つくとり
ruf | Windows98SE/Me/2000/XP/Vista | 800x600 |
8800円+税 | 1Play6時間 | 属性:サスペンス、伝奇 |
難易度:1 | 2007/5/25発売 | オススメ:☆☆☆☆(サスペンス度) |
神の名を騙り殺人を繰り返す犯人は誰だ?
過疎化の進んだ月鳥町は、古い伝統や習慣に縛られた田舎町。今でも「ツクトリ様」という神の存在が信じられており、毎年祭りの季節が近づくと木に吊るされた死体が発見されるのだった。しかし、住民たちは殺人事件とは考えず、死体はツクトリ様の生け贄であると信じ、事件を表沙汰にすることはなかった。主人公の橋上郁は、とある仕事で月鳥町に向かうことになり、奇怪な事件に巻き込まれていく。偶然知り合った女刑事・久十生寧に頼まれ、捜査に協力することになった郁は、ツクトリ様に関わる陰謀を暴くことができるだろうか?
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このゲームは、ツクトリ様伝説に深く関与した奇妙な殺人事件を捜査し、連続殺人犯を探し出すのが目的のAVG。推理モノのAVGだが、正解選択肢を連続で選び続け、真犯人を絞り込むような場面はない。テキストを読み進めていけば真相が明らかになる。推理シーンで正しい答えを導き出せず、ハマってしまうようなことはないので誰にでも気軽に楽しめる構成と言えるね。物語序盤は共通ルートを読み続け、途中の分岐ポイントで進みたいルートを指定するだけでOK。選べる章は3つ用意されているが、最初のプレイではバッドエンド的な結末を迎えることになる。で、各章の結末をすべて読み終えると最終章に進めるようになり、真相が明らかになるシステムだ。
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分岐後の各章の展開は、クローズアップされるヒロインがそれぞれ異なり、展開も結末もまったく異なる。テキストの重複部分が少ないので、読み応えはかなりあるね。ただダラダラ長いだけの展開は飽きちゃうけど、各所に散りばめられた伏線が明らかになっていくテンポが秀逸で、グイグイと物語に引き込まれていくのが高ポイント。何となく読み飛ばしてしまった部分が、後々になって指摘され「あっ、そういえばそうだった!」みたいなシーンが多かったのがGOOD! こういうハッとさせられるシーンが多いミステリーは楽しいね。また、各ヒロインが個性的で、掛け合い漫才的な会話を楽しめるのも魅力の一つ。とくに女刑事・久十生寧のおとぼけっぷりがイイ味出てました。才能ある女性ってこんな変なところ持ってそうだよなぁ〜って、妙に説得力あるキャラになってて感情移入し易かった。でも、登場人物全員が掛け合い漫才に突っ走る傾向があり、ちょっとクドイ感じも…。天然系やおとぼけキャラは人数を絞らないと、日常会話がガチャガチャして読み疲れてしまう。出会って2〜3日の人間同士が、いきなり皮肉を述べ合ったり、ボケとツッコミを演じ合うのは冷静に考えると変だし。
まぁ、ちょっとギャグを意識した日常会話がクドイ感じはするが、全体的なストーリー展開・完成度は高い。とくに、信じていた者が敵なのか味方なのか分からなくなっていく、五里霧中っぽさがたまらんですな。よそ者である主人公が閉鎖的な町で孤立し、行き場を無くして追い詰められていくドキドキ感も緊迫感あってグッド。伝奇+サスペンスがイイ感じに融合してるので、本格的なミステリーAVGが好きな人は満足できると思うよ。しかし、テキスト部分は非常にボリューミーなのだが、ビジュアル面がちょっと寂しいのが残念。回想モードに登録されるHは全部で11シーン。オープニングから初Hまで数時間かかるので、気軽にバンバンHを見たいって人には合わないだろう。推理モノなのでHが少ない構成もアリ、って割り切れる人なら問題なし。ガッツリ読めるストーリー重視のAVG好きに是非!
攻略
共通ルートである2日目の捜査が終わったら、セーブポイントを設けるだけでOK。あとは表示されてる章をクリックし物語を読み進めよう。全章を制覇すると最終章ですべてが明らかになる。
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序章 |
一日目 |
二日目 |
☆セーブポイント |
「月に答へて 鳥討たば さざめく森の姫が哭く」編 |
☆セーブポイントから |
「堅州国より 鬼子くる 三度殺めて 櫃に入れ」前編 |
☆セーブポイントから |
「神代のしずく 絶えつとき 八鏡が 朱に染まる」前編 |
☆セーブポイントから |
「月に答へて 鳥討たば さざめく森の姫が哭く」真章 |
☆セーブポイントから |
「堅州国より 鬼子くる 三度殺めて 櫃に入れ」後編 |
☆セーブポイントから |
「神代のしずく 絶えつとき 八鏡が 朱に染まる」後編 |
☆セーブポイントから |
「風の淵に 焔立つ、万世、千代にと 神無名満つる」編 |
(by イ・ヤン提督)