ランス・クエスト
ALICESOFT | WindowsXP/Vista/7 | 1024x768 |
ダウンロード版:6800円(税込) パッケージ版:8925円(税込) | 1Play40時間 | 属性:クエスト達成形RPG |
難易度:8 | 2011/8/26発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
シィルの呪いを解く方法を探せ!
魔神を倒し、JAPANを統一したランスだったが、その戦いの中で魔王・美樹の魔力が暴走し、ランスをかばったシィルは永久氷の呪いを受けてしまう。永遠に溶けない氷に閉じ込められたシィルを救う方法を探す旅に出たランスだったが、カラーの女王の呪いを受けてしまい、女のコとHできなくなってしまった。ハイパー兵器を封じられたランスの運命は? シィルを救う方法は見つかるのか?
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『戦国ランス』に続くランスシリーズの新作。タイトルこそ『ランス・クエスト』となっているけど、実質ランス8ですな。けれど、この作品を『ランス8』と呼ぶのは、ちょっと疑問が残る。というのも、本作は物語的には『ランス9』のプロローグに相当するものだから。物語を進めていくと、AL教団やヘルマン帝国、魔神たちがいかにもキナ臭い動きをしていることが分かってくる。しかし、そのいずれもが伏線を張っただけで終わってしまい、決着はつかないままになってしまっている。さらにラスボスも小粒で、『ランス6』や『戦国ランス』のような盛り上がりもナシ。本作は『ランス9』に繋がる物語なのだからAL教団、ヘルマン帝国、魔神の全てに決着をつけるのは無理としても、1つくらいはスッキリとケリをつけて欲しかった。個人的にはこの作品は『ランス7.5』とでも呼ぶのが妥当じゃないかと思う。それから公式サイトで「前作をプレイしていなくても、誰でも楽しめる内容なのは今まで通り」とあるのだけど、これは無理がある気がする。シリーズの歴代キャラが大量に登場するので、前作までをプレイしてないと、楽しめないんじゃないかな。久しぶりに登場するキャラもいて、シリーズのファンにとっては嬉しいところではあるんだけどね。
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ランスシリーズといえばゲーム性がウリでもあるわけだけど、ゲーム部分に目を移すと、これは古き良き時代のRPGという印象かな。イマドキのJRPGというとストーリーを進めていくと自然と適切なレベルになり、さほど苦労せずにクリアできてしまうものが少なくないけど、本作は何度もクエストを繰り返して経験値稼ぎをするのが必須。そして、経験値稼ぎをしたとしても常にギリギリの戦いを強いられるゲームバランス。豊富な職種とスキルの組み合わせで戦い方も変わってくる。「ゲーム」を楽しみたい人にとっては、まさにうってつけの作品といえるかと。また、本作では1キャラの攻撃可能回数が非常に限られていて、1つのクエスト中で頻繁にパーティーに入れるキャラを入れ替える必要があるのだけど、このシステムもゲームの戦略性を高めるのに一役買っていると感じた。それから、この作品では1度ゲームをクリアすると、敵が強化されたワールド2をプレイすることができるのだけど、これもやり込み派のプレイヤーには楽しいんじゃないかな。というのも、ワールド1とワールド2では、戦い方を変える必要があるから。ワールド1では武器の槌を装備するのが手っ取り早い攻略法だったりするのだけど、ワールド2ではその方法は通用しない。初回プレイとはかなり違った印象になるわけだ。最終的にはワールド5までプレイできるので、かなり長期間楽しめる作品となっているといって良いと思う。
システム面でちょっと気になったのが、禁欲モルルンのシステム。これはレベル35以上のキャラがランスとHをすると、レベルが1に戻されてしまうというもの。このシステムはレベルの限界値が上昇するというメリットもあるので問題ないのだけど、レベルが変化した際に装備などが全て外されてしまうのが面倒くさい。禁欲モルルンをするたびにステータス画面を開いて装備をチェックする必要があるわけで、この点は何とかして欲しかった。もっとも、その点を差し引いても良い感じの時間泥棒であり、じっくりと遊べる貴重な作品であることは確かだと思う。今後も追加クエストを配信予定とのことなので、その点も1本のゲームを長く遊びたいという人にとっては嬉しいところだろう。というわけで、オススメ度は☆4つ。シリーズのファンなら、とりあえずプレイしておいて損ナシ。
(by Suno)