夜明け前より瑠璃色な
August | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play7時間 | 属性:お姫様、SF |
難易度:5 | Keyディスク不要 | オススメ:☆☆☆☆ |
月のお姫様がホームステイにやって来た
月に人類が入植し、王国を築いてから長い年月が流れた。その間に、文明を退行させるほどの戦争もあったけれど、現在では月の王国は鎖国状態で、とりあえず月と地球は平和な状態。そんな地球で平凡な学生をやっている主人公。ところが主人公の家に月のお姫様、フィーナ姫がホームステイにやって来ることになったことで状況は一変。賑やかで楽しい日々の先にあるものは…?
これまでのAugust作品の魅力といえば、べっかんこう氏の描くかわいいCGとマッタリとした日常生活の描写で、ストーリー展開に関しては、これはちょっと…と思うことも少なくなかった。ところがこの作品では思わず「はぁ!?」といいたくなるような超展開が無くなって、キレイに物語がまとまっているという印象。物語の途中で張られた伏線もしっかり回収されているので、最後まで安心して楽しめたかな。ただ、Augustの魅力だった日常生活の描写が、今までより弱くなっているのはちょっと寂しい。ストーリーをしっかりと描くために、日常描写が省略されてしまったのかもしれないけどね。これまでのように、日常生活を描いた上でストーリーもしっかりと語られていたらオススメ度☆5ついけたんだけどなぁ…。

©August
システム的にはオーソドックスなコマンド選択型AVG。今までのAugust作品であったような、ストレスを感じる部分は全くなく、足回りとしてのシステムはほぼ完璧といっていい出来映え。ちょっと気になったのが、攻略順が決まっているという点。初回プレイでは選択肢に関係なくフィーナエンド確定。フィーナエンド後にその他のキャラをクリアすると、リースが攻略可能に。すべてのキャラをクリアすると、フィーナトゥルーエンドがプレイ可能になるというシステムになっている。このことからも分かるように、キャラ的にはフィーナとその他大勢という感じになっているのはどうなんだろう? フィーナが好きな人はいいけど、それ以外のキャラが好きだという人はちょっと物足りなく感じてしまうんじゃないかなぁ。もちろん、フィーナ以外のキャラにも、しっかりハッピーエンドが用意されてはいるんだけどね。
その代りというわけではないんだろうけど、フィーナシナリオはなかなかの充実ぶり。特にフィーナがしっかりとお姫様をしているというか、安易に姫としての立場を捨ててしまわないところがポイント。ゲーム中のお姫様というと「一国の姫としての自覚があるのか?」といいたくなるような行動を取るお姫様が多いけど、フィーナは自分の責任をしっかりと自覚したキャラとして描かれていて、主人公もそれを理解しているので、ストーリー展開やエンディングはとても爽やか。Hシーンもイベント数5と、純愛系のゲームとしてはかなり頑張っているといえるんじゃないかな。ちなみにフィーナ以外のキャラのHイベントは3〜4。リースだけは1となっている。
とりあえず、凛々しいお姫様というキャラに惹かれる人はプレイして損なし。これまでAugust作品はシナリオがちょっと…と思っていた人にもぜひプレイしてもらいたい作品だね。
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(by Suno)