鬼道封神記
Le.Chocolat | Windows98SE/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play6時間 | 属性:伝奇もの |
難易度:3 | 2006/5/12発売 | オススメ:☆☆ |
鬼道と古神道の戦いの幕が切って落とされる!
考古学者の卵、九鬼修一郎は家政婦として働いていた亜依羅の力によって、自らの力に目覚めた。修一郎の魂は、かつて鬼道の力によって邪馬台国を納めた卑弥呼の弟のものであり、亜依羅は鬼道を守護する鬼巫女であったのだ。鬼道の力による王道楽土創出のために、卑弥呼復活をめざす修一郎。しかし、彼らの前に鬼道の敵である古神道の巫女が立ちふさがった…。
物語は鬼道による世界の支配をめざす主人公と、それを阻止しようとする封印の巫女の戦いを中心とした燃え系の伝奇モノ。ホノボノ、マッタリとは対極にあるストーリーだけに、物語の緊迫感が重要になってくるわけだけど、ハッキリ言ってこの点に関してはイマイチ。敵であるはず巫女が主人公の家にメシをたかりに来て、秘密をペラペラしゃべってしまったりと、緊迫感をぶちこわすイベントがあったりして今一つ物語が盛り上がらない。ラストもかなりの超展開で、プレイしていてポカーンという状態。あらすじだけ見ると主人公は悪のヒーローという感じだけど、実際は全くそんなことはなくて、最後は正義の味方になってしまう。これだったら、主人公を絶対悪にして、正義の巫女を陵辱するというストーリーにした方が楽しめたんじゃないかな。
©Le.Chocolat
Hシーンに関してはまずまずの出来。イベント数、CGもそれなりに用意されているので、Hシーン目的なら楽しめるはず。内容的には鬼道の技を使ったモノがメインで、植物を操ったり、触手でのプレイもあったりと、バリエーションも豊富。ただ、気になったのはCGの使い回しが多く、テキストとCGの内容があっていない部分があったこと。着衣のままでフェラをしているはずが、CGでは全裸になっていたりね。このあたりは作り込みの甘さを感じさせるし、改善してほしい点だね。
このゲームの最大の問題点はシステムだろう。プレイを始めて最初に気になるのが、メッセージの遅さ。メッセージスピードを最速にしても、ウエイトがかかったまま。MS-DOSの時代のゲームにはこういうのは良くあったけど、今時これはないでしょう。さらに、プレイヤーがセーブをしたい部分、選択肢直前でのセーブは不可能。当然、選択肢のかなり前のセーブデータからプレイし直すということが頻発するわけだけど、メッセージスキップは1度ゲームをクリアするまで使用不可という、ほとんど嫌がらせのようなシステム。オマケに画面エフェクトのカットができず、動作がもっさりした感じなのでプレイしていてかなりストレスを感じてしまった。ゲーム性の部分では巫女との戦闘がメインになるんだけど、このシステムは攻撃、防御などを選ぶだけで、戦略性はほとんど無し。勝敗は運で決まると言っていいし、ゲームバランスもあまり良くない。戦闘に負けてしまった場合は、かなり前のセーブデータからプレイし直しということになるわけで、ここでもメッセージスキップが使えないのがネックになる。さすがにメーカーもマズイと思ったのか、難易度修正パッチというのが出ていて、戦闘をスキップできるようになっている。だけど、このパッチを当てるとゲーム性はほぼゼロになってしまうわけで、いったいこのゲームで開発者がなにをしたかったのか、意味不明になってしまうけどね…。
物語の基本コンセプトやCGは悪くないのだから、シナリオを書き直し、システムを作り直せばそれなりに面白いゲームになったと思うだけに、かなり残念な内容。まあ、そこまでやってしまうと全く別のゲームになってしまうような気もするけど…。このゲームの魅力はCGのみということで、残念ながらオススメ度は☆2つ。せめてシステムがまともなら、☆3つつけても良かったんだけどなぁ…。
(by Suno)