オイラは番台2
インターハート | Windows98/Me/2000/XP | 640x480 |
8800円+税 | 1Play10時間 | 属性:覗き |
難易度:3 | 2006/4/21発売 | オススメ:☆☆ |
銭湯で覗きの美学を再び
父から受け継いだ銭湯の経営をしつつ、覗きと脅迫で女性客に好き放題をし尽くした主人公の団幸太郎。そんな悪行もそうそう続くわけもなく、共犯である友人たちにも裏切られあえなく刑務所送りに。そんな彼が刑務所から出所してきたところから、物語の始まりとなる。懐かしい我が家に戻って来るも、刑務所暮らしの最中に勝手に友人たちが銭湯を売り飛ばしてしまっていた。そんな悪友たちを捕まえて訳を聞いてみると、さすがに悪いと思ったのか幸太郎のために新しい銭湯を用意して待っていたのだという。そんなことで少々の疑いは持ちつつも、再び彼らの欲望に満ちた銭湯経営が始まることに…。
最初に断っておきたいが、私自身はこのシリーズは初プレイとなる。よくある続編でもそれ一本で充分に楽しめる、という売り文句を確かめるためにも、前作までのことを特に調べずにプレイしてみた。この作品自体は「〜2」とはなってるがシリーズ3作品目となるもので、一本番外編が発売されている。今作で前作までに興味が出るかどうかも、続編としては大事な要素ではないだろうか。
©INTERHEART
ゲームの流れは銭湯の経営をしつつ覗きをして、それをきっかけに女性客の秘密を見つけ、いいことをしちゃいましょうという感じになる。経営資金を使ってまずは通販で覗き穴を空ける道具を買い、特定の場所に穴を空けていく。全部の場所に覗き穴を作ってからが、いよいよ本当のゲーム開始といっていい。商店街で怪しい道具なども買い揃えて、ヒロインたちの攻略に移るという感じだ。銭湯経営自体は湯を変えたり広告を出したりなど、真面目にやれば特に何も考えなくてもいずれ儲かるようになる。経営で一番問題なのは友人2人と番台、売店、自由行動というローテーションをうまくやっていくことかな。ご機嫌を損ねると一度裏切ってる連中だけに、何をされるか分からない。リアルタイムに進む営業時間中に訪れる女性客とうまいこと関係を進展させ、イベントとは無関係に覗きまくったりしつつ進めていくことになる。
経営などでどうしても時間がかかるという作りのためか、ヒロインたちの攻略に関してはかなり親切設計だ。ヒロインは10人いるのだが、彼女たちの情報をいつでも確認できる「顧客名簿」というのが嬉しい。これには女性たちのプロフィールや現れる時間、イベント進行に必要なアイテムに現在の進展度などが記されている。さらに「HELP」という項目を見ると、一人一人について次のイベント条件が更新されていくので、これを見ていれば行き詰まることはほとんどない。何かしらのアイテムが必要な場合でも名簿に書いてあるし、また会話で何を使えばいいか言うので心配なし。また、イベント進行具合以外には時間制限というものがないので、じっくりとプレイできるのもいいかも。特に経営というシミュレーション的要素が手間になるだけに、それ以外はできる限り快適になるような配慮がいい感じだ。もう一つ個人的にちょっと気に入ったのは、主人公たちが結構いい歳したおっさんであるためか、ヒロインに熟女系が多いことか。若い子もいるけど、たまにはこういうのもいいかもしれない。
色々と作り手の配慮も見られるが、凝っているだけに個人的に問題だと感じる部分も少なくない。まず、なにより時間が妙にかかってしまうこと。営業中はリアルタイム進み、訪れるヒロインたちに何らかのアクションをしなくてはならい。そのため慣れないうちは時間の進み具合を遅くしておくのだが、この間の待ち時間が結構暇でしょうがない。右クリックである程度の時間は飛ばせるとはいえ、せっかく時計盤があるのだからこれは時間停止機能ではなく、指定数字をクリックしたらそこまで時間が飛ぶとかになっていれば良かったかな。無駄に時間がかかるというのは、プレイにおいては結構なストレスとなることも多いので、この点で数多くある親切設計が霞んでしまう可能性もある。実際ゲーム的に面白くなってくるのは、経営も軌道に乗ってお金に困らなくなってきてから。そうなるまでにプレイ時間が結構なことになってしまうので、もう少し途中のご褒美要素も多いと良かったかも。また、ヒロインは結構人数はいるし個性的でなかなかいいのだが、一人ずつのイベントCGはさほど多くないように感じた。とはいえ、同じ覗きシーンであっても結構メッセージ部分で変化を持たせているため、枚数自体はさほど気にならないかもしれない。エッチシーンのメッセージは結構いい具合だと思うので、絵よりもそれぞれの状況で楽しめれば問題なしとも思える。ただ、シナリオ的に違和感を感じたのは、まだ名前を知らないヒロインを覗いたりすると、彼女たちの名前を言ったりしてるところ。顧客名簿でも名前を知るまでは「?」となってるので、この辺はちょっと統一してもらいたい。
全体的には紙芝居的なものではなく、ゲームらしい作りであるため好感は持てる。ただ、お手軽に楽しみたいって人には少々手間がかかるために、誰にでもお勧めできる作品とは言えないかもしれない。そういう意味でオススメ度は少々低めに、また慣れてしまえばかなり短縮できるとはいえ、初回だと間違いなくプレイ時間もそこそこかかるので、そういった意味で難易度も3にしてみた。とはいえ、数々の親切機能で純粋な難易度からいえば、かなり攻略は簡単な部類にはなるはず。個人的には「覗き」ってものにロマンを持たせるところが意外にお気に入り。そういう趣味は無いと思ってたけど、結構覗く時って楽しんでたりして。あと、個人的に可笑しかったことを一つ。友人の平作がいくら魚屋だからって常に魚を手に持ってるのはどうだろうか。あんな番台いたら不気味でしょうがないんだけど。
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(by Norn)