般的なコマンド選択型AVGと同じだ。ザッピングのメリットは同じ事件を異なった視点から見ることで、物語を多面的に見せることができることだろう。同じ事件でも視点を変えることで、まったく違ったものに見えるというのがザッピングを採用するメリットだと思う。ところが、このゲームでは友花の視点で見ても、涼の視点で見ても事件の見え方はほとんど同じ。しかも、中盤以降は2人が行動を共にすることが多いため、同じイベントを2回見ることになってしまっている。同じイベントを2回見せられても、ただ冗長なだけで物語が面白くなるわけじゃない。これなら主人公を2人用意して、ザッピングを採用する必要はなかったんじゃないかなぁ。主人公は涼だけに絞った方がテンポ良くゲームを進められた気がする。
©Art
物語は前半が神人の依代となったことで、特殊な力を使えるようになった友花と涼を中心とした魔女っ娘モノ、後半がコスプレモノという構成。魔女っ娘とコスプレというキャッチーな要素を詰め込んだと言えば聞こえは良いけど、正直に言っていろいろな要素を詰め込もうとした結果、どちらも中途半端になってしまったという印象。特にタイトルからコスプレモノを期待した人にとっては期待はずれになってしまうだろうね。『こすちゅーむ☆ぷれいやー』というタイトルを見ればコスプレをしてのエロエロを期待してしまう人が多いと思うけど、コスプレHはエンディング間際にあるだけ。Hシーン以外のコスプレも意外なほど少ない。これでは看板に偽りありと言われても仕方がないだろう。主人公の問題と同じように、魔女っ娘モノかコスプレモノか、どちらか1つに絞ってストーリーを進めた方が楽しめたと思うんだけどね。
さらに困ったことに、エンディングがなんとも中途半端。物語の目的は友花視点では大罪人を捉えることで、涼視点ではみつきの兄を捜すと言うことになるわけだけど、どちらの目的も達成されないままというエンディングが多い。全てをうやむやにしたまま投げ出してしまったという感じなのはいただけない。エンディングを見ても爽快感が無く、モヤモヤしたものが残ってしまうので、「えっ、これで終わりなの?」と思ってしまった。
CGはかなり好みだったしキャラも魅力的、コスプレ要素もアリと、部分部分を見ると秀作、良作になるポテンシャルを持ちながら、それらの要素を活かし切れていないというのがプレイを終わっての感想。もっとシステムやストーリーを煮詰めていけば面白いモノになりそうなんだけどねぇ…。それでも、Hシーンは友花とみつきには複数回用意されているし、内容もそこそこ濃いものが多いので、コスプレに期待しなければそれなりに楽しめるかと。数自体は少ないけど触手Hなんかもあるので、その手のHシーンが好きな人も楽しめるかな。
(by Suno)