ユメミルクスリ
ruf | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play7時間 | 属性:学園もの |
難易度:4 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆☆☆ |
ダウナー系の青春恋愛AVG
何事もそつなくこなし、周囲からは優等生と見られている主人公。だが、主人公はそんな無色透明の自分自身を虚しく感じていた。そんな主人公が出会った3人の女のコたち。クラスでいじめられている女、ドラッグを決めて妖精を名乗る女、責任から逃げまくる生徒会長。優等生としての仮面をかぶっている主人公の本能は、そんなヤバめな女のコたちと関わるべきではないと告げるものの…。
ゲームは風変わりというより、ハッキリとヤバイ女のコと知り合ってしまった主人公がトラブルに巻き込まれていくことで進んでいく。ゲームシステムはコマンド選択のAVGで、ごくオーソドックスなもの。選択肢の数はそれほど多くなく、どれを選べばどのキャラのルートに入ることができるのかが比較的わかりやすいものばかりなので難易度も低めだ。システム面では特に変わったところはないものの、必要と思われるものは一通り装備しているので、問題なく快適にプレイすることができるだろう。あえて文句をつけるとすれば、テキストとメッセージウインドウの色が似ているので、ちょっと読みにくいことくらいかな。まあ、これも重箱の隅をつつくようなあら探しをすれば、ということなので、システム面では文句なく合格点でしょう。
©ruf
さて、システムはオーソドックスなAVG、難易度も低いとなると問題となるのはストーリー。ストーリーの善し悪しで評価がほぼ決まってしまうといっていいだろう。ところが、このゲームに関してはストーリー面での評価がとても難しい。メーカー自らが「ダウナー系」と謳っているとおり、爽快感のない、プレイしていて鬱になってしまうようなストーリーが繰り広げられる。一応、物語の前半は学園コメディ風のストーリーなんだけど、後半のキャラ別のシナリオに入ってからは、ひたすらダークでシリアスな物語。プレイを続けるのが苦痛になってしまうほどの内容で、一言で言ってしまえば「イタい」ストーリーばかりなんだよね。物語の完成度は高いので、この鬱な展開に耐えられるかどうかで評価が大きく変わってしまうはずだ。耐えられなければオススメ度は☆ゼロ。耐えることができて、CGが気に入ればオススメ度☆5つとなるだろう。個人的にはCGが今ひとつ好みじゃなかったので☆4つとしたけどね。念のために言っておくと、物語はかなり暗いものとなっているけど、エンディングはスッキリとした爽やかなものばかり。手放しで大団円とは言えないかもしれないけど。
さらに厳しいのが、このゲームでは純愛系のゲームとしてはかなりHシーンが多くなっていて、描写も濃いめのものが数多く用意されているんだけど、シチューション的にエロいというよりも、儚さや痛々しさを前面に打ち出したものが多くなっていること。これでヌケるかと言われると、ハッキリ言って自分にはムリ。このあたりもかなり好みが分かれそうだ。
と言うわけで、かなりプレイヤーを選ぶ作品という感じ。このゲームの企画は田中ロミオ氏。田中ロミオ氏の作品はどれも多かれ少なかれそういった傾向にあるし、そのことを承知の上でプレイを始めたので、自分的にはOKだったんだけど、一般的にオススメできるかと言われると…。とりあえず、これまで田中ロミオ氏の作品をプレイして面白いと思ったことのある人なら是非プレイするべき。特にあえかルートはかなりハマれるはずだ。逆に田中ロミオ氏の作品を耐えられないと思ったことのある人は回避すべきだろう。今まで田中ロミオ氏の作品をプレイしたことのない人は、体験版をプレイしてみるのがいいかと。まあ、悪役が最後までしっかりと悪役をしていたり、プレイ時間がそれほど長くないこともあって、田中ロミオ作品としては比較的取っつきやすい作品であることは確か。個人的には、こんなゲームもあるんだということで、できるだけ多くの人にプレイしてもらいたい作品ではあるんだけどね。
ところで、綾エンドがないのはなぜ? 義妹という設定なら、当然エンディングを期待しちゃうよね? それともそんな邪なことを考えてしまうのは自分だけ? ファンディスクなりで補完してほしいなぁ。
(by Suno)