R.U.R.U.R ル・ル・ル・ル〜このこのために、せめてきれいな星空を〜
light | Windows2000/XP/Vista | 800x600 |
8800円(税別) | 1Play15時間 | 属性:SF |
難易度:4 | 2007/4/27発売 | オススメ:☆☆☆☆ |
ただひとり生き残った人間の波瀾な人生
亜光速で航行する恒星間移民船サンテグジュペリ号は、主である人間たちをもう何百年も前に失い、チャペック(高等ロボット)たちがセーバーハーゲン(作業機械)たちと暮らしていた。そんなある日のこと。彼らは大変なものを見つけてしまう。破損してはいるけれど、かろうじて生命維持装置が正常に動いていたコールドスリープ装置。その中で眠っていた人間の男の子イチヒコを目覚めさせ、チャペックたちは町でイチヒコを育てていくことにするのだった。イチヒコの存在はチャペックたちの生活に大きな変化を与えていくことになる……。
まずはインストーラーのことにふれておきたい。自分はいつもCドライブにはゲームをインストールしないので別のドライブを選択したのだが、インストーラーがCドライブ以外にはインストールできない作りになっていた。仕様なのか不具合なのかは不明だが、正直いってこれには少々戸惑ったかな。まあ、説明書にはインストーラーが使えない場合の手動インストール方法も記載されているので、困ったりはしなかったんだけどね。
© light
ゲームのシステム自体は必要な機能はすべて備えられていて快適だ。メッセージ表示に使うフォントの変更も可能で、TrueTypeフォントだけでなくOpenTypeフォントにもちゃんと対応している(ただし、一部のフォントにおいては文字サイズがかなり小さくなる)。セーブデータにコメントをつけることができるので、セーブした時点におけるシナリオ進行状態の管理もしやすい。もちろん、コメントをつけるのは面倒な人向けに、コメント入力をユーザーに問い合わせないように設定もできる。気になる部分をあえてあげるとすれば、メッセージスキップを改良してほしいかなというぐらい。既読スキップをして未読部分で止まるのはいいんだけど、未読部分が終わり既読部分に戻ったらプレイヤーがまたスキップを押さないといけないんだよね。ほかには、じっくり読む作品なのだから、気になった部分をバックログで読み返したいという人もいると思う。もうちょっとバックログを長く遡れるようになっていればよかったかなと感じた。利便性という面ではクイックセーブ/クイックロードも改善の余地があるかも。クイックセーブ&ロードをすると「確認でクリックをさせられる」というのがあるから。クイック系のセーブ&ロードに期待するものは人によって違うとは思うけど、クリックして即セーブ&ロードが手軽に実行されることが期待されるはず。確認のためにクリック(キャンセルができるわけではないOK一択なので実質的には意味がない)というのは無駄だと思う。せめて数秒の経過で自動的に確認画面が消えるとかであればよいんだけど……。
ゲームの内容のほうはというと、この作品はじっくりとストーリーを読み進めていくタイプだ。そのため、世界観などの設定にどれぐらい興味を持ったかで印象はだいぶ変わってくるはず。幸いなことに体験版が公開されているので、まずは体験版をプレイしてみることをお薦めしたい。ストーリーは唯一の人間であるイチヒコと、チャペックたちの交流がテーマとなっている。序盤のほんわかとした雰囲気から一転して終盤はシリアスな展開となり、葛藤とすれ違いを重ねながら人間とロボットたちが共に幸せになる道を探るという展開となると思ってもらえれば作品の方向性は大まかにわかるんじゃないかと思う。
それにしてもだ。すでに何百年も人間がいなかったからか、チャペックたちの常識は微妙に(かなり?)ずれているところがあり、思わずクスリと笑ってしまいそうになるシーンの数々が意外に面白い。裸エプロンが古典的で文化的な格好だと思っているとかね。ちなみに初回プレイでは、プレイ中に選択肢がひとつも出現せずにノーマルエンド的な結末へ向けてストーリーが紡がれていく。まずは作品の世界観などをじっくりと知ってもらおうということで、このような作りになっているのだろう。テキストを吟味しながら読み進めていくと12〜15時間ほどでエンディングまでたどり着くはずだ。世界観の6〜7割をしっかり把握した状態での2回目のプレイでは、補足や追加エピソードが盛り込まれてボリュームが増すこともあり、より深くストーリーを味わえるのだが、それゆえにプレイを進めるのにはかなりの時間を必要とすることだろう。
なお、CG枠は92個でシーン回想は44種類(Hシーン以外も含む)となっている。テキスト量が膨大であるため、コンプリートしたあとに見てみると「モキュ? もっとあったんじゃ?」と意外な感じを受けるかもしれない。少なくとも自分はそういう印象だった。BGMもシーンに合っていてかなり良好な感じだ。
個人的にはシロツメグサのシナリオが一番楽しめたかな。ある意味本作で一番「すごいこと」をするヒロインかもしれない。イチヒコもそこまでやるのかというほど読めない展開をしてくれて驚かされた。でも、本作はヒロインたちが人じゃない時点でプレイヤーを選ぶかもしれないね。作品の出来的にはかなりよいと思うんで、まとまった時間を取れる人にお薦めしたい。
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攻略
シナリオの長さの割りには選択肢は少ないので意外に難易度は高くない。すべてのエンディングを見ればCGと回想が埋まるので、プレイ中はストーリーに集中できるんじゃないかな?
選択肢なし |
【エンディング】 |
いる |
《家》にいる |
☆セーブ1 |
しろ姉とはセックスしない |
Oui |
Oui |
☆セーブ2 |
わからない…… |
【お別れエンド】 |
☆セーブ2から |
みず姉をとめる |
【ミズバショウエンド】 |
☆セーブ1から |
しろ姉とセックスする |
☆セーブ3 |
でも…… |
【ヒナギクエンド】 |
☆セーブ3から |
うん…… |
【シロツメグサエンド】 |
☆セーブ1から |
しろ姉とはセックスしない |
Non |
Non |
あやまらない |
☆セーブ4 |
うん、やめて |
【コバトムギエンド】 |
☆セーブ4から |
ううん、もっと聞かせて |
【タンポポエンド】 |
☆セーブ3から |
でも…… |
ちょこっとだけ薄目を開けて、ベニバナとヒナがどれだけ似ていたか、確認してみた。 |
うん。僕残るよ。 |
【ベニバナエンド】 |
(by 天城螢)