処女はお姉さまに恋してる

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男がお嬢様学院に通うことになり!?

©キャラメルBOX

鏑木財閥の御曹司である主人公の元に、顧問弁護士がやってきた。先日亡くなった祖父の遺言を伝えるためにやってきたという弁護士は、名門女学院の入学案内を主人公に手渡す。祖父の遺言とは、主人公が女学院に通うことだったのだ。幼なじみのまりやが悪ノリして、女装して学院に通うことになってしまう主人公。しかも、なんの間違いか、全学生の憧れの的、エルダー・シスターに選ばれてしまい!?

プレイしての最初の印象は、とても丁寧に作られているなぁということ。システムはオーソドックスなコマンド選択型AVGだけど、選択によってシナリオに矛盾がでてしまうこともないし、どのキャラのシナリオもしっかりとと描かれている。CGもデッサンが崩れてしまうようなものもなく、立ちキャラも含めて非常にキレイ。数自体もそれなりにあるので、CG目当てに購入しても、後悔はしないのでは?　システム面でも必要と思われるものは一通り装備しているので、プレイしていてストレスを感じることはないはず。

ストーリーは章仕立てで進行。章と章の合間には予告編が入り、まるでアニメを見ているような感覚でプレイできる。ゲーム中では桜が散っていたり、雨が降っていたりと、さまざまな部分に画面効果が使われているので、よりそういった感じが強くなる。章仕立ての作品の宿命として、共通ルートが多くなるというのがあるが、その点はこの作品も同じ。ただ、メッセージスキップが快適なので、それほど問題はないだろう。

物語は女装して女学園に通うことになった主人公を中心としたラブコメ。物語の前半は特にコメディ色が強く、楽しいドタバタが続いていく。後半に入ると、意外とシリアスなストーリーが展開される。女のコたちが抱える悩みを、主人公が一緒になって解決していくという流れで、この部分も非常に丁寧にシナリオが作られているので、唐突な感じもなく物語に入り込むことが可能。攻略可能キャラは悪戯好きなお姉さま、活発な幼なじみ、ツンデレお嬢様、大人しい下級生に元気な後輩の5人。いずれも個性的でかわいく描かれている。また、攻略キャラではないものの、サブキャラもしっかりキャラが立っていて魅力的。

ゲームをクリアするとおまけシナリオがプレイ可能になる。おまけシナリオは、キャラの意外な面が語られることもあるが、意外でありながら納得できてしまうという良くできたモノ。おまけシナリオというと、ただのおふざけになってしまっている作品もあるが、このゲームはおまけといえどもしっかりと考えられているのは好印象。

とても良くできた恋愛AVGである本作だが、最大の欠点は音声がパートボイスであるということ。音声はキャラのイメージに合っているし、声優さんの演技も問題なし。セリフもかわいく、萌えるものが多いのにフルボイスでないのはかなり残念。確実にポイントを稼げるところのなのに、なんでこんな仕様になったんだろう?

ビックリするような所はないけど、とても丁寧に作られた本作。美少年が女装して学園に通うというシチュエーションに興味を惹かれるなら最後まで楽しくプレイできるはず。

（by Suno）