ランス10
アリスソフト | Windows7/8/10 | 1920x1080zca |
9800円(税別) | 1Play15時間 | 属性:RPG、戦争、ファンタジー |
難易度:7 | 2018/2/23発売 | オススメ:☆☆☆☆☆ |
鬼畜王ランス、その最後の戦いが幕を開ける!!
人類最強の冒険者でありながら無類の女好きで破天荒な振る舞いをしながら世界各地を冒険してきたランス。毎度トラブルに見舞われながらも最後は勝利し、結果として世界の危機を何度も救ってきた。前回の冒険でランスが軍事国家・ヘルマンでの革命を成功させてからまもなく、人類史上最悪の事態が発生する。魔人たちが魔物の大軍とともに攻めてきたのだ。まさか魔軍が攻めてくるとは思ってもいなかった人類側は大混乱。国家家の足並みも揃わず、各地の戦況は悪化するばかり。この絶望的な状況を救えるのはやはりランスしかいない!! 各国の姫君たちをモノにしてきたランスは自分が人類のリーダーとなることを宣言、かくしてランス総統率いる人類軍と魔人ケイブリス率いる魔軍との最終戦争が始まった。
© 2017 ALICESOFT
アリスソフトの看板タイトルであり、エロゲーの仲で最も長い歴史を持つ『ランス』が遂に本作で完結となる。それだけで話題になっていたし、今までランスを遊んでいなくても改めて興味を持った人も多いだろう。作品ごとにRPGだったり、戦略SLGだったりとゲームシステムを変えてきたランスシリーズだが、今回は“SLGっぽいRPG”という印象を受けた。魔軍と人類の戦いは戦略SLG大作の元祖ともいえる伝説的な人気作『鬼畜王ランス』でも描かれており、今回はそれに近い内容でストーリーが展開されている。侵攻されている4つのエリアで人類を救うべく戦果を上げていくのが目的だ。いかにも難易度の高い戦略SLGっぽい様相だが、実際はかなり遊びやすいというのがまず何よりもの感想だった。ゲームは魔人を倒す、重要イベントをこなす、といったストーリーを進行させる行動を取る事で難易度が上がっていく仕組みで、最初は適当に戦っていても負けることは滅多にない。いきなり魔人を倒しにいってもちゃんと倒すことができるので、強気に攻めてしまっても全く問題ない。魔人との戦いでは初戦で勝つことは難しいが、そこでゲームオーバーとはならず、そのまま敵の弱点を探したり、卑怯な手を使って勝利を掴んでいく。このあたりがしっかりと冒険RPGになっていることが、中身がRPGだと感じた大きな要因だろう。個人的にはいきなりゲームオーバーの連続になるような、手強いゲームバランスを想像してたので少し意外だった。ただ、ゲームがずっと簡単…では決してなく、魔人を倒しまくるなどして難易度を上げるとトンデモなくシビアなレベルに変わる。後半にいくほど難しくなっていくので、ゲーム全体を見ればやはり簡単なものではない。当然ながら歯応えはバッチリあるので、コアなゲームファンも安心してほしい。また、ゲーム中には重要用語を記録する図鑑機能がついており、各魔人や仲間の情報について補足説明も入る。この機能のおかげで初めてランスシリーズを遊ぶ人でも「こうゆうキャラがいるのか~」的なノリでなんとなく理解できる事が多いと思う。元々1作ごとに独立しているシリーズ内容なので、初見で最後の『ランス』を遊ぶのも全く問題ないぞ。
© 2017 ALICESOFT
過去作もそのゲーム性の高さで評価を得てきた『ランス』だけに本作も当然やり込み要素十分の大ボリュームの内容となっている。エンディングはバッドエンド系からラスボスを倒す正規エンド系まで複数、14種類もあり到底簡単に制覇することなどできない。前述したようにストーリーに影響する行動を取るほどゲームが難しくなっていくので、ベストな選択を取るほどにクリアは難しくなる。そのため初回から最高のエンドを目指すのは相当シビアなレベルだが、本作は周回プレイによるボーナスが豊富なのでプレイ回数を重ねれば必ずクリアできるようになっている。具体的には人類滅亡、魔軍に敗北、魔王復活といったバッドエンドでもクリア扱いにはなり、クリアポイントを得ることができるのだ。それを使って初期ランクアップや獲得経験値増加といったボーナスを用いた状態でプレイすれば非常に有利な状態でゲームを進めることができる。うまくクリアできない人は達成しやすいエンドを回収し、有利な状況を作った上で完全クリアを目指せすといい。もちろん腕に自信のある人は最初からベストエンドを狙ってみても面白いだろう。ゲームシステム的にもどこの国から助けにいくか、魔人を倒すか倒さないか、またはサブクエストをやってみたり、仲間集めを優先したり…とかなり自由度の高い内容なので、自分なりのプレイ手順、攻略法で遊べる楽しさがある。遊び始めるとつい夢中になって何時間も遊んでしまう中毒性の高いゲームとも言えるだろう。
前述しているだけで相当に遊べそうな大作ゲームであることは想像できると思うが、恐るべきことに更に大きな隠し要素がある。特定の実績項目を達成すると本編のアフターストーリーを描いた“第二部”が出現するのだ。内容の方はネタバレになるので秘密だが、第二部はただのオマケではなく、完全に独立した後編であり、もうひとつの『ランス10』となっている。自由度の高い本編とは異なり1本道のストーリー重視の内容なので、物語としては自分は第二部の方が楽しめた。本編と第二部、両方を最後まで見届けてこそ『ランス』は完結するので、ぜひ両方のクリアまでプレイを目指してほしい。なお、第二部の方も2周目以降に解放される要素があるので最低2周は遊ばないと駄目だぞ!!
(by RYO)