傷モノの学園3-heaven's door-

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全寮制の学園で始まる「ゲーム」の行方は？

神学科と芸術科の2つの学部を持つSt.アルクトゥルス学園。芸術科に所属し、辛辣な口調や人に関わりたがらない性格によって孤立している西園イスカ。神学科主席で完璧であるが故に孤独な稲城衣里。お互いに惹かれあっていくイスカと衣里。ある時、衣里は「天使ゲーム」という名の遊戯を持ちかけてくる。それをきっかけに、芸術科と神学科の対立が表面化し、学園全体を巻き込む凌辱劇が幕を開ける……。

©RaSeN

タイトルは『傷モノの学園3』だけど、ストーリーは完全に独立しているので、前作までをプレイしていなくてもまったく問題なし。凌辱、輪姦がコンセプトという部分だけが共通だね。物語はエロゲー版『蝿の王』という感じ。稲城衣里の始めた「天使ゲーム」によって、学生たちは疑心暗鬼に陥り、学園に暴力と凌辱の嵐が吹き荒れる。そして、事態は破滅へと突き進んでいくと言う流れ。一応、ハッピーエンドもあるにはあるけど、それはあくまでオマケという感じで、破滅的なバッドエンドがメイン。ただ、ハッキリとしたストーリーがあるわけではなく、単発のエロシーンが連続して表示されるという構成に近くて、ストーリー性はあまり強くない。起承転結というよりは転転転結という感じかな。

このゲームの見所はなんといってもＨシーン。53というイベント数もさることながら、凌辱にいたるまでの過程を飛ばして、凌辱のクライマックスシーンだけが連続して出てくるので、エロゲーとしての実用度は抜群。CGの使い回しもほとんど無いので、満足度は高いだろうね。また、凌辱シーンでは物語の視点が切り替わり、凌辱されている女のコの視点で物語が語られるシステムになっているんだけど、このシステムを採用したことでキャラの個性がしっかりと表現され、Ｈシーンの盛り上がりも充分。やっぱり、無個性なキャラがただアンアン喘いでいるだけより、キチンとした個性のあるキャラがなにを考えているか分かった方がＨシーンをより楽しむことができるしね。残念だったのは、西園イスカ、茅ヶ崎園子、クリエール・キャロライン、稲城衣里、仁科怜音、御園尾皐月のメインキャラのＨシーンが少なくて、サブキャラのイベントが多かったこと。できればメインキャラのイベントをもっと増やして欲しかった。あと、このゲームは暴力性が強いことも要注意かもしれない。輪姦がコンセプトなんだから暴力性が強いのは当たり前と言えば当たり前なんだけど、このゲームの場合、殴る蹴るといった暴力シーンがかなり多くなっている。挙げ句の果てには性器に打ち上げ花火を挿入したり、四肢切断ダルマイベントなどもあったりする（四肢切断はテキストのみ）。ここまで行くと引いてしまう人もいそう。これはゲームの善し悪しではないけど、プレイヤーを選ぶことは間違いないだろう。

©RaSeN

エロシーンの充実度では大満足の本作だけど、システム面では問題アリ。まず、ゲームシステムはコマンド選択型AVGで、通常のシーンはビジュアルノベルスタイル、イベントシーンでは画面下にテキストウインドウが表示されるシステム。ここまでは問題ない。軽快に動作するシステムなので、快適にプレイ可能だ。問題は選択肢が表示されている時はセーブ不可ということ。プレイヤー側からすれば、選択肢部分では当然セーブしたくなるはず。この部分でセーブできないというのは、大きなマイナスだろう。しかも、選択を間違えると2度と見ることができないイベントが発生してしまうと言う極悪仕様。これでは、ほとんどプレイヤーに対する嫌がらせとしか思えない。ゲーム自体が良かっただけに、このシステムはもったいなかったね。

良くも悪くもアクの強いゲームなので、プレイヤーの嗜好によって好みが分かれてしまうゲームだろう。血なまぐさい暴力シーンが嫌いという人は、絶対に手を出してはいけないゲームだ。逆にそうしたシーンに耐性のある人にとっては、実用性も高くて文句なしにオススメ。パッチによるオマケも結構豪華なので、凌辱、輪姦モノが好きならプレイすべし。

   使い方

攻略

レビューでも書いたように、プレイ順を間違えると見ることのできないイベントが発生してしまう。必ず上から順にプレイしていくこと。また、イベント選択画面ではセーブできないため、1つ前の選択肢を選んだらセーブしておこう。すでに途中までプレイしているという場合は、ディスクから完全アンインストールしてやり直して欲しい。

（by Suno）