夜刀姫斬鬼行
テリオス | Windows98/Me/2000/XP | 800x600 |
8800円+税 | 1Play12時間 | 属性:伝奇アクション、呪術剣術バトル |
難易度:6 | Keyディスク必要 | オススメ:☆☆☆☆☆(物語の完成度) |
荒神の魂を宿した主人公の過酷な戦いが始まる!
古代日本を震撼させた恐怖の荒神「夜刀神(龍)」は、朝廷の討伐隊により滅ぼされたかに見えたが、神を完全に抹殺することはできなかった。夜刀神の肉体は封印できたが、魂まで完全封印することはできなかったのだ…。そして、その荒ぶる神の魂は、主人公・長峰悠馬に宿り復活の兆しを見せ始めていた。悠馬は、夢の中で何かを伝えようとしている謎の人物に出会ったり、幼なじみ・風守桜子が刀に貫かれる衝撃的なビジョンを見るのだが…。これらは悠馬に何を伝えようとしてるのだろうか? そんなある日、悠馬と女剣士・久沙トウの出会いが運命の歯車を大きく動かすことに! 鬼を狩るための神刀・ヤトガタナ「薙」を所有するトウは、悠馬を狙ってこの街に現れたのだろうか? 悠馬に宿った夜刀神の力を巡り、壮絶な戦いが幕を開ける!
というワケで、物語は伝奇的な設定を活かしたAVGで、主人公・悠馬に宿った龍の力を巡る陰謀・策謀・戦いなどを描いている。とにかくビックリしたのがストーリーのボリューム。最近Hシーンがポンポン見られるゲームをメインに遊んでいたので、最初の1プレイが1日で終わらないAVGをやったの久しぶりで少し困惑した。最初の3時間ぐらいHシーンが出てこなかったので、思わずHシーンの出るシーンまでスキップしようかと思ったぐらい(笑)。でも、スキップはしなかった。というか、物語の構成が魅力的なので、じっくりテキストを読めるんだよね〜。登場人物が個性的で、日常会話はどこか掛け合い漫才的で面白い。取るに足らない会話が続いてかと思うとシリアスな展開に切り替わり、物語のアップダウンが激しくメリハリ満点。グイグイ物語に引き込まれていくね。H重視の人はこういう会話シーンがウザイと感じるかもしれないけど、読ませるAVGが好きな人は大歓迎だろう。
©テリオス
ゲームシステムはオーソドックスなコマンド選択のAVGだが、最初のプレイでは出現しない選択肢もある。最初に見られる結末がいわゆる王道で、追加される選択肢の結末は「なるほど! こんな未来や結末もあったか…」という少し変化球気味。選択肢を制御し、最初から変化球を見せないあたりの演出もいいね。たぶん、最初から変化球エンドを見せられても「???」な部分も多かったと思う。最初に王道ストレートを見て、そこの伏線を見たから変化球エンドが一層活きる感じ。物語を進めると、資料モードに補足説明が加わるのもミソ。ちょっと小難しい用語や設定で物語が構成されてるので、用語説明もチェックしながらプレイできるのは初心者にも安心設計だね。
ゲーム自体の難易度は平均的な感じかな? 選択肢を選び損ねるとバッドエンドを迎えるが、正解選択肢ならラストに向かって進んでいくスタイル。デストラップ型のAVGといえるけど、選択肢ごとにバッドエンドが用意されるほどの細かな分岐構成ではない。ことあるごとにバッドエンドを迎えると物語が寸断され流れが悪くなのでの、バランスとしては適切レベルなバッドエンド量と言えるんじゃないかな? あと、分岐で評価したいのが重複テキストの少なさ。前半部分は重複が多いけど、物語中盤で誰かのルートに確定した瞬間、今までとはまったく違う物語が始まるのだ。見たことのない展開が開けているので、繰り返しプレイも新鮮で楽しめるね。どの物語も甲乙付けがたい感動や涙があり、どれがトゥルーエンドと呼べるのかが分からないぐらい。個人的には本編をクリアすると見られる外伝、結華シナリオが平和な感じで好きだったな。とにかくテキスト量が半端なく膨大なので、この冬休みを利用して遊ぶには最適なAVG。テキスト読むのが好きな派の人にオススメだけど、サクサクHを楽しみたい人には厳しいかな?
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(by イ・ヤン提督)