プリンセスナイトメアPrincessNightmare

Twitter縺ｧ縺､縺ｶ繧�縺�

リトルの運命の相手は誰!?

14歳のときにバンパイアとなったリトルは、父代わりのブラドと兄代わりのラドウと3人で生活をしていた。しかし、夜の世界に生きるバンパイアは人間たちから怪しまれ、やがてバンパイアハンターたちに追われるようになる。逃げるように転々としたリトルたちは、やがて日本にたどり着いたのだった。占いで東の地に運命の出会いがあると出ていたリトルは内心喜び、日本に着いたその日のうちから運命の相手を求めて夜の街を徘徊する。さらには聖ローザ学園の夜間部に転入し、学園生活を楽しもうとするのだが……。

© KARIN ENTERTAINMENT 2007 ALL RIGHTS RESERVED

まず本作をプレイしたのはWindows版であることを明記しておく。MacOS版のほうはプレイしていないため、多少システム面では異なる可能性があるので、その点に留意してほしい。

この作品はインストーラーに大きな問題がある。ユーザーにインストール先を問い合わせることもなく、勝手にProgram Files以下に入れてしまうのだ。システムのドライブには不必要にアプリケーションをインストールしたくないので、こういう仕様は勘弁してほしい気がする。しかも、ゲームの起動時には製品のDVDを入れておかねばならないが、驚くべきことにDVDをドライブに入れると毎回インストーラーが起動してしまう仕様でかなりウザいと感じた。ゲームシステムのほうも変わっていて、初期設定でMacromedia Flash Playerのローカル記憶領域を最大の制限しないにしないとセーブが正常にできないことがあるらしい。そう、本作はMacromedia Flashを利用して作られている。このため、ついつい右クリックをしてしまった際にMacromedia Flash Playerの設定が毎回表示されてしまうので、プレイしていて鬱陶しいと感じるかもしれないね。

ゲームのほうはというと、じっくりとストーリーを読ませるタイプの作品だ。登場するキャラは設定が個性的でうまく作り込まれていて、しっかりとキャラが立っている。そして襲撃してくる妖魔やバンパイアハンターたちとの戦いがアツいし、初めての学園生活でクラスメイトたちに影響されたり、気になる人ができて心が揺れ動いてゆくリトルの変化も楽しめると思う。ストーリーは途中の選択肢によって終盤は学園・研究所・魔界と3つに分かれるため、ルートによってずいぶんと展開が異なっているのが嬉しいね。伏線もそれなりに張られていた。終盤はかなりシリアスなストーリー展開を見せてくれるのもGoodだ。

まあ、でも困ったことにゲーム中の選択肢は制限時間付きであり、時間切れになると勝手に行動が決まってしまう。制限時間が結構短いため、じっくり読み進めていたところで急に決断を迫られて戸惑ってしまう人も少なくないだろう。この作品の場合はプレイヤーを急かすような要素となる制限時間がないほうが楽しめるんじゃないかと思うんだけどね。突然選択肢が出現するから事前にセーブしたければプレイ中にこまごまとセーブしておかねばならないわけで、ストーリーに集中できなくなってしまう人もいるだろうし。ただ、バックログ機能で過去に選んだ選択肢も表示されるのはちょっと便利だったかな。こういう機能は攻略プレイをする上で非常にありがたいかも。

© KARIN ENTERTAINMENT 2007 ALL RIGHTS RESERVED

キャラはわがままで悪女的な主人公のリトルと、リトルを良き父親として温かく見守ってくれているブラド・ドラクレア伯爵、シスコン気味で過保護な兄代わりのラドウ・ドラクレアの3人がバンパイアだ。リトルの持つぬいぐるみに擬態したチェシャもドラクレア家の屋敷内や魔界でいい味を出して活躍してくれる。学園では生徒会長でなぜかよく妖魔に狙われる小早川真治と、その友人で妖魔を狩っているウェアウルフの犬飼一狼太、副委員長で親友となる出雲由香が学園生活を時にはコミカルに盛り立ててくれることだろう。バンパイアハンターなど敵対する側には、凄腕のハンターらしいヴァン・ヘルシングと、フランケンを筆頭とする対魔用に作られた人造人間たち、そしてマッドサイエンティストな感じがするムラサメがいてリトルたちの生活を脅かす。ほかにもルートによっては、魔界から悪魔メフィストや魔界の王子プリンス・カオス・クリムゾンなどが登場する。じっくり読みながらプレイすると1回のプレイで8時間以上かかるだけに、それなりに登場人物は多い。

© KARIN ENTERTAINMENT 2007 ALL RIGHTS RESERVED

ちなみに、この作品はエンディングを見るだけならば、それほど難易度は高くない。だが、コンプリートするとなるとそこそこ難易度が高いほうだと思う。シナリオの進み方やプレイ回数（累積されているっぽい隠しパラメータの悪女度？）によって途中でアイテムが手に入るのだが、それらアイテムの所持状態によってCGやシーンが追加されるというものがあるようだった。そのため、コンプリートを目指したい場合は、毎回ゲームを最初から始めないといけないんじゃないかな。これが必要以上に難易度を高めているというか、少々意地悪な作りというか。ゲームは楽しむためのものであって、面倒だったり難しすぎるのは嫌う人もいると思うんだけどなぁ……。まあ、メッセージスキップは早いほうだから、滅茶苦茶手間というわけではないけどね。ちなみにCGは159枠（ただしCG差分も別枠）、回想は127種類で、かなりのボリューム感がある。

吸血バトルアドベンチャーとかゴシックバトルアドベンチャーと銘打っているだけあって、漢たちのアツい戦いが描かれるシナリオだ。ゲームのシステムがちょっとプレイしにくい感じもするが、それを差し引いてもこのようなストーリー・世界観が好きな人にはお薦めしたい作品だ。お薦め度はシステムのほうのマイナス面で少々悩んだが、ストーリーと世界観が気に入ったので☆☆☆☆-ぐらいということで。

なお、パッケージ内にお詫びが入っていているが、DVDにDVD-Videoとプリントされていたため、先にDVDを見てしまったら「あれ？　この作品ってマルチプラットフォームだけどDVDPGだったの？」と少々戸惑うかも……。実際はそうじゃないんだけどね。でもよく考えるとマルチプラットフォームで制作するならば、うまくゲームのシステム仕様を調整して家電のDVDプレーヤーにもプレイ可能環境が広がるDVDPGで開発するという手もあったんじゃないのかなとか思ったりして。

※本作品はいわゆる乙女ゲームです。でも、全年齢向けなので吸血や健康診断でちょろっと半裸とかがあるかなという程度なので、男性プレイヤーでも結構楽しめるんじゃないかと思いますよ。

   使い方

攻略

2周目以降でないとルートに入れないキャラが存在することと、コンプリートのためにはゲームを最初から開始しないといけないことに注意が必要だ。チャートはプレイした順に並べているので、これとは異なる順番にプレイするとコンプリートできないかも。このチャート通りにプレイすれば100％になるはずだけどね。

（by 天城螢）